芦ノ牧温泉 仙峡閣 (福島県)

NHK大河ドラマ「八重の桜」で全国的な知名度が上がりつつある福島県会津若松市にあって、日本有数の水量を誇る阿賀野川の上流部、阿賀川(大川)渓谷沿いに湯煙を上げる芦ノ牧温泉。
12軒の旅館にあって、唯一、自家源泉を掛け流しにしている日本秘湯を守る会の宿・仙峡閣に宿泊した。

食 事

部屋からの眺望が素晴らしい。

玄関先にはお馴染みの提灯が下げられていた。久しぶりの日本秘湯を守る会の宿に宿泊でスタンプをゲット。

そこで宿に電話すると軽で迎えに来てくれ、誘導されて崖ぎりぎりで駐車。その軽に乗って宿へ向かった。

本来なら旧道からZ字の私道を通って宿に向かうが、これが先の豪雨で崩れて、辛うじて軽自動車だけが通れる幅しか残っていなかった。

眼下に渓谷が見下ろせる眺望が素晴らしいロビー。

旅館で販売している1000円の湯巡り手形を購入すると、3軒で入浴することが出来る。

2階22番で8畳+広縁+シャワートイレ、平日2人1室1人12,000円(夏季料金)。部屋はシンプルだが、畳も新しく気持ちよかった。

福島の板倉神社にあった武徳殿を移築し、改造した宿は武家屋敷風の堂々たる佇まいだ。

会津若松市には、東山温泉と芦ノ牧温泉の2つの中規模温泉地がある。

芦ノ牧温泉は、日光連山の北側に源を発し日本海に流れ込む大河・阿賀川(阿賀野川)がつくった渓谷の高台、国道118号沿いに湯煙を上げている。
もともとは渓流近くにあったが、度々洪水の被害を受けたため、戦後間もなくに現在の場所に移転したそうだ。
一時より旅館の数が減少し現在は12軒が営業しているが、多くの宿の客室・風呂が渓谷を見下ろすロケーションにある。

共同浴場は無く、日帰り入浴は、これを受け付けている旅館で入浴することになる。
1000円で湯巡り手形を購入すれば、3ヶ所の旅館で入浴することが出来る

周辺の観光スポットして、、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている旧宿場町の「大内宿」、天然記念物で奇岩が立ち並ぶ「塔のへつり」、車で北上し30分弱の距離に会津若松市がある。

阿賀川(大川)と国道118号(前方陸橋)が交差する辺りに12軒の旅館が営業している。

所在地 : 会津若松市芦ノ牧温泉

●夕食

住 所 福島県会津若松市大戸町芦ノ牧1122番地 
電 話 0242−92−2336
交通機関 磐越自動車道会津若松ICから国道121・118号で23km
JR磐越西線会津若松駅から会津乗合自動車芦ノ牧温泉行きで45分、終点下車
または会津鉄道で21分、芦ノ牧温泉下車
 
仙境閣の送迎は、芦ノ牧温泉駅又は芦ノ牧中央待合所(バス停)と宿の間
日帰り利用施設 ロビー、駐車場
宿 泊 13室 (全室洗面所・ウオッシュレット付き)
2人1室10、000円〜12,000円(2013年2月現在。最新・詳細情報は下記HP参照)
日本秘湯を守る会のプランでは12,750 円 〜 15,900 円
泉 質 カルシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物温泉=旧名称:含食塩 石膏泉
泉温48.3℃ 湧出量:66リットル/分 動力揚湯 pH7.7 無色澄明無味無臭
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
外来入浴時間 午前11時〜午後2時
定休日 無休(年末年始のみ外来入浴不可)
入浴料金 大人 800円
入浴施設 内湯男女各1、露天風呂男女各1
浴室備品(外来) シャンプー・ボディソープ・ロッカー・ドライヤー
観光スポット 大内宿、会津若松市(鶴ヶ城・白虎隊記念館など))、塔のへつり、磐梯山、五色沼、猪苗代湖、野口英世記念会館、、喜多方(蔵&ラーメン)、桧原湖、五色沼、秋元湖、磐梯吾妻スカイライン(日本の道100選)、吾妻高原、浄土平
近くの温泉 東山温泉、岩瀬湯本温泉、湯野上温泉二岐温泉甲子温泉、新甲子温泉西山温泉
会津若松市HP
観光物産協会HP
芦ノ牧温泉HP
仙峡閣HP
http://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/
http://www.aizukanko.com/
http://www.aizu-ashinomaki.jp/
http://www.senkyoukaku.jp/
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

