お椀(帆立真蒸・畑しめじ他)

御菜(鰤照焼・牛蒡金平・茗荷)

強肴
大判湯葉秋味揚げ

向附(季節の物・あしらい一式)

元禄4年(1691年)、四万村の名主・関善兵衛が現在の場所に湯場を作ったことを以って創業年としている。

本館の玄関部分には創業時の建物が残され、黒光りする柱や梁が往時を偲ばせ、日本最古の湯屋建築として県の重要文化財に指定されている。

積善館は、時代を違えて山の斜面に建てられた3つの棟から構成される。

本館(26室)・・・1階〜3階
江戸時代の雰囲気を漂わす「本館」は、「千と千尋の神隠し」の舞台のモデルの一つとも言われ、今も湯治宿の風情を色濃く残す。

6,000円前後(2食付)で、セルフサービス、夕食は京風弁当(自分で運べば部屋でも食べられる)の湯治に近い形態で宿泊できる。
尚、ガイドブックで表示される部屋数は、この本館部分を含まないことが多い。

山荘(12室)・・・3階〜4階
昭和11年、当時の和風建築の粋と技巧を凝らした桃山様式の部屋で国の登録有形文化財。。
多くの文人・著名人がここに宿泊している。
前回の予約の際、ここに宿泊したかったが、満室で希望が叶わなかった。

佳松亭(16室)・・・5階〜8階
山荘のさらに奥の高台に建てられた佳松亭は4階建てだが、本館・山荘から通算すると5階〜8階に相当し、本館から入るとエレベーターを2回乗り換える。

豪華な部屋もあり、石舞台や茶室を持つ部屋からは、老松の見事な枝振りを通して四万温泉が見下ろせる。
本館玄関の裏の山側には、佳松亭の1階(通産5階部分)に総合フロントがあり、山荘・佳松亭宿泊者はこちら側でチェックインする方が便利だ。

●風呂
どの部屋に泊まろうが、館内の風呂はすべて利用できる。
本館の「元禄の湯」と「混浴・岩風呂」、山荘の「山荘の湯(貸切風呂2)、佳松亭の「杜の湯(内湯・露天風呂)」がそれだ。

特に本館の1階部分にある有名な「元禄の湯」は、大正ロマンの香り漂う見事な風呂である。
源泉は、昔と同じ新湯川の川底から今も湧き出ている。

煮物(蕪穴子・蟹・菊花餡)

甘味(焼栗アイス)

本館の玄関

四万温泉 積善館 山荘 (群馬県)

本館の資料展示室

1回目宿泊 佳松亭貴賓室はこちら

住  所 群馬県吾妻郡中之条町四万温泉
電  話 0279−64−2101
交通機関 関越自動車道渋川伊香保ICから国道353号線で約37km
JR吾妻線中之条駅から四万温泉行バスで40分
施  設 食事処、無料休憩所、駐車場(50台)
宿  泊 本館(26室):2人1室で6000円前後
山荘(12室) 佳松亭(16室)
 15,000円〜25,000円前後
(料金は2010年8月現在のホームページから)
料金は変更されるので、予約前に下記積善館HPで参照下さい。
入浴時間 立ち寄り湯:午前10時〜午後5時
宿泊者は24時間
定休日 年中無休
泉 質 ナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩温泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴料金 大人 1,000円(大広間・積善やでの休憩込み)
入浴施設 内風呂:男女各2 混浴1、露天風呂:男女各1、貸切風呂・2(無料)
日帰り入浴は元禄の湯と岩風呂のみ入浴可。
浴室備品 元禄の湯にはカラン、シャンプー、ボディーソープ等無し
観光スポット 四万温泉周辺:摩耶の滝・小泉の滝・奥四万ダム・日向見薬師堂(国指定重要文化財)・甌穴
お土産・食事 立ち寄り湯の昼食可(温泉釜揚げうどん1300円、山菜そば800円、月見うどん・そば800円)
近くの温泉 沢渡温泉、川中温泉、川原湯温泉湯の平温泉
中之条町HP
温泉協会HP
積善館HP
http://www.town.nakanojo.gunma.jp/
http://www.shimaonsen.com/
http://www.sekizenkan.co.jp/

昭和5年に完成した元禄の湯は、国の登録有形文化財で、温泉ガイドブックにも度々紹介される名物風呂だ。入口に近い浴槽だけが大きめで、残りの四つはほぼ正方形、2人、詰めて3人が入浴できる大きさだ。それぞれの湯温は若干違うように思える。満たされる温泉は、前を流れる新湯川の川底から湧出する透明な硫酸塩温泉、大深度から汲み上げる単純温泉では味わえない、なんともまろやかな肌触りである。

前回の宿泊から3年ぶりに、温泉仲間とともに四万温泉積善館に宿泊した。前回は贅沢して「佳松亭貴賓室」だったが、今回は国の有形登録文化財「山荘」の角部屋に宿泊した。前回同様、食事は美味極まり、「元禄の湯」に再入浴出来た喜びに浸った。

山荘の湯

岩風呂

本館のフロント

佳松亭側の玄関

温泉名 : 四万温泉

四万温泉は、群馬・新潟両県の境にある三国山脈に源を発する四万川の上流、三方を1000m級の山々に囲まれる標高600mの山間(やまあい)に位置する。
上信越国立公園内にあり、昭和29年、優れた環境と温泉の効能を条件とする「国民保養温泉地」の第一号(他に酸ヶ湯/青森県、日光湯元温泉/栃木県)に認定されている。

