仙石原温泉 はたご一の湯 (神奈川県
   

箱根温泉郷を代表する名門・塔ノ沢温泉一の湯が他資本を入れることなく自ら大変身して、箱根に8か所、いずれも1万円以下で泊まれる宿を展開し大成功した。
今回、その内の1か所に泊まり、2か所に無料で立ち寄り入浴した。

「塔之沢温泉一の湯」と言えば、安藤広重の浮世絵にも描かれた老舗で、湯本温泉萬翠楼福住や芦之湯温泉松坂屋本店などと並んで、箱根を貫く現在の国道1号線の開通に多大な貢献をした名門旅館だ。

その一の湯の社長が、従業員が泣いて、あるいは襖を蹴破っての反対を押し切って実行したのが、廉価路線への大転換だ。

これが「箱根で1万円で泊まれる宿」として人気を呼び、現在温泉郷の中で8か所の宿を持つまでに成長した。

この8か所の内3か所が仙石原にあり、この1か所で宿泊(大箱根一の湯)し、2か所(はたご一の湯・品の木一の湯)で立ち寄り入浴をした。
これは何れかの宿に泊まれば、他では無料で入浴できる特典を利用したものだ。

8か所は新築した旅館でなく、既存の宿または企業の保養所をリニューアルオープンしたもので、サービスを最低限に抑え(例として布団は自分で敷く)、夕食も高級食材を用いず、品数を少なくするなどの工夫をして低料金を実現した。
所在地 : 足柄下郡箱根町

「はたご一の湯」は宿泊したわけではないので、総合点は付けられない。
しかし、食事は泊った「大箱根一の湯」と同じ質量、部屋も少なくともトイレ(シャワートイレだった)がついており、広さ・清潔感も悪くないだろう。

温泉・風呂・食事にこだわらず、箱根・富士五湖をはじめとする富士山周辺を観光するのが主目的である方、あるいは子供づれの若い夫婦には、何よりも低予算で一泊できるという魅力があり、ご利用をお勧めしたい(はたご一の湯のみならず残りの7施設を含めて)。


各宿の電話番号は、ホームページにもパンフレットにも見当たらず、総合予約センターの番号だけが記されていた。これは、電話応対業務を各宿から解放し、業務の合理化を図っているものと思われる。

尚、ご参考までに、宿泊した大箱根一の湯の夕食・朝食の写真を添付しておきます。我々年配者には、量的に十分なものだった。

芦ノ湖から富士山を望む

データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

●参考・宿泊した大箱根一の湯の夕食

宿泊した「大箱根一の湯(追って掲載)」。元証券会社の保養所を利用したもので、堂々たるお屋敷風の構えだ。

はたご一の湯は、仙石原の湿性花園やススキ野の近くにあり、ちょっとした隠れ宿の雰囲気だ。
宿泊料金(2食付き)は2人1室(BT)で8,400円(4人で6,300円)〜12,600円だが、曜日・宿泊人数等により加減するので、詳細は下記HPを参照ください。

風呂は男女別の内湯と露天風呂があるが、内湯は沸かし湯で、露天風呂は大涌谷から引き湯したナトリウム・カルシウム・マグネシウムー硫酸塩泉、Ph2.6の酸性泉だ。

箱根町は富士箱根伊豆国立公園の中にあり、箱根山の周辺のいたる所で泉質・色の異なった温泉が湧き、多数の旅館・ホテル・ペンション・公共施設・日帰り温泉施設・土産物屋・美術館・博物館・テーマ館・レストラン・カフェ等が観光客・宿泊客・入浴客を迎え入れている。

国内外から箱根にやって来る観光客は年間2000万人、宿泊客だけでも500万人に上る。
京都と並んで我が国最大の観光地であり、「町」という単位で見れば、比較するところがないダントツの日本一である。


