福島県&北関東横断3泊4日の旅
走行距離:1028km
  (奈良→東京含まず)
しばらく東北に行ってないので、せめて福島県の温泉へ。そう思い立って好きな土湯温泉郷の一軒宿に電話を入れたら「雪が降ってます」。
雪中ドライブ経験が少なく、しかも今の車はノーマルタイヤ、この一言にビビッて山間部はあっさりと断念。
それならばと予約を入れたのが、太平洋側のいわき湯本温泉。ここを起点に、栃木・群馬・長野を横断して、奈良に帰ることにした。
1日目 : 2006年4月2日(日)
東京・目黒区の実家を午前9時に出発。練馬ICから東京外環自動車道・東北自動車道・北関東自動車道で宇都宮上三川ICへ。
私の先祖の墓がある芳賀町がすぐ近くだが、心で詫びて焼物のの里・益子町へ。
● 益子焼
益子は、、江戸時代末期に窯が開かれ、東京に近いことから、鉢・水瓶・土瓶など日常品の産地として発展した。1924年、濱田庄司(文化勲章受賞)がこの地に移住して「用の美」に着目し、芸術品にまで発展させた。
陶器の店が建ち並ぶ益子のメインストリート。両側5mほどの歩道を含めて道幅20m位。ゆったり、洗練された通りに驚いた。
益子焼といえば、土の匂い、素朴、分厚い、日常使う茶碗や湯呑みがイメージ。しかしそれが通じなくなっていた。
有田でも伊万里でも信楽でも、実際購入するのは、いつもこんな小物ばかり。
益子から常磐自動車道水戸ICへ。日本三名園の後楽園(岡山)・兼六園(金沢)は観光済み、最後の偕楽園(水戸)がすぐ近くなのに時間が気になってパスしたが、後で後悔した。
いわき市の手前、国道6号線から少しそれた五浦(茨城県)にある六角堂。この地で岡倉天心が横山大観・下村観山・菱田春草等と共に創作活動を行った。ここは、「日本の渚100選」「日本の残したい音100選」の地でもある。
●五浦・六角堂
北茨城ICで降り国道6号線に乗り換えて「六角堂」へ。
例によって、アル(ベール)が同行。
旅程に可能な限り海岸や高原を組み込んで、思いっきり走らせる(温泉入浴より優先)。
写真は五浦近くの砂浜で。
到着してさっそく駆けつけた公衆浴場の「さはこの湯」。
日曜日の夕方で大混雑だった。
珍しくも大型の温泉旅館「吹の湯」に宿泊。部屋・料理はなかなかだった。
右の露天風呂は掛け流し。

宿泊料15,750円
(日曜日2人1室BT付)
2日目 : 2006年4月3日(月) 
この日は塩原温泉(栃木県)まですべて一般道。
ナビに頼り切ったので、どのルートを通ったか定かでないが、12時前に那須高原に到着した。
那須高原間近の木立の県道。4月上旬、まだ寒々しく車の往来はほとんど無かった。
高原入り口のウッディなレストラン「ロッキーベア」で昼食。
旅館の和食に飽きると、こんな物が食べたくなる。とても美味だった。
● 那須高原
那須温泉郷は、以前に渓流そのものが露天風呂の大丸(おおまる)温泉に宿泊して以来の再訪。
前回は逃した超人気の共同浴場・鹿の湯に入浴した。温度が異なる6つの風呂には硫黄臭の白濁した湯。
評判に違わず、文句なしに素晴らしい風呂だった。
那須高原から40kmほど先の塩原温泉郷新湯温泉に向かう。
以前、鬼怒川方面から、濃霧の中、日塩もみじライン・国道400号線を利用して塩原温泉郷を通過、途中、大網温泉に立ち寄ったことがある。
今回は逆方向からのアプローチだ。
● もみじ谷大橋
「日本一の空中散歩」をキャッチフレーズとするこの橋は、栃木県那須塩原温泉を流れる箒(ほうき)川にかかる吊橋。
平成11年4月に完成し、全長320m、無補剛桁歩道吊橋としては日本一の長さを誇る。
あまりに頑丈な橋で渡るスリルが感じられないようだったので、袂から見るだけですませた。
塩原温泉への入り口、那須方面からの県道と国道400号線がクロスする所にある道の駅からののどかな山里風景。
ヘアピンカーブがしばらく続いて高度を上げていく。
これから塩原11湯の小さな温泉地が次から次へと現れてくる。
国道沿い、最初に通る温泉地は大網温泉だ。
温泉街の横を箒川に向かうと、整備されたプロムナードに出て、。そこから対岸に岩の湯が見える。
箒川を跨ぐ吊り橋をを渡りきった右手が岩の湯。
湯船は急峻な崖の真下にあり、目の前が箒川だ。

塩原温泉郷を代表する野天風呂・岩の湯。左手に湯船がもう一つある。
福渡温泉は、塩原11湯の中でも一番の渓谷美を誇る所で、天狗岩・七ツ岩・野立岩などの奇勝がある。
また、福渡温泉には塩原温泉郷のシンボルともなっている2つの共同露天風呂(岩の湯・不動の湯)があり、温泉好きにはたまらない野趣たっぷりの風呂で入浴が楽しめる。

