与一温泉ホテルは「源泉湯宿を守る会」の会員旅館である。

温泉には自信を持っているようで、パンフレットの中で
「与一温泉は五つ星の温泉です」と謳っている。

その五つ星とは、

@天然温泉
Aうめない 加水しない
Bもやさない、加湯しない
C循環しない
D飲用できる

手元のガイドブックでは加水・加温無しのかけ流しになっているが、源泉温度が45.5℃なので、通常は加温する必要が出てくるように思える。

加湯しない」という分かりにくい言葉が「加温しない」と同義語なのであれば、間違いなく加水加温無しのかけ流しと判断していいのだろが・・・。
黄色は石の所在を知らせるためのマーカー。
屋根がかけられた露天風呂。眺望はきかない。
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
与一温泉 与一温泉ホテル (栃木県)
所在地 : 大田原市(おおたわらし)佐久山
住 所 栃木県大田原市佐久山3123−2
電 話 0287−28−2621
交通機関 東北道矢板ICから国道4号線・県道52号線経由で約15km
東北新幹線那須塩原駅で宇都宮線に乗り換えて野崎駅下車、タクシーで10分。
施 設(日帰り) 食事処・休憩所・温泉販売スタンド・駐車場(40台)
宿 泊 15室(和室13 洋室2)
1泊2食 10,000円〜15,000円程度、他に素泊まり、夕食のみ・朝食のみ有り。詳細・最新情報は下記のHP参照。
泉 質 アルカリ性単純温泉(pH9.6 湯量324リットル/分))
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
日帰入浴時間 10時〜21時
定休日 第3火曜日
入浴料金 10時〜16時 大人700円 16時〜21時 同500円
入浴施設 内湯:男女別各1 露天風呂:男女別各1
浴室備品 シャンプー、ボディソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 那須高原、道の駅那須与一の郷(与一伝承館)、那須神社、龍城公園、芭蕉の館、雲厳寺、那珂川鮎釣り・やな
お土産・食事 与一温泉ホテルで昼食・土産可、道の駅には農産物直販所有り
近くの温泉 地元:黒羽温泉(五峰の湯)、大田原温泉、バインズ温泉、佐久山温泉(きみの湯)
喜連川温泉、喜連川早乙女温泉、馬頭温泉、塩原温泉郷那須温泉郷板室温泉、那須黒磯温泉、他日帰り温泉施設多数
大田原市HP
観光協会HP
那須与一伝承館HP

与一温泉ホテルHP
http://www.city.ohtawara.tochigi.jp/
http://www.ohtawara.info/
http://www.nasuno-yoichi.jp/yoichi.html
http://www.yoichionsen.net/index.html
雑記帳 ●大田原市は松尾芭蕉ゆかりの地である。「奥の細道」の紀行で、同一場所最高滞在の13泊を大田原でし、数多くの句をこの地に残した。
以下は大田原市ホームページから引用。

松尾芭蕉は、その弟子曽良を伴い元禄二年(1689年)「奧の細道」へと旅立ちました。旧暦4月3日黒羽(くろばね)に到着した芭蕉は、16日までの13泊14日という最長期間黒羽(くろばね)に逗留し、多くの足跡を残しました。

黒羽(くろばね)の豊かな文化と情緒溢れる景観に強くうたれた芭蕉は、ここで同行の曽良とともに数多くの句を詠みました。これらの句は、まちの東西に広がる寺社などに句碑として残され、黒羽(くろばね)の四季の移ろいを静かに眺め続けています

●雲厳寺(同じく大田原市HPから引用)

八溝山地のふところ深く、清らかな渓流に沿う境地に、臨済宗妙心寺派の名刹、雲巌寺があります。
筑前の聖福寺、越前の永平寺、紀州の興国寺と並んで、禅宗の日本四大道場と呼ばれ、山門の正面にある朱塗りの反り橋を渡って石段を登ると、正面に釈迦堂、獅子王殿が一直線に並ぶ代表的な伽藍配置となっています。
俳聖松尾芭蕉は、この地で「木啄も 庵は破らず 夏木立」の句を残しています。春の新緑・秋の紅葉・冬の雪景色は見事です。

温泉名 : 与一温泉
松尾芭蕉と縁が深い(雑記帳参照)大田原市は人口およそ8万人、栃木県の北東部に位置している。
東京からは約150km、宇都宮からは車で1時間ほどの距離にあり、東は茨城県と福島県に接し、中央から西部にかけては那須高原に続いている。

