草津温泉 草津湯菜の宿 杓凪華 (群馬県)

風呂は4mx3m程度の内湯のみで露天風呂は無い。4人ほどが一度に入れる小型のものだが、僅か9室なので、風呂場が混雑することは滅多にないだろう。
もちろん掛け流しだが、風呂・温泉で勝負するタイプの宿ではない。

温泉は、1970年に硫黄鉱山から湧出した万代鉱源泉で、温泉街から離れた西の高台にある。
冬の時期、旅館(草津ホテル等)によっては湯煙が舞い上がるのが見える。

草津温泉の源泉では最も新しいものだが、湯量は6ヶ所の源泉では最も多い。
日本有数の巨大露天風呂、西の河原露天風呂の温泉は、ここを源泉としている。

泉質は、ナトリウムー塩化物・硫酸塩温泉で、PH1.5、泉温96度の強酸性高温泉である。

草津温泉の北西の外れ、温泉街散策には不便なベルツ通りの林間に、三菱電機の孫会社が経営する9室のみの小さな宿が「草津湯菜の宿 杓凪華(しゃくなげ)」だ。じゃらんのクチコミ評価が高く、特に料理の評判が良い。小学生以下の宿泊が不可、よけいな接客を避け、布団も客が敷くなどプライバシーを大切にする大人の宿だ。

館名に「湯菜の宿」と謳っているように、地元の食材・野菜や群馬名産品をたっぷり使った創作和食を売り物にしている。

上記のじゃらんクチコミでは、夕食4.8、朝食4.7と高評価であり、宿のコンセプトを見事に具現化している。

夕食・昼食とも、洒落た和モダンな準個室のダイニングで取り、食事がよけい楽しく美味しく感じられる。料理のサーブのタイミングも絶妙だった。

夕食はスタンダードコースだったが、地元の嬬恋キャベツ、群馬のブランド牛(上州和牛)の炙り、虹鱒の高級ブランド「銀光」などがテーブルに並び、季節感を目と舌で味わ、クチコミ高評価が納得できた。
朝食も地元の野菜を中心にしたやさしい味付けの和定食で、牛乳やジュースなどのソフトドリンクも付いていた。
コーヒーは、いつでもラウンジで飲める。

じゃらん クチコミ総合4.7(2015年12月15日現在)

草津温泉の宿としては珍しく、浴室からは、緑鮮やかな木立ちが望める。確認を忘れたが、どうやら立ち寄り入浴は受け付けていないようだ。

前菜代わりに生の嬬恋キャベツ。お代わりしたので2皿並んでいる。

コーヒーはセルフで。

朝食も充実。鮭は半身ではない。牛乳・ジュースも付いたので高評価。。

焼き物:鮎の塩焼き

冷鉢:清流寄せ。煮凝り・オクラ・ミョウガ等が使われ、口に目にも涼しげ。

お造り:虹鱒(銀光)・下仁田蒟蒻(トップに人参の蝶がとまってる)

ロビーには、余計な装飾物等が全くなくてすっきりしている。何故か大きなハンモックが掛けられ、実際に上に乗ることが出来る。

「湯菜」は、温泉の「湯」と地場の食「菜」を合わせたものだ。豊富な温泉と地元の食材に拘る創作料理が自慢の小さな大人の湯宿をモットーにしている。

ベルツ通りに面する木立ちの中に佇む杓凪華。

江戸時代から続く「湯揉み」のショーが行われる「熱乃湯2015年5月にリニューアルオープンした。

写真は熱乃湯改修前に撮影した湯揉みショー。

湯畑源泉の横で湧く「白旗源泉」。

所在地 : 吾妻郡草津町(あずまぐんくさつまち)

草津町は人口が約7,600人、群馬県の北西部に位置している。東西9km、南北8km、北と西には三国山脈の2,000m級の山々がそびえ、一方、東と南は海抜1,130m~1,260mの高原性盆地となっている。