塩原温泉郷11湯のどこで泊まろうか迷ったが、日本秘湯を守る会のスタンプ集め(10ヶ所宿泊で1泊無料招待)もあって、渓雲閣に決めた。
宿泊料は、平日2人1室(T付)利用@13,000円と割安感有り。
到着、愛犬の宿泊準備。夕食の前にもう1回散歩する。
「日本秘湯を守る会」の提灯が出迎える。
白濁の硫黄泉が掛け流し
旅館数軒の小さな温泉街の背後に噴煙が舞い上がる。ここが源泉だ。
ガイドブックに紹介される無料の貸切露天風呂
小さな旅館街に3つの共同浴場があり、3ヶ所とも徒歩5分圏内にある。 むじなの湯だけが男女別、残りは混浴の内湯のみ。
共同浴場が3つあることも新湯温泉に宿泊した理由の一つだった
3日目 : 2006年4月4日(火) 
日塩もみじラインで鬼怒川・日光方面へ。遠くに日光連山
日光宇都宮道路。日光から国道122号線・国道353号線で群馬県・渋川方面へ。
● 旧足尾銅山観光
足尾銅山(栃木県)は、1610年(慶長15年)に発見されて以来、昭和48年(1973年)まで続いた銅山。
坑道の総延長は1200km、東京から博多までの距離になる。
トロッコと徒歩で坑内を観光できる。
赤城の山も今宵限り・・・国道353号線は赤城山の南麓を走る。
赤城山には赤城温泉・忠治温泉などがある。これらの温泉は、名湯・秘湯の宝庫・群馬県ではマイナーな温泉である。
それでも人気の温泉をスキップして、赤城山の中腹にある温泉に立ち寄ることにした。
それは、昔読んだ講談本のヒーローで、江戸時代末期の任侠「国定の忠治親分」の名前を冠した温泉を、むざむざ通り過ぎることが出来なかったからだ。
実際に立ち寄った旅籠忠治館は、こんなところに!と驚く情緒たっぷりの湯宿だった。
赤城山を下り、渋川市から吾妻川に沿う国道145号線に乗って川原湯温泉に向かう。
吾妻渓谷の断崖の真上、坂道沿いに旅館10数軒、共同浴場(3軒)が寄り添い、昔の湯治場の雰囲気を残す川原湯温泉。
この風情ある温泉地は、2010年(予定)、長い間反対運動があった八ッ場ダムの完成とともにダム湖の下に沈むこととなる。
浴室内の階段を下って湯船に達する珍しい設計の王湯。透明で柔らかな湯が掛け流しになっていた。
川原湯から25kmほど、花敷温泉を過ぎると間もなく尻焼温泉に着く。この珍妙な名前と河原の天然露天風呂に惹かれて宿泊することにした。、
赤茶けた岩が転がる長笹沢川沿いに旅館3軒だけの秘湯・尻焼温泉がひっそりと佇んでいる。
長笹沢川の2つの堰の間(30mx25mほど)の河床から湯が湧き出る。
川底は石がゴロゴロしており転倒しないように注意。
「日本秘湯を守る会」の旅館。外観も館内も素朴だ。
宿泊料は平日2人1室(T付)@12,000円
風呂は文句なく素晴らしい。きれいな石を敷いた内湯、河原の豪快な露天風呂。もちろん、風呂は全て掛け流し。
4日目 : 2006年4月5日(水) 
いつもの通り、朝風呂・愛犬の散歩を済ませてから朝食
折からの豪雨、車で30分ほどの草津に向かう。、
草津はこれで4回目、宿泊・立ち寄り湯・観光の3種類、入浴した施設はたったの2ヶ所だけ。せめて1ヶ所増やそうと立ち寄った。入浴したのは湯畑前の白旗の湯。いつもは観光客でごったがえす風呂だが、平日、午前中、豪雨の3条件が揃って、独占入浴した。
湯畑前の温泉街
いつもは試食で配ってる温泉饅頭。雨で休み?
共同浴場で一番立派な白旗の湯
白旗の湯の風呂
以下、草津随一の名所・湯畑
ここが源泉湧出場所
湯の花採取の為の6本の樋。
湯 滝
この湯が近辺の旅館に配湯される。
●自噴温泉湧出量ダントツの日本一。
●旅館・ホテル170軒がすべて源泉掛け流し。
●日帰り温泉施設24ヶ所、内無料の共同浴場18軒。
●1円玉が1週間で消滅するPH2前後の強酸性泉
●湯もみ・時間湯等の温泉文化の継承


など、温泉力日本一の温泉地だ。
● 軽井沢
草津から国道292号線・国道146号線で軽井沢に向かった。ここで立ち寄り湯を予定していたが、目的の星野温泉ホテルが臨時休業。ホテル近くで昼食を取って、400km先、奈良への帰途についた。
The Cowboy House
パスタを注文
● いわき湯本温泉・さはこの湯(福島県)
● いわき湯本温泉・吹の湯(福島県)  
● 福渡温泉・岩の湯
● 忠治温泉・忠治館
● 川原湯温泉・王湯
● 尻焼温泉・川原湯
● 尻焼温泉・関晴舘別館
● 草津温泉・白旗の湯
 
● 那須湯本温泉・元湯鹿の湯  
● 新湯温泉・渓雲閣
● 新湯温泉・むじなの湯
この日の宿泊地は群馬県・尻焼温泉だ。