また、富士山を借景として、芦ノ湖・大湧谷・湿生花園・ススキ野・トレッキングコースなどの自然、それに数多くの美術館やテーマ館が箱根の魅力をさらに高めている。


また、箱根は圧倒的な経済力と人口を有する首都圏・東京から車でも電車でも1時間半程度で到着できるので、日帰り客も多く、このため気軽に立ち寄り湯ができる施設が非常に多いのも特徴の一つと言えるだろう。

内湯は沸かし湯で、露天風呂は白濁した大涌谷からの引き湯
入浴料金は通常1,050円(高く感じる)だが、一の湯グループの宿に泊まる場合は無料で入浴できる。今回はこのシステムを利用して入浴した

施設名 : はたご一の湯  (入浴日:2008.12.25)

江戸時代には湯本・塔之沢・宮ノ下・堂ケ島・底倉・木賀・芦之湯の温泉が、いわゆる「箱根七湯」と呼ばれていた。

その後、明治になって小涌谷・強羅・仙石原・姥子・湯ノ花沢を入れて12湯、さらに大平台・宮城野・芦ノ湖・大涌谷などが加わって、現在の箱根温泉郷は20湯になっている。

温泉地によって、周囲の自然・風景、温泉街の規模・雰囲気・宿泊料金・泉質などが異なり、バラエティに富んだ選択が出来るのが箱根の魅力だ。

仙石原は標高700m前後の高原で、湿原など自然が保存されている所も多く、箱根の秋の風景である台ガ岳のススキの群生もその一つだ。
一方、大正から昭和にかけて避暑地として開発された歴史があり、今も敷地が広い別荘が多く建ち並んでいる。
また、ポーラ美術館・リーカーヴ美術館や箱根ガラスの森・星の王子様ミュージアムなど、美術館やテーマ館が多いのも魅力だ。

温泉名 : 箱根温泉郷仙石原温泉 

長屋方式で1階客室は路地から直接部屋に入り、炬燵がある部屋もある。

住 所 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原817−211
電 話 (総合予約センター) 0460−85−5331
交通機関 小田原厚木道路箱根口IC又は東名高速道路御殿場ICから車で約30分
箱根湯本駅から箱根登山バス桃源台行35分、仙石高原下車徒歩約10分
施 設(日帰り) 売店、湯上り処、駐車場
宿 泊 平日1泊2食付き 2人1室1人8,400円(4人の場合6,300円) 〜12,600円(2009年1月現在)
曜日・宿泊人数・部屋・年度などによって変動するので下記HP参照のこと。

チェックイン午後3時〜チェックアウト翌日午前10時
泉 質 ナトリウム・カルシウム・マグネシウムー硫酸塩温泉 (pH2.6 泉温64.7℃)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 午後1時〜午後8時
定休日 年中無休(不定休)
入浴料金 大人 1,050円 
チェーン旅館の何れかに宿泊の場合は無料(立ち寄り湯を受け付けている宿のすべてで無料入浴が可能。詳細はHP参照)
立ち寄り入浴施設 内湯男女各1(沸かし湯) 露天風呂男女各1
浴室備品 ボディソープ、シャンプー、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 芦ノ湖、駒ケ岳、各所での富士山観望、大涌谷仙石原、箱根関所跡、多数の美術館・テーマ館富士五湖など多数
お土産・食事 食事・土産は周辺で。
近くの温泉 湯本、塔之沢、宮ノ下、強羅、小湧谷など箱根20湯七沢温泉、広沢寺温泉、飯山温泉、鶴巻温泉、中川温泉
箱根町HP
観光協会HP
一の湯HP
http://www.town.hakone.kanagawa.jp/
http://www.hakone.or.jp/
http://www.ichinoyu.co.jp/
雑記帳 塔ノ沢温泉一の湯本館のように露天風呂付客室を低料金で宿泊できるのも魅力だ。
チェーン8軒の中には大箱根一の湯など愛犬を連れて宿泊できるところもある。

仙石原のススキ群生地