町の北西、大パノラマが開ける国道292号(志賀草津道路)沿いにはコバルトブルーの神秘的な湯釜を持つ白根山、南には日本一の避暑地・軽井沢そして鬼押し出しで有名な浅間山がある。

この二つの活火山に挟まれた草津温泉は、日本で一、二を争う実力派の大温泉地である。
地名の由来は硫黄臭の強い草津温泉を表した「くさみず」により、室町時代後期に「草津」、戦国時代に「草生津」「九相津」、江戸時代に再び「草津」と書かれたそうだ。

上信越国立公園に含まれる草津白根周辺は太平洋と日本海の分水嶺となっている。
1年間の平均気温が7℃と低く、夏でも25℃を越えることが滅多に無い。

床も浴槽も石板を敷き詰めたもので、温もりに欠ける一方、清潔感が漂う。

日本有数の大きさを誇る西の河原露天風呂は同じ万代鉱源泉を使用。杓凪華から徒歩10分の距離。

住  所 群馬県吾妻郡草津町草津464-1
電  話 0279-88-3603
交通機関 関越道渋谷伊香保ICから国道353・145.292号線で60km
上信越道碓井軽井沢ICから県道43・国道146・292号線で55km
(道路状況・景色などから、軽井沢経由がお勧め)
JR長野原草津口からJRバス(25分)
JR軽井沢から草軽バス(80分)
宿  泊 9室(4タイプ)
平日2人1室1人12,000円~20,000円程度。
最新・詳細情報は宿のHP参照ください。
泉 質 万代鉱源泉:ナトリウムー塩化物・硫酸塩温泉(源泉温度96℃ pH1.5)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴施設 内風呂:男女各1(露天風呂無し・貸切風呂無し)
観光スポット 湯畑、西の河原、熱の湯(湯もみショー)、ベルツ記念館、片岡鶴太郎美術館、軽井沢、浅間山(鬼押し出し)、白根山(湯釜)

草津から万座・志賀高原に続く国道292号線(志賀草津道路)は、雄大な山並みを縫うように走る快適な山岳道路。途中、有毒ガスが発生して立ち入り駐車禁止の殺生河原、日本百名山の一つである白根山(コバルトブルーの湯釜が素晴らしい)、国道の中では最も高い「渋峠」を通過して行く、日本有数の大パノラマ山岳道路だ。
お土産・食事 温泉街に食事処・土産物屋多数
近くの温泉 草津温泉の数多い外湯巡り(西の河原熱の湯ー湯揉みショー、大滝乃湯、御座之湯白旗の湯千代の湯等)
万座温泉尻焼温泉、花敷温泉、沢渡温泉、川中温泉など多数
草津町HP
観光協会HP
旅館協同組合HP

杓凪華HP
湯菜の宿HP
http://www.town.kusatsu.gunma.jp/
http://www.kusatsu-onsen.ne.jp/
http://www.yumomi.net/
http://www.shakunage.in/
http://yusainoyado.jp/
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前に当該施設のHPなどでご確認ください。)。

毎分4000リットル自噴湧出。

2013年春にオープンした日帰り温泉の御座の湯

外来者でも入浴出来る共同浴場・白旗の湯

草津温泉は標高約1200mの高所にある。その草津だが、温泉力という視点では日本一の温泉地と言っていいだろう。その理由として次のようなものが挙げられる。

●万代・湯畑・西の河原・白旗など、周辺を除く温泉地内だけで日本一の自噴湧出量(約23,300ℓ)があり、しかもすべて加温不要の高温泉である。
●湯畑・白幡・西の河原等の豪快な自噴源泉をすぐ間近で見られる。
●1円玉が1週間で消滅するというpH2前後の強酸性温泉とその効能。
●宿が150軒もあり、予算・好みに応じて幅広い宿選びが可能であり、その上、ほとんどの宿がかけ流しだ。
●掛け流しの共同浴場が19ヶ所もある。但し、以前はすべてで入浴出来たが、外来入浴客のマナーの悪さのため、現在は「白旗の湯」「地蔵の湯」「千代の湯」の3ヶ所のみが開放されている。
●日本で1,2位を争う強大な露天風呂がある。
●時間湯・湯もみといった温泉文化が継承されている。