風 呂

仙峡閣は日本秘湯を守る会の宿で、芦ノ牧温泉で唯一の自家源泉かけ流しの宿(当該旅館スタッフの弁)である。

多くの旅館が、会津若松の市街に向かって国道左側の渓谷沿いにあるのに対し、仙峡閣は右側の細い旧街道崖下に、一軒だけぽつんと離れて建っている。
芦ノ牧温泉は高層の旅館も点在し、国道を走る車も多くてとても秘湯の雰囲気は無いが、仙峡閣の一帯だけがその趣きが漂っている。

建物は木造3階建だが、思ってもいなかったエレベーターが設置され、足腰に支障ある我々にな何よりものサプライズだった。

館内はほぼ全館バリアフリー、部屋数は15室、すべての部屋にシャワー付きトイレが有る。

宿泊料金は、平日2人1室で1人10,000円、休前日で同11,000円(2013年2月現在の冬季料金)だが、年度・シーズン・曜日・宿泊人数などによって随時変更されるので、最新・詳細情報は宿のHPを参照ください。

施設名 : 仙峡閣 (宿泊日:2012.7.10)

●朝食

鮭・タマゴ・納豆・海苔など定番の朝食。

夕食・朝食とも我々には嬉しいテーブル席。
夕食は量的には十二分。質的には、いい意味でも悪い意味でも、宿のスタッフの応対と共に秘湯の宿らしく飾り気がなく家庭的だ。

ポーラのシャンプー類が置いてあったが、真ん中の固形石鹸がこの宿に似合う。

厚い木材で組んだ半円形の小さな露天風呂は、内湯から続くデッキにある。

撮ってもらったので定かではないが、女性用は少し小さい気がする。

外の阿賀川の渓谷の緑が眩しい。温泉が溢れて床一面を濡らしている。

手前が立湯部分。立っても胸辺りまで湯が来る。ここの底の2ヶ所から温泉が舞い上がっている。

満々と満たされた湯にはとろみと艶があって、いかにも新鮮な印象を受ける。日帰り入浴を受け付けており、午前10時〜午後2時迄、料金は大人800円だ。

宿の話によれば、芦ノ牧温泉の旅館の中で、唯一自家源泉を持ち、かつ掛け流しにしている旅館だ。
その源泉は川の中ほどをボーリングして湯脈に当たったと言う。

風呂は内湯:男女各1と露天風呂:男女各1がある。
男性用内湯は小判型でかなり広く、一度に10人は入れるだろう。
写真で見る限り、この男性用の方が女性用より大きく見える。

泉質はカルシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物温泉(含食塩 石膏泉)、風呂に満たされた湯は、無色透明だが、湯面にとろみと輝きがあって、いかにも温泉らしく、かつ新鮮なことが分かる。


内湯の浴槽は三分の一ほどが1m以上の深さになっており、立ちながらの入浴となる。
温泉はこの部分の底から注入しており、これにより温泉を空気に触れさせない工夫をしているのだろう。

大内宿。全長約450mの往還の両側に、道に妻を向けた寄棟造の茅葺民家が建ち並ぶ。

温泉名 : 芦ノ牧温泉

会津若松市は人口約19万人、福島県の西部に位置する会津地方の中心都市である。
東側にある日本第4位の大きさの猪苗代湖は、磐梯山の噴火によって出来た湖で、湖面の約3割が市域に含まれている。


会津若松市は、江戸時代の始めと終りに歴史の舞台となった土地でもある。江戸幕府開府前後にこの地を治めた大名だけでも、伊達正宗、蒲生氏郷、上杉景勝、加藤嘉明と激しく入れ替わり、ようやく1643年に徳川秀忠の子・保科正之が入府して会津松平家の祖となった。

それから200余年後の幕末、会津藩傭兵の「新撰組」の暗躍、15歳前後の少年予備軍・白虎隊の悲劇で知られる日本最後の内戦・戊辰戦争と、会津若松は再び歴史の舞台となった

2011年3月11日の東日本大震災が発生したことを受け、NHKは大河ドラマを東北復興を支援す
る内容に変更し、会津出身で、同志社を創設した新島襄の妻となった八重の生涯を描いた作品と決定、2013年1月から「八重の桜」がスタートしている。
向こう1年間、会津はこのドラマで賑わうことだろう。

若松城、地元では鶴ヶ城と呼ぶ。1965年再建。

阿賀川沿い、奇岩が塔のように林立する天然記念物の「塔のへつり」