草津・伊香保とともに上州(上毛)三名湯に数えられるている。他の2つの温泉より知名度は低いが、歓楽的雰囲気が皆無でしっとりとした風情が漂う。
旅館・ホテルが大小40軒ほどあり、昔ながらの落ち着いた和風建築や近代的なホテルが混在している。

四万温泉には、全部で43ヶ所の源泉があるが、湧出形態は、3ヶ所が堀削源泉で、堀削深度は100m〜300mと浅い。その他の40ヶ所はすべて自然湧出となっており、温泉力の強さを証明している。
全体の湧出量は、毎分約3,500リットル、平均pHは7.7、泉質はカルシウム・ナトリウムー塩化物・硫酸塩泉が多い。

杜の湯は、佳松亭1階(本館から通算すると5階部分)にあり、最も新しい風呂で、内湯と露天風呂から成る。内湯の浴室は広々としていて、前方は大きなガラス窓がはめ込まれて開放的、露天風呂越しに森の木々が見通せる。

大小の岩石を配した露天風呂もかなり大きい。底も石が敷かれた2つの湯船から成る。小さい方は東屋で覆われ、湯温がやや低めに設定されている。周囲には目隠しの塀が立っていて、眺望が素晴らしいとは言えないが、敷地が広いだけに開放感はたっぷりある。

食事の温泉雑炊(すっぽん仕立て・ぶぶあられ・三つ葉)には思わず美味いと叫んでしまった。

我々男3人に割り当てられた山荘の部屋は「241号室・萌黄の一」。
部屋は角部屋で二方向に窓があり、11.5畳に4.5畳の次の間、それに独立したBT。


書院造の部屋は、昭和11年に建設された当時のままで、細かい細工の障子や欄間はまさに芸術品だ。
L字型の広縁を通して、松等の緑鮮やかな木々が間近に迫りなんとも爽快な気分に浸れる。

ここでは浴衣が2枚用意され、枕も蕎麦がらと羽根枕から選べる。
料金は3人1室・平日14,000円だったが、評判の繊細な料理や元禄の湯をはじめとする風呂群等を総合すると、なんともコストパーフォマンスの良い宿とj感じるのは私だけではないだろう。
リピーターが多い宿だそうだが、それが文句なく納得できる。

湯治場の雰囲気を残す本館。

美しいロマネスク風の浴室

夕食は部屋食で1〜2品づつ供される。前回宿泊の時と同じく、繊細な手間をかけた料理はとても美味だった。

施設名 : 積善館 (1回目2006.11.5 2回目2009.10.20)

元禄の湯

風呂は本館に積善館のシンボルである「元禄の湯」と混浴の「岩風呂」、山荘にある2ヶ所の貸切風呂「山荘の湯」、佳松亭にある内湯と露天風呂がセットになった「杜の湯」がある。

日帰り入浴の受付時間は午前10時〜午後5時 1,000円(無料休憩付き) 入浴出来るのは元禄の湯と岩風呂のみ。 

データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

杜の湯

和洋折衷、アンテイークな大正モダニズムの雰囲気が漂う浴室に石板敷きの浴槽が5つ並ぶ。

反対側から入口に向かって撮影。

風 呂

夕食のお品書きに「料理人/峰田善巳」の名がある。控え目に「料理人」とあるが、積善館のご主人と女将がその技術に惚れ込んで引き抜いた方で、ここで10年も腕を振るっている総料理長だ。京都で修行されたそうで、「全国日本調理技能士会連合会師範」「社団法人日本料理研究会理事」「関西調理師創庖知新会副理事長」等の肩書きを持つそうだ(現在も持っているかは不明)。また未確認だが積善館を去られたとの情報もあるが、私たちが滞在した時のお品書きには、間違いなく峰田総料理長の名前があった。

食 事

● 山荘

佳松亭のフロント

佳松亭の貴賓室(前回宿泊した望月二)

箸附(柿・車海老白和え)

先温物(鳥・大根湯葉蒸し)

寄せ盛(秋刀魚寿司・ふく皮煮氷・蟹巴巻他)

本館地下にあり積善館では唯一の混浴風呂である(脱衣室は男女別にある)。大きな利根川の青石が組まれた立派な風呂だ。20時30分から21時30分までは女性専用タイムになっている。

「山荘」の3階部分にあり、貸切風呂2つから成る。どこの旅館でも、貸切風呂は大いに売り物にするものだが、ここではパンフレットに掲載されていない。

2つの川が合流する萩橋から見る四万温泉。正面の低い建物は、4つある共同浴場の一つ・河原の湯
浴室の床も完成当時のものなのだろうか、外国産とも思える赤茶色のタイルが渋い
半円と長方形を組み合わせたアーチ型の窓の形は、シャワールーム、蒸し風呂の入口にも見られ、これらが独特の雰囲気を醸し出している。

温泉成分で盛り上がった蛇口。

掛け湯槽浴室にはシャワー等は無い。

正面左側に水槽。

朝食は佳松亭のラウンジで頂く。箱膳を開けると2段8皿に料理が盛られている。