風 呂

舘山寺温泉 山水館欣龍 (静岡県)

じゃらんクチコミ評価で総合4.6点、夕食が4.8点の高得点、創業が大正8年で舘山寺温泉が開湯する前から割烹料亭を経営していた山水館欣龍。
舘山寺温泉で最も古い老舗旅館だが、料理への拘りは綿々と現代へ引き継がれ、100種類もの地元食材を使った夕食は圧巻だった。

笹鰈の一夜干し

鮪に山芋

じゃらんクチコミ評価 総合4.6
 (15件平均 2014.5.22現在)

この10年、奈良の自宅と東京を車で往復する際に、冬季は降雪・凍結を避けるためにいつも使う中央道ではなくて名神・東名を利用している。
この場合の一泊は、行程の丁度半分に当たる舘山寺温泉が便利で、これまでにも何回か宿泊している。

残念ながら湯量豊富とは言えず、掛け流しの旅館ホテルは無いと思われるが、温泉を掘削するまえは料理旅館だったところが多く、その成り立ちから料理を売り物とする宿が多い。

その一つが山水館欣龍で、最低料金が20,000円代は高級旅館の部類に入る。
少々予算をオーバーするが、今回、自分の手術が無事に終えたのを祝って、クチコミ評価が高く、特に料理が評判の当館に予約を入れた。


山水館欣龍は舘山寺の麓、浜名湖の小さな入江の一つ、内浦湾の入口に建つ、鉄筋8階建と6階建の和風旅館。
舘山寺に温泉が湧くずっと以前の大正8年の創業で、舘山寺温泉で最も古い旅館だ。

浜松市は、2005年7月に天竜川流域・浜名湖周辺の11市町村と合併して、面積では岐阜県高山市に次いで全国で2番目の市域を有し、人口が80万人を超えて、県庁所在地でないにも関わらず政令指令都市となった。

大きくは南部の平野と北部の山間で構成され、豊かな自然に恵まれている。北部は赤石山系、東部は広い流域を持つ天竜川、南部は広大な砂丘からなる遠州灘、そして西部は浜名湖と、四方を異なる自然に囲まれている。

浜松と言えば、オートバイ製造から始ったホンダ・スズキやヤマハ等の発祥の地であり、これに加えて養殖ウナギと楽器を思い浮かべる。

因みに、静岡県は東西に長く、いつまで走っても県内から出られない気がする。浜松市中心街と浜名湖は15kmほど離れているが、いずれにしても奈良・東京を往復するとき、この2つのポイントを通り過ぎると「やっと半分走った」と思うのが常だ。

●朝食

野点三段(食材30品ー左が一段と二段、右が三段)

朝食も部屋食はいまどき珍しい。

揚物:白魚蓮奉書焼、海老団子アーモンド揚、六方慈姑、浜防風、梨割レモン、竹炭塩アツアツカラッとした天麩羅。

野点三段の「河豚煮凝り」ー手間のかかった一品。

野点三段の「鮟肝塩蒸し」ー珍味

夕食・朝食とも部屋で取る。

割烹料亭の伝統を引き継ぎ、日本料理一筋30年の田中幹夫調理長が、浜名湖及びその周辺と遠州灘の旬の食材を使って作り上げた日本料理の珠玉の品々が食卓に並ぶ。

料理はどれも手が込んでいて繊細、薄味、視覚的にも思わず声を上げてしまう程美しく、家内の賛辞が続いた。

夕食のお品書きに列記されている食材を数えたら100品に及び、いままで宿泊した旅館の中で最も多いだろう。
先付け・前菜にあたる「野点三段」だけでも、30種の食材が使われている。

上記のじゃらんクチコミの夕食4.8点が、なるほどと頷ける見事な料理だ。

料 理

風呂は豪華な総檜造りの大浴場とそれに繋がる露天風呂がある。
デッキに設けられた石造りと檜の露天風呂からは浜名湖を見渡せて爽快だ。
特に男性用は開放的で、目の前を遊覧船が入出港している。

貸切風呂は2ヶ所あり、プランによっては無料で入浴出来、今回はこれによって檜造りの貸切風呂「月の湯」に入浴した。
ここも総檜で、何よりも眺望が素晴らしく一級品の貸切風呂だ。

温泉は平成19年に新たに掘削された共同源泉のナトリウム・カルシウムー塩化物強塩温泉で、循環ろ過で使用している。

ここはバスタオル・フェースタオルとも浴室に置いてあり使い放題、部屋から手ぶらで入浴出来るのが嬉しい。


日帰り入浴は11時〜14時まで、料金は1000円だったが、消費税アップと共に値上げされているかもしれない

遊覧船発着所がすぐ隣にある。

ロビー・ラウンジからの見晴らし。館内は間もなく創業100年の歴史を感じさせる重厚な雰囲気だ。

かっての割烹料亭の伝統を引き継ぐ当館だけに料理に力を入れており、宿泊客の評価も高い。実際に宿泊してこの評価は納得、夕食に使用された食材はなんと100点ほど、これまで宿泊した旅館の中で最も多いだろう。

