芦ノ牧温泉 大川荘 (福島県)

福島は温泉に恵まれた県で、大小数多くの温泉地が点在している。

これまで高湯温泉のほか秘湯系の温泉宿泊・入浴が多く、飯坂・土湯・磐梯熱海・東山・芦ノ牧温泉といった県内の大型温泉には宿泊は勿論、立ち寄り湯もしていなかった。

今回、その中で芦ノ牧温泉に立ち寄る動機になったのは、ガイドブックでここ大川荘の棚田風の露天風呂の写真を見かけたこと、それに掲示板に投稿下さるガンジイさんがここを推薦下さったことによる。


大川荘は客室数が100を超える大型旅館で、国道からもその雄姿を見ることが出来る。
これだけの客室数だと団体客が多いだろうが、宿泊料金は2人1室で12、000円程度から30,000円位までで、プランでは15,000円〜20,000円が最多価格帯である
(2009年9月現在 変更されるのでHPを参照のこと)

風呂は2ヶ所、「空中露天風呂」「四季舞台たな田」があるが、少し前のガイドブックでは後者の風呂の記述がなく、最近オープンしたのかもしれない。


江戸幕府開府前後そして幕末に激動の歴史の舞台となった会津若松。その南の玄関口、阿賀川の渓谷に湯宿が立ち並ぶ芦ノ牧温泉。大型旅館・大川荘の話題の棚田露天風呂で入浴した。

露天風呂を横から見るとこうなり、さまざまな石が使われているのが分かる。源泉はこの風呂のすぐ下にある。渓谷にせり出した一番前の風呂に浸かると空中に浮遊している気分になる。温泉は上から流れ落ちる設計にはなっておらず、温度は浴槽によって異なっている。

雁行する石造りの内湯は品格があり、、一度に30人は楽に入れる大きさだ。湯温は適温、泉質は無色透明のカルシウム・ナトリウム・硫酸塩・塩化物温泉(旧名称:含食塩 石膏泉、掲示用泉質名は硫酸塩泉)。湯量は200リットル/分と豊富、60度あるので加水して掛け流しにしている。


所在地 : 会津若松市

会津若松市は人口約19万人、福島県の西部に位置する会津地方の中心都市で、市街地の南に広がる広大な山地には東山温泉や芦ノ牧温泉が湯煙を上げている。
東側にある日本第4位の大きさの猪苗代湖は、磐梯山の噴火によって出来た湖で、湖面の約3割が市域に含まれている。


会津若松市は、江戸時代の始めと終りに歴史の舞台となった土地でもある。

即ち、江戸幕府開府前後にこの地を治めた大名だけでも、伊達正宗、蒲生氏郷、上杉景勝、加藤嘉明と激しく入れ替わり、ようやく1643年に徳川秀忠の子・保科正之が入府して会津松平家の祖となった。


それから200余年後の幕末、会津藩傭兵の「新撰組」の暗躍、15歳前後の少年予備軍・白虎隊の悲劇で知られる日本最後の内戦・戊辰戦争と、会津若松は再び歴史の舞台となった。

日頃、30室程度までの中小型旅館に親しんでいるので100室を超える大型旅館の館内に入ると、パブリックスペースの広さと豪華さに驚きおどおどしてしまう。大川荘でも同様だった。

宿泊ならともかく、立ち寄り湯では少々入りにくい堂々としたエントランスから館内に足を踏み入れると、眼前に巨大な吹き抜けの空間に、実用というよりは装飾的な和風の階段と舞台が設けられていた。
チェックイン時には、ここで琴の演奏が行われるらしい。

ホテル形式のフロントに行って、女性に立ち寄り湯の旨を告げると、愛想よく受け付けてくれた。幸い、立ち寄り湯は四季舞台たな田での入浴だった。

日帰り入浴は午前10時〜午後4時まで、タオル付きで1,500円(タオル付き)と高額である。
この料金は事前に承知していたので驚かなかったが、これまでの立ち寄り湯の中で最高料金だった。


