日本有数の秘湯地帯である米沢八湯の一つ姥湯温泉は、吾妻連峰の一つで活火山である一切経山の北麓、標高1300mの高所にある。
すれ違いが難しい隘路を10数キロ、ようやく到達した姥湯温泉・桝形屋は、三方から剥き出しの崖が落ち込む荒々しいV字谷の中にあり、それを仰ぎ見ながら入浴する露天風呂は、温泉好きにとって一度は訪れたい秘湯である。


姥湯温泉 桝形屋 (山形県)



「ろと」さん撮影の内湯(女性用)。

 相互リンクさせて頂いているやなぎさんが姥湯温泉に宿泊されています。詳しい情報はこちらをご覧ください


脱衣場は男女別。

正面に混浴露天風呂

女性専用はこの囲いの中

施設名 : 姥湯温泉 桝形屋(ますがたや) (入浴日:2009年5月12日) 

謙信公を祀る上杉神社

温泉名 : 姥湯(うばゆ)温泉 

駐車場についてほっと一息。前方に滝と桝形屋がポツンと見える。峡谷を流れる前川が滝となって落下している。

徒歩10分、吊り橋を渡れば最後の坂道を上がって桝形屋。

米沢8湯の内の3湯の一軒宿へ。姥湯で神経すり減らして残りはパ

同じくやや左側の光景

脱衣所から中央からやや右側の光景。

米沢市は山形県の南東部にある人口約92,000人の市で、置賜(おいたま又はおきたま)地方の中心都市だ。
南部・東部は広い山地となっていて、特に南端の吾妻連峰一帯は磐梯朝日国立公園に指定され、天元台スキー場などがある豪雪地帯になっている。

米沢は戦国時代に伊達氏の本拠地となり、独眼で有名な伊達政宗もここで生まれている。その後、豊臣秀吉によって伊達政宗が陸奥岩出山に転封された後、会津に入った蒲生氏、ついで上杉氏の支配下となった。
上杉景勝は家老・直江兼続に30万石を与えて米沢に入れ、伊達氏及び山形の最上氏に対する抑えとした。

しかし上杉氏は関ヶ原の戦いに先立って徳川家康に敵対したため、1601年(慶長6年)に上杉景勝は91万石を30万石に減封され、居城を会津から米沢に移させられた。
兼続は米沢城を景勝に譲り、ここに上杉・米沢藩が成立した。

2009年のNHK大河ドラマ「天地人」の舞台であり、町中にこれと直江兼続の幟がはためき、伝国の社では天地人博が開催されており私たちも見学した。

対向車が来ませんように・・・。

赤い岩盤、滝か急流か区別がつかない、渦巻いて流れ下る。

予算付けてガードレールをお願い・・・

所在地 : 山形県米沢市

米沢市郊外には八つの温泉が湧く。
白布・新高湯・大平(おおだいら)・姥湯(うばゆ)、滑川(なめかわ)・五色・湯の沢・小野川、所謂「米沢八湯」である。
昔は、これに栗子温泉・笠松鉱泉を加えて米沢10湯と呼称していた。
郊外と言っても、大都市郊外の新興住宅地をイメージすると間違いになる。
湯の沢・小野川を除く6湯が標高900mから1100mの山間にあり、その内5湯が一軒宿、さらに3湯がいまだに自家発電の宿である。
日本有数の秘湯温泉郷と言っても過言ではない。

これら八湯は、熱源である日本百名山、那須火山帯最大の火山であり、福島県との県境となる吾妻山(最高峰2,035m)の北側山麓に点在する。
吾妻山、正確には吾妻連峰は、福島市西部から米沢市南部の天元台にかけて、東西20km南北10kmにわたって、標高2、000mの火山が連なる山脈である。

姥湯温泉はその吾妻連峰の火山・一切経山(1949m)の北麓・標高1300m、県内最高地に湧く温泉である。
日本秘湯を守る会の旅館である桝形屋は一軒宿で、三方に岩肌が剥き出しの荒々しい断崖がそそり立ち、そして奇岩・巨岩が目の前まで迫ってきている。
見る者に畏敬を感じさせる圧倒的な景観を仰ぎ見ながらの露天風呂は、温泉好きなら一度は訪れたい聖地となっている。

姥湯温泉までの道は、秘湯と呼ばれるにふさわしく、断崖沿いの隘路をかなり走らなければならない。
東北自動車道福島飯坂ICから国道13号線、板谷から県道232号線、すぐに案内板に従って林道に入り10kmほど進む。
この最後の10kmが長く、対向車が来ないこを祈りつつ、慎重に運転しなけらばならない。
滑川温泉が正面に見えてきたところで、急こう配の坂道を左折するが、対向車があり、それに気を取られて一回で曲がれず、背後が渓流の場所で(落ちる距離ではないが)ずるずる滑り落ちながらハンドルを切り替えした。

ようやく少し開けた宿の駐車場に到着したときは正直ほっとした。

駐車場から望む姥湯温泉枡形屋(中央、剥き出しになった荒々しい白い崖の前に屋根、徒歩で約10分)

姥湯温泉は室町時代の後期(1553年)の開湯で、現在のご主人は17代目に当たるそうだ。

駐車場に車を停めて徒歩で10分、最後の坂道を上がった先に桝形屋が見えてくる。木造2階建ての宿は近年リニューアルされたばかりだ。
厳しい気候と道路状況により11月上旬から4月下旬迄は休業する。