宿泊料金は2万円を超え、風呂は循環ろ過だが、料理の素晴らしさに2人とも感動、全く高いとは思わなかった。

止肴:当館特製鰻茶漬け 香の物ー2人して美味しい連発。

温泉旅館・ホテル、遊園地、動物園、観光船、ロープウエイ、食事処などが混然一体となって舘山寺温泉を形成している。

温泉名 : 舘山寺(かんざんじ)温泉
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前に当該旅館HPなどでご確認ください。)
住 所 静岡県浜松市西区舘山寺町2227
電 話 053−487−2227
交通機関 ・東名自動車道、浜松西ICより車で15分。
・JR浜松駅より浜松駅から遠鉄バス「舘山寺温泉行き」で乗車で44分、舘山寺温泉下車で徒歩5分
施 設(日帰り) 売店、ロビー、無料駐車場(70台)
宿 泊 34室(和室30、和洋室2、特別室2)
宿泊料金 20,000円〜32,000円前後(特別室は別料金)
季節・曜日・宿泊人数・プラン等により変動するので、最新・詳細情報は宿のHPを参照ください。
泉 質 ナトリウム・カルシウムー塩化物強塩温泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
日帰り入浴時間 11時〜14時(予約不要)
定休日 不定休
入浴料金 大人 1,000円(バスタオル・フェースタオル付き) 
入浴施設 内湯男女各1 露天風呂男女各1 貸切風呂2(宿泊者専用?)
浴室備品(日帰り) シャンプー、リンス、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 下記浜松観光HP参照
お土産・食事 館内に売店有り、食事は温泉街で
近くの温泉 舘山寺温泉、三ケ日温泉、雄踏(ゆうとう)温泉、弁天島温泉、奥浜名湖温泉湯谷温泉
浜松市HP
浜松観光HP
舘山寺温泉HP
山水館欣龍HP

http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/
http://hamamatsu-daisuki.net/
http://www.kanzanji.gr.jp/
http://www.sansuikankinryu.com/

氷室鉢:鮪、焼霜鰆、平目鮃、さざえ、軸山葵、妻錦糸巻、紅芯大根、紅蓼、寄せ蜜柑素麺ー豪華で綺麗な盛り付け。

水菓子:金柑プリン(酸味が美味)、紅ほっぺ、メロン、チャービル

舘山寺温泉の日没


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焼物:甘鯛一汐、鰻小串、丁呂木蜜焚、風呂吹大根、ずわい蟹、酒煎銀杏、巣立、色出し明姜、敷そぼろ味噌

お凌ぎ:早取り菜花握り寿司、帆立焼霜握り寿司、水雲、氷頭、丁字茄子、厚焼玉子、エシャレット、もろみそ、ガリー季節感、ガリが大きい。


椀盛:生海苔雪見豆腐、蟹身蕎麦米真薯 小蕪 芽葱 薄氷大根 文字柚子(大根をめくったものを下記別掲)

一度に10人が入れる総檜造りの内湯。湯船の底も檜だ。

泉質は、ナトリウム・カルシウムー塩化物強塩温泉で、循環ろ過使用。

所在地 : 浜松市西区舘山寺町

施設名 : 山水館欣龍 (宿泊日:2013.12.27) 

602号室、10畳和室にかなり広い洋間の広縁。窓から見下ろす内浦湾の眺望は抜群だ。貸切風呂が無料で利用できるプランで平日2人1室、1人当たり22,200円(税込)とかなり張り込んだ。

部 屋 4.5 風 呂  4.5 
朝 食  4.6  夕 食  4.8 
接客・サービス 4.8 清潔感 4.4 

シャンプー類はポーラ製。

総檜の貸切風呂「月の湯」は、眺望も素晴らしい(もう一ヶ所「日の湯」がある)

舘山寺温泉は、浜名湖の北東岸に突き出した庄内半島の付根に位置し、静岡県内では熱海・伊東温泉は別格として、これに次ぐ規模を誇る温泉地だ。

温泉名は、温泉街背後の小高い丘に建つ曹洞宗・舘山寺(約1200年前、弘法大師により創建)に由来する。

開湯は昭和33年と歴史は浅いが、現在では旅館・ホテルが20軒ほど、浜名湖に面して建ち並び、客室が50室を超える大型のものが多い。
気候が温暖なこともあって、敷地・外観・館内が南国の雰囲気を漂わせているホテルが多い。

舘山寺温泉の周辺は、「舘山寺 松山穏し 湖を来て ここは小春の入江さざなみ」と北原白秋が詠んだように、浜名湖随一の観光地でもある。

浜名湖畔を湖上から楽しめる遊覧船発着地で、他にも舘山寺ロープウエィ・遊園地・動物園・フラワーパークなどのレジャー施設が揃い、家族連れを中心に活気ある温泉地となっている。

椀盛:生海苔雪見豆腐、蟹身蕎麦米真薯 小蕪 芽葱 薄氷大根 文字柚子(原形は上記掲載)ー繊細な一品。

蓋物:鱈雲子柚子釜蒸し 大黒湿地、百合根、隠元、あぶり湯葉、いくら、香菜、生姜亀甲あんーこれも美味!

台の物:河豚ちり鍋 豆腐、湿地、水菜、葱、葛切、結び昆布、ポン酢、薬味ー遠州灘はトラフグの水揚げが日本一で下関のトラフグの多くがここのものだ。

内湯から続く露天風呂はデッキに石造りと木造の風呂が設えてある。いずれも2〜3人用。

浜名湖内浦湾に面し、全34室がオーシャンビュー。料金は20,000円〜32,000円(特別室を除く)。
すぐ脇から浜名湖遊覧船が発着し、観光にも便利だ。