四万温泉は、群馬・新潟両県の境にある三国山脈に源を発する四万川の上流、三方を1000m級の山々に囲まれた標高600mの山間(やまあい)に位置する。

ここは上信越国立公園内にあり、昭和29年、優れた環境と温泉の効能を条件とする「国民保養温泉地」の第一号(他に酸ヶ湯/青森県、日光湯元温泉/栃木県)に認定されている。

草津・伊香保とともに上州(上毛)三名湯に数えられる。
他の2つの温泉より知名度は低いが、その分、素朴でかっての湯治場の雰囲気を今に残しており、「渋滞・コンビニ・梅宮辰夫の土産物」はもちろん「信号機・一方通行・有料駐車場」もないのを売り物にしている

現在の四万温泉は宿泊施設が40軒、共同浴場などの日帰り施設が6軒ほどあり、昔ながらの落ち着いた和風建築や近代的なホテルが建ち並ぶ。
しかし歓楽街的なところは全く無く、保養温泉地として静かな佇まいを見せている。

中之条(なかのじょう)町は群馬県の北西部に位置し、北は新潟県に接する県境の町だ。
森林が面積の約8割を占めているが、盆地、河岸段丘、丘陵地などがみられ地勢は変化に富んでいる。

南部は比較的平坦で市街地が形成されているが、北部は三国山系の山々がそびえており、上信越高原国立公園に指定されている。

交通は、JR吾妻線や国道145号及び353号、主要地方道などが走っており、首都圏まで150kmの距離にある。
鉄道では特急で2時間強、道路では関越自動車道を利用して約3時間の位置にある。

産業は米・こんにゃく・野菜・果樹などの農業が中心だが、林業も行われている。
温泉地としては上州三名湯の四万温泉の他に、沢渡(さわたり)・たんげ温泉などが町域にある。
住  所 群馬県吾妻郡中之条町四万4180
電  話 0279−64−2111
交通機関 関越自動車道渋川伊香保ICから国道353号線で約37km
JR吾妻線中之条駅から四万温泉行バスで40分
(日帰り)施設 ラウンジで昼食可  売店 駐車場(120台)
宿  泊 47室 本館16,950円〜 新館(2棟)26,400円〜(2010年3月現在・・・変動するので必ず宿のHPで確認ください)
入浴時間 午前10時〜午後3時(3時には入浴を終えること)
定休日 不定休
泉 質 ナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩温泉 源泉温度76.1℃(加水) pH6.69
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴料金 大人:1,680円(当日はラウンジで釜飯かスパゲティを選べる昼食付きで2,200円を利用した。)
入浴施設 内風呂:男4女4 露天風呂:男2女2混浴1 貸切風呂1
浴室備品 シャンプー、ボディーソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 四万温泉周辺:摩耶の滝・小泉の滝・奥四万ダム・日向見薬師堂(国指定重要文化財)・甌穴
お土産・食事 館内で簡単な食事と売店があるが、温泉街に幅広い選択が出来る。
近くの温泉 沢渡温泉、川中温泉、川原湯温泉湯の平温泉
中之条町HP
温泉協会HP
四万たむらHP
http://www.town.nakanojo.gunma.jp/
http://www.shimaonsen.com/

http://www.shima-tamura.co.jp/
雑記帳 四万の病気に効くから四万温泉とは語呂合わせだろうが、泉質はしっとりとした効能がありそうな温泉だった。
所在地 : 吾妻郡中之条町
温泉名 : 四万温泉
施設名 :四万たむら (入浴日:2009.10.20)
四万温泉の御三家と言えば、四万やまぐち館・積善館そして四万たむらだろう。創業500年の老舗の宿、重厚な入母屋造りの玄関と数多い風呂で知られた四万たむらに立ち寄った。
四万川と新湯川が合流する四万グランドホテル前。中央は共同浴場の河原の湯
町域にある沢渡温泉の共同浴場。
たむらのシンボル、入母屋造りの玄関
「四万やまぐち館」「積善館」と並ぶ四万温泉の御三家、四万たむらの創業は正確には分からないが、江戸・安土桃山・戦国時代も通り越して、室町時代に遡る500年の歴史を持つという。

積善館の前の田村坂と呼ばれる急勾配の坂を上りきった所にあり、正面に立つ豪壮な茅葺入母屋造りの玄関が宿のシンボルだ。

近代的な玄関・フロントの先にある中の間や上段の間は、江戸時代中期の天保5年(1834年)に建造されたもので、奥には仏像が安置されているのが旅館としてはユニークだ。

広大な敷地に平成に入って建設された6階建てと4階建ての宿泊棟と本館があり、客室は全部で47室ある。
宿泊料金は、2人1室、本館で16,950円〜 、新館2棟は26,400円(15畳以上)〜となっていて、後者が標準料金とのことだから、先ずは高級旅館と言っていいだろう。
それゆえ、泊まった上で記事にしないと正しい宿の評価は出来ないので、ここでは風呂場の紹介(それも一部のみ)に留める。
ロビーに7ヶ所の風呂の立て札があり、現在、どこが入浴出来るかが一覧で分かる。
モダンなロビーの奥に中段の間と上段の間があり、仏像が安置されていた。
昼時だったので、このラウンジで釜飯を食べた。入浴料込みで2,200円(入浴だけだと1680円)
立ち寄り入浴時間は午前10時〜午後3時までと、高級旅館にしては時間帯を広く取っている。

料金は強気の1680円だが、釜飯かスパゲッティをラウンジで取る2,200円のコースがあったのでこれを選択した。

当日、7の風呂の内で入浴出来るのは4ヶ所、先ずは大浴場の「甍(いらか)の湯」に向った。
吹き抜けの高い天井、広い浴室の中央に長い掛け湯・上がり湯があって、左右に浴槽が2つある。

一方はかなり大きな浴槽で、丸太で3槽に仕切られている。
部屋数からすれば、この大浴場だけでもそんなに混雑を感じないだろう。
浴室全体は、石とコンクリートとガラス、無機質な感じでぬくもり感は薄い。
天井が吹き抜け、広々とした甍の湯。前方の浴槽は3分割され、すべて温度が異なっていた。
3つに仕切られた浴槽。
もう一方の浴槽
源泉は自家源泉か、何本あるのか不明だが、宿のHPでは1600リットル/分の湯量とあり膨大な量だ。

現在もこれに近い量が湧出しているから、8ヶ所(宿泊客用の貸切風呂を含めて)の風呂を掛け流しに出来るのだろう。


甍の湯の泉質は透明なナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩温泉で僅かに塩味がした。

露天風呂の「幻の湯・竜宮」。水量が増すと風呂が水面下に沈むのでこの名がついている。
屋根がほぼフルに覆う半露天の「森のこだま」。開放的で爽快感のある風呂だが、当日は湯に新鮮さが全く無く、早々に引き上げた。宿泊者が入浴する時間には温泉の注入があるのだろう。
最近のガイドブックでは、総檜造りの「御夢想の湯」の写真・記事が紹介されることが多いが、この日は清掃中で入浴できなかった。
インターネットの「口コミ」では、風呂の多さには満足しているコメントが多かった。

尚、ここは四万温泉で最も大きな四万グランドホテルも経営している。
データ (データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
四万温泉 四万たむら (群馬県)