上ホロカメットク山や荒々しい安政火口を眺める露天風呂は、これまで入浴した露天風呂の中で3指に入る抜群の眺望だった。3人交互で十勝連峰を背景に記念撮影。




十勝岳温泉 湯元凌雲閣 (北海道)
   

鉄筋3階建て、山小屋を大きくしたようなシンプルな建物には、BT付きの2室を含めて16室あり、10,000円~15,000円程度で泊まれる。立ち寄り湯は800円。

施設名 : 湯元凌雲閣 (入浴日:2008.6.25)

十勝岳温泉は活火山の十勝岳(連峰)の山腹、北海道で最も高い標高1300mに位置する温泉。
山小屋からスタートした湯元凌雲閣の露天風呂は、これまで入浴した露天風呂の中でも3指に入る見事な眺望だった。

巨大な岩をそのまま取り込んだ内湯。

入浴前は鶯色だったが、中を歩いた途端に底から堆積物が舞い上がった。

棚田型の露天風呂。2種類の源泉が使用されているようで、色が異なった。前方がかなり温い。

十勝岳温泉には温泉街は無く、それぞれ独自の源泉を持つ3軒の宿が点在している。中でも一番古い宿である湯元凌雲閣は、一番奥、標高1280mにあり、道内で最も高い地に建つ温泉宿である。

ここは1963年(昭和38年)、山小屋として開業、その当時は登山道しかなかったが、自衛隊の協力等もあって1966年(昭和41年)に道路が開通してアクセスが格段に向上した。
湯元凌雲閣の少し先で道が途切れるが、そこに駐車場があり、十勝連峰への登山口となっている。

この日は宿泊した旭岳温泉を発って、数キロ手前の吹上温泉・露天風呂で入浴、それからここにやって来た。
冬はともかくこの季節、道路は手に汗かくような難所は全くなかった。

凌雲閣からは眼下に富良野を見下ろし、目を転ずれば富良野岳をはじめとする火山群の荒々しい山容が目に飛び込んでくる。

所在地 : 空知郡上富良野町十勝岳温泉

上富良野町は北海道のほぼ中央部に位置し、東に大雪山国立公園・大雪山系の十勝岳(2077m)、西に夕張山地の先端、北に両山系の山麓と三方を山岳地帯に囲まれている。

南には市街地を囲むように牧歌的な丘陵地帯とカラマツ林が続き、富良野盆地の平坦部につながっている。
町の基幹産業は農業だが、後継者の不在や農産物の価格低迷によって離農が続いている。

町の東に十勝岳連峰が美しい山並みを見せているが、ここは活火山で、1925年には上富良野を中心に140人の死亡・不明者を出した大噴火も起きた。
一方で火山の恵みとして温泉が湧き出し、十勝岳温泉・吹上温泉などが湯煙を上げている。

また北海道を代表する初夏の風物詩であるラベンダーの丘とパッチワークの農産物の畑は、町最大の観光資源である。

風呂は男女別に内湯と露天風呂がある(女性用の方が小さく眺望も悪いようだ)。
源泉を2本持ち、いずれも男女別にある内湯と露天風呂に使われている。

内湯には巨大な自然の岩石をそのまま取り入れた風呂があり、鮮やかな黄土色の湯が静かに流れ出していた。
ここにはもう一つの源泉を使用している風呂があったが、真水の沸かし湯かと思い入浴を逃した。


露天風呂が素晴らしい。
2つの浴槽が棚田状態で設けられ、上段から下段へ湯が流れ落ちている。下段はかなり温めで、私には心地よい。


この風呂からの眺望が抜群で、上ホロカメットク山(1929m)や荒々しい火口を中心に十勝連峰の山々が眼前に迫る。

十勝岳は北海道の中央部にある標高2077mの活火山で、北東のオプタテシケ山、美瑛岳、富良野岳などに続く十勝岳連峰(十勝火山群)の主峰であり、日本百名山にも数えられている。

温泉の発見は新しく、昭和33年(1958年)のことだ。十勝岳温泉はその名の通り十勝岳の中腹に位置し、北海道で最も高所にある温泉地で、旅館は3軒、登山基地として利用する人も多い。
1967年、当時の厚生省から「国民保養温泉地」に指定されている。

アクセスは主に2つの方法がある。
札幌から道央自動車道を利用し旭川鷹栖ICで下り、旭川新道・旭川環状線経由を走り、国道237号線に出る。
そこから、上富良野市街に入り道道吹上・上富良野線で十勝岳を目指す。
または道央自動車を滝川ICで下り、国道38号・237号で上富良野町へ進み、道道吹上・上富良野線に入る。札幌から185km、約3時間程度で到着する。

温泉名 : 十勝岳温泉 

十勝岳温泉から富良野方面を見下ろす。

住 所 北海道空知郡上富良野町十勝岳温泉
電 話 0167-39-4111
交通機関 道央自動車道旭川鷹栖ICから約65km
(他に道央自動車道滝川ICで降りて上富良野経由のルートもあり)
JR富良野線上富良野駅から町営バス十勝岳温泉行きで55分 終点下車
施設(日帰り用) 売店、ロビー、駐車場(15台)
宿 泊 16室(BT付き2室有 T付き無し)、10,000円程度から
泉 質 含鉄(II)ーアルミニウム・カルシウムー硫酸塩泉
カルシウム・ナトリウムー硫酸塩泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時(立ち寄り) 10時~20時(予約不要 ガイドブックでは8時~となっていたが、現地表示では10時からになっていた)
定休日 不定休
入浴料金 800円
入浴施設 男女別内湯及び露天風呂
浴室備品 シャンプー・ボデイソープ、ロッカー
観光スポット 十勝岳登山・ウオーキング・ハイキング、富良野、美瑛、旭川(旭山動物園)
お土産・食事 周辺には店無し
近くの温泉 十勝岳温泉、白金温泉、旭岳温泉天人峡温泉
上富良野町HP
観光協会HP
http://hp.town.kamifurano.hokkaido.jp/
http://www.kamifurano.jp/
雑記帳 広大な大雪山山系の温泉めぐり。最も大きく有名な層雲峡温泉を外し、旭岳温泉宿泊、天人峡温泉吹上温泉そしてここ十勝岳温泉が立ち寄りとなったが、すべて満足できる風呂・温泉であり100点満点の湯めぐりとなった。
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

露天風呂から見る十勝岳連峰の風景は圧巻だ。