部屋数は、トイレ(ウオッシュレット)付きの部屋が13室、料金は一律13,150円、休前日と特別日は13,800円となっている(2009年営業期間中の料金)。

日帰り入浴の時間は9時30分から15時30分まで、料金は大人500円である。残念ながら館内には立ち入れず、従って内湯も入浴できない。

但し、別に予約必要な部屋休憩入浴があるので(食事も可能)、詳細はHPを参照ください。

玄関横の窓口で入浴料金を支払って、建物の前の通路から露天風呂(山姥の湯)に向かう。
眼前には岩肌が剥き出しになった崖が急角度で三方から谷に落ち込み、V字の峡谷を形成して迫ってくる。

露天風呂(山姥の湯)とその周辺の景観は言葉を多く要せず、写真を見ていただければご理解いただけると思う。
三方から急斜面の白っぽい断崖が迫って来て、奇岩・巨岩がごろごろ転がり、鳥肌が立つような荒々しい景観の中に15人位が一度に入れる露天風呂がある。
これまでの露天風呂の中で比較するものが無い、荒々しくワイルドな自然の中にある。


露天風呂の上部左側に源泉があるが、6ヶ所の内、1ヶ所(300リットル/分)しか利用しておらず残りは流しているそうだ。

泉質は単純酸性硫黄泉で経時変化により乳白色に変じ、泉温は51℃で加温・加水無しで内湯2ヶ所・露天風呂2ヶ所に注がれている。

露天風呂の温泉は適温、pH2.5の酸性だが、硫黄泉特有のやわらかな肌触りを感じた。

2009年9月に宿泊した「ろと」さんにお願いして情報を頂きましたー原文のまま。ろとさんの食事の評価は、こんな秘湯なのに思いがけず良かった、でした)

姥湯温泉桝形屋のお食事内容をザザーッと。
鯉の煮付け(ウマウマ)、山菜のおひたし、もずく酢、煮物、信田巻き(豆腐料理)、馬刺し(超極うす)、ずんだとあけびの和え物(苦かった)、和牛ステーキの陶板焼き(残念ながら米沢牛ではない)、手作り黒ゴマプリン。

配膳の方に「このステーキは?」と聞いたところ、「米沢牛はさすがに高いからねー」と言ってました。和牛だけど、山形牛かはわかりません。
別注メニューは、和牛ステーキ150g、3800円、季節もので、山菜天ぷら(1500円)、山菜鍋があるようです。
内湯は、男女ひとつずつ。シャワーはなくて、内湯はこゆ〜いお湯でした。
夜、静かすぎて浅い眠りで朝4時すぎには目が覚めて、ヒマだからこっそり内湯へ行きました。
そしたら、もうお宿の方がクイックルワイパーでお掃除。
コソコソ声で「おはようございます」と。なんだかこういうお宿の姿勢、感動しました。
朝はお布団をあげにくるのも早かったですが、頼めばしいたままにしておいてもらえるみたいです。
「でも、片付けたいよねー」というと、ペコリとしたので「じゃ、あげていいよ。(笑)」と言いました。
 (以下略)

ろとさん
情報

住 所 山形県米沢市大字大沢姥湯1
電 話 090−7797−5934(現地衛星電話)
0238−35−2633(案内所電話)
交通機関 東北自動車道福島飯坂ICから国道13号線・県道232号線・林道で約32km
JR山形新幹線米沢駅から奥羽本線で17分峠駅下車、車で30分(桝形屋送迎 要予約)

カーナビゲーションを利用の際、「名称」「施設名」にて登録すると、機種により正しく案内されない場合がある。
ナビ利用の際には、宿の住所を登録する。
また、桝形屋案内所の電話番号を入力した場合は、案内所へ誘導される。 (案内所は宿より30キロ離れた場所。)
施設(日帰り用) 玄関前のベンチ 玄関ホールのベンチで休憩
駐車場(40台)・・・ここから徒歩約10分で宿
宿 泊 13室(シャワートイレ付き)13,150円〜13、800円(2009年営業期間中の料金)
泉 質 単純硫黄泉(51℃ pH2.5)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 9時30分〜15時30分
定休日 不定休 毎年11月上旬から翌年4月下旬までは休業
入浴料金 大人500円 
入浴施設 内湯男女各1(日帰り入浴は、部屋休憩入浴を除き入浴できない) 露天風呂 混浴1(宿泊の場合女性タイム有り) 女性専用1
浴室備品 日帰り入浴の場合は露天風呂だけでシャンプーなど無し
観光スポット 米沢市内・・・上杉神社、上杉家廟所、上杉記念館、松が岬公園、稽照殿、春日山林泉寺、旧米沢高等工業学校本館(重文)など
お土産・食事 部屋休憩入浴(要予約)の場合のみ昼食可。
近くの温泉 滑川温泉・五色温泉・白布温泉、新高湯温泉・小野川温泉・大平温泉・湯の沢温泉・
米沢市HP
米沢観光協会HP
桝形屋HP
http://www.city.yonezawa.yamagata.jp/
http://yonezawa.info/
http://www.ubayuonsen.com/
雑記帳 米沢八湯、特に姥湯温泉は憧れの秘湯、いつの日か入浴したいと思っていた。
当然のことながら、宿泊も姥湯温泉桝形屋を考えたが、駐車場から宿まで徒歩で10分以上かかる。
愛犬アルの世話/散歩を考えるとこの距離は致命的、そこで観光する米沢市に近い白布温泉に宿泊、姥湯温泉は立ち寄ることで我慢した。
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

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