湯畑源泉の下流部分。

強肴:上州和牛の炙り

お鍋:おっきりこみうどん(群馬県・埼玉県北部の郷土料理)

デザート

前菜:嬬恋高原キャベツ。柚子胡椒味噌で食べる。

酒肴:季節の物

温物:(変わり)茶碗蒸し。道明寺・トマトケチャップなどを使用。

食 事

杓凪華は、草津温泉の西北、温泉街を通る2本の幹線道路、志賀高原に向かう国道292号とベルツ通りが交わる直前、草津国際スキー場手前にある。
草津温泉のシンボル・湯畑からは1km余り、徒歩15分の距離にあって、浴衣を着て温泉街を散策するには、少々不便な所にある。
一方、宿は、草津温泉が1200mの高所にあることを実感させる高原の林間にあって、温泉街中心の隘路や駐車難とは無縁のロケーションだ。

珍しくも1人旅、久しぶりの草津温泉、先ずは1人旅OKの宿、それに駐車が容易の宿が前提条件、その上でクチコミ評価が高い宿を探したところ、杓凪華に行き当たった。


立て込んだ草津温泉の中心地とは違い、林間にあって木々の緑が眩しい。もちろん駐車場も敷地内にあって楽だ。
外観、そして館内に入った時の第一印象は、旅館らしからぬ設計、ここはどこかの保養所を改装したので?は、と思ったがその直感は後で正解と分かった。

部 屋 4.3 風 呂 4.1
朝 食 4.7 夕 食 4.8
接客・サービス 4.8 清潔感 4.5
施設名 : 草津湯菜の宿 杓凪華(しゃくなげ)(宿泊日:2015年7月13日)

         写真は嬬恋村のキャベツ畑。

軽井沢に隣接する嬬恋村(つまごいむら)は、有名な嬬恋高原キャベツの生産地で、なんと全国キャベツ出荷の50%を占める。
今回、浅間山を遠望するキャベツ畑は初めて見たが、今は亡き母親が、わたしが軽井沢方面に出かけるとき、必ず”買ってきてね”と頼んで来たのを懐かしく思い出した。。

たっぷりなサラダがなんとも嬉しい。右は豆腐。

吹き抜けの2階から見下ろすロビーは、直線的・機能的で、部屋数9室の割には広い空間だ。

もともとは保養所だったものをリニューアルオープンしたもので、経営は、三菱電機グループの福祉関連事業を担当している三菱電機ライフサービス(株)の子会社である「メルコリゾートサービス(株)」経営している。

社は保養研修施設の他に、6軒の旅館を経営し、この内、3軒に「湯菜の宿」を冠してる。
「那須湯菜の宿 芽瑠鼓」「奥飛騨湯菜の宿 白雲荘」そしてここ「草津湯菜の宿 杓凪華」だ・

近年、大きく景色が変わった湯畑周辺の風景。

草津温泉のシンボル、湯畑の温泉湧出池とそれを囲む旅館・土産物屋。

風 呂

部屋は4タイプの9室で、平日2名1室で13,000円~20,000円前後。詳細・最新情報はこちら参照
1人旅であり、一番狭い8畳和室(桔梗 洗面所・トイレ)を予約、宿泊料金は17,280円(7月平日)。全室にマッサージチェアーが置かれている(写真右奥)。

立て込んだ草津温泉中心部では味わえない風景。部屋の窓から見る木々の爽やかな緑が美しい。
環境に相応しい静かな大人の宿を維持するため、小学生以下の宿泊を断っている。従業員の客室への立ち入りをミニマム化するため、布団は客が敷くことになっている。

温泉名 : 草津温泉

温泉街の中心、湯畑へは徒歩15分の距離にあり、温泉街散策は往復で1時間を見ておいた方が良い。
このハンディには臆しておらず、HPでは、湯畑など主な観光スポット、日帰り入浴施設等への
徒歩所要時間を明示していて、好感が持てる。