南北に縦断する那珂(なか)川は鮎漁獲量日本一の清流で、東西に流れる箒(ほうき)川は栃木県を代表する温泉地・塩原温泉郷を貫通して大田原市に入ってゆるやかな流れとなる。

那珂川を挟んで東部地区は、八溝山系の山並みが連なる日本の原風景が残る地域で、湯津上地区には日本三古碑で国宝の那須国造碑がある。

黒羽地区は平家物語や源平盛衰記に登場し、平家方の小船の上で女官が竿の先に掲げた扇を打ち抜いた那須与一ゆかりの地である。

市域の農産物や特産物を販売する「道の駅那須与一の郷」には、那須与一伝承館が併設され、故郷の英雄を紹介している。
道の駅那須与一の郷に併設された那須与一伝承館ではからくり人形の琵琶法師の語りで平家物に登場する那須与一の弓によって扇を射る一節が3面スクリーンで演じられる(写真は合成)。

施設名 : 与一温泉ホテル (入浴日;2011.7.13)

大田原市内には8ヶ所の温泉(旅館・日帰り施設)があるが、昔から続く有名な温泉地や温泉街を形成するような所は無い。

そんな中、、関東圏の日帰り温泉ガイドブックの栃木のページを見ていたら、馴染みのない大田原市に加水も加温もしないかけ流しの印が与一温泉ホテルという旅館に付いていたので目を疑った。

宿泊する馬頭温泉(追って掲載)をチェックアウト後、近所の「いわむらかずお絵本の丘美術館」を訪れてから、東北自動車道の矢板ICに向かう途中にあり遠回りする必要が無い。

それに、平家物語に登場する源氏方の弓矢の名手、那須与一ゆかりの地にあり、温泉・旅館名もずばり「与一温泉与一温泉ホテル」、名前も気に入ったので旅程に組み込んだ。


後で貰ったパンフを見ると、平成2年の秋、地元温泉神社の大祭の日にボーリングが湯脈に当たり噴出した縁起の良い温泉だそうだ。

一軒宿、三角形・ピンクの屋根の与一温泉ホテル周囲ののどかな田園風景の中ではとっても目立つ。
広大な関東平野の北限、ゆるやかな丘陵地帯に開けたのどかな田園地帯の一角、小高い丘の林の中に、周囲の風景にそぐわない一見してペンション風の可愛らしい与一温泉ホテルが建っている。

しかし一歩館内に入ると、外観とは異なり気軽な日帰り温泉施設の雰囲気で、戸惑ったりほっとしたりする。
軽食が取れる食事処や休憩所もあり、日帰り入浴に力を入れていることが窺える。

営業時間は10時〜21時で、定休日は第三火曜日、入浴料金は10時〜16時が大人700円、16時〜21時が同500円になっている。

部屋は15室あり、2食付で10,000円からで、素泊まりや、朝食のみなどの宿泊も可能になっている(詳細は下記HP参照)。

温泉は飲泉の許可を得ており、有料温泉スタンドで持ち帰ったり、電話・メールで買うことも出来る。
内湯は広めで一度に10人位は入れるが、風呂の縁取りの材木は細くて節が多く重厚感に欠ける。
透明だが、気のせいかほんの少し黄色味がかっているように見えるが目の錯覚か。僅かに硫黄臭がするようだ。白い湯の華が舞っていた。
かなり贅沢な注入で、泉質はpH9.1のアルカリ性単純温泉。ヌルヌル度はかなりのもの。
いつでもどこでも、湯が溢れる様を見るのはいいものだ。他のサイトの方によれば、じっとしていると気泡が付くとのこと。
平家物語の屋島の戦いに登場する有名な挿話、源義経の命を受け愛馬と共に海に乗り入れて、40間(約70m)先の軍船に乗った平家の女官が持つ竿の先の扇を見事に弓で射当てた那須与一(なすのよいち)。
その与一ゆかりの地にある与一温泉与一温泉ホテルの風呂は加温加水無しのかけ流し、しっとりしたアルカリ性温泉の感触も素晴らしかった。
道の駅那須与一の郷内にあるレストラン扇亭の田舎天もりそば(750円)。かき揚げが美味かった。

大きな地図で見る