堂々とした佇まいの大川荘。「四季舞台たな田」の看板が置かれている。

仕切りのある洗い場

豪華な化粧コーナー

すっきりした湯上がり処

広くてクリーンな脱衣場

立ち寄り湯は「たな田」での入浴となる。

巨大な吹き抜けに和風の階段と舞台が設けられていて目を奪われる。

会津若松のシンボル・若松城

三段の棚田状の露天風呂。目の前に渓谷が迫る。

住 所 福島県会津若松市大戸町大字芦ノ牧字下夕平984
電 話 0242−92−2111
交通機関 磐越自動車道会津若松ICから国道121・118号で23km
JR磐越西線会津若松駅から会津乗合自動車芦ノ牧温泉行きで45分、終点下車
または会津鉄道で21分、芦ノ牧温泉下車
 送迎車で約10分(要予約)
日帰り利用施設 湯上がり処、ロビー、売店、駐車場(150台)
宿 泊 和室116室(BT109 T7)
各種プラン 12,000円程度から30,000円位まで(2009年9月現在・・・年度・時期・宿泊人数・プランなどに変わるので予約の際は下記HP参照のこと)
泉 質 カルシウム・ナトリウム・硫酸塩・塩化物温泉(旧名称:含食塩 石膏泉)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
外来入浴時間 午前10時〜午後4時
定休日 無休(年末年始のみ外来入浴不可)
入浴料金 1,500円 (タオル付き)
入浴施設 内湯男女各1、露天風呂男女各1、貸し切り風呂1
浴室備品(外来) タオル・シャンプー・ボディソープ・ロッカー・ドライヤー
観光スポット 大内宿、会津若松市(鶴ヶ城・白虎隊記念館など))、塔のへつり、磐梯山、五色沼、猪苗代湖、野口英世記念会館、、喜多方(蔵&ラーメン)、桧原湖、五色沼、秋元湖、磐梯吾妻スカイライン(日本の道100選)、吾妻高原、浄土平
お土産・食事 昼食付き入浴あり(要予約・・詳しくは下記HP参照)
近くの温泉 東山温泉、岩瀬湯本温泉、湯野上温泉、二岐温泉、東山温泉、甲子温泉、新甲子温泉
会津若松市HP
観光物産協会HP
芦ノ牧温泉HP
大川荘HP
http://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/
http://www.aizukanko.com/
http://www.aizu-ashinomaki.jp/
http://www.ookawaso.co.jp/
雑記帳 最近、秘湯系の宿の人気が高まって、宿泊料金が最低3万円といった秘湯の宿も出現している。
逆に、安く泊まろうと思ったら、団体と同宿を覚悟するな、大川荘のようにら巨大旅館・ホテルの割安プランが狙い目だ。
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

会津若松市には東山温泉と芦ノ牧温泉という比較的大きな温泉地が2つある。
芦ノ牧温泉は1200年前に行基により発見されたという伝承があるが、確かなところでは、1809年(文化6年)に編纂された地誌に紹介されている。

現在の芦ノ牧温泉は、日光連山の北側に源を発し日本海に流れ込む大河・阿賀川(阿賀野川)がつくった渓谷の高台、国道118号線沿いに湯煙を上げている。

もともとは渓流近くにあり、度々洪水の被害を受けていたが、戦後間もなく現在の場所に移転したそうだ。
一時より旅館の数が減少し現在は12軒が営業しているが、多くの宿の客室・風呂が渓谷を見下ろすロケーションにある。

これまで3回、会津方面から国道118号線を南下、右手に芦ノ牧の温泉街を見ながら通過していたが今回ようやく立ち寄ることにした。

白虎隊2番隊の少年19名が自刃した飯盛山(白い建物は記念館)

温泉名 : 芦ノ牧温泉

渓谷を見下ろして立つ旅館群。 共同浴場は無いが日帰り入浴を受け付けている宿が多い。

施設名 : 大川荘 (入浴日:2009.5.13)