野沢温泉 上寺湯 (長野県)

野沢温泉には13ヶ所の共同浴場があるが、その内5軒が温泉街の奥、即ち温泉街の北の端に集まっている。その内の一つ、狭い坂道の途中に佇む小ぶりの上寺湯は、床も浴槽も天然石で造られており、清潔感も漂う。もちろん硫黄臭がする温泉も素晴らしい。

施設名 : 上寺湯(かみてらゆ) (入浴日:2016.8.10)

湯沢温泉の13ヶ所ある共同浴場の筆頭、大湯は温泉街の真ん中にある。

所在地 : 下高井郡野沢温泉村

野沢温泉村は長野県の北部に位置し、南側は毛無山を境に木島平村に接し、西は千曲川を隔てて飯山市と境をなし、北と東側は栄村(秋山郷)と接し、標高差は300mから1、650m迄あり起伏の多い地形になっている。

村の50%が山林で上信越国立公園に指定され、その内、297ヘクタールがスキー場区域となっている。
一日の最大降雪量が82cmを記録したこともあり、全国屈指の豪雪地帯である.。

鎌倉時代中期の文永9年(1272年)には「湯山村」として登場しており、その頃から温泉が湧き出ていたことが分かる。
大正12年には、村にスキー場が造られ、温泉とスキーを中心とした村づくりが始まっている。
平成10年の長野オリンピックでは、会場の1つとして野沢温泉スキー場が選ばれて、世界的にその名が知られるようになった。

野沢温泉の最寄り駅は、2015年3月に金沢まで延伸された北陸新幹線 飯山駅となる。飯山駅からは、直通バス「野沢温泉ライナー」を利用、25分で野沢温泉に到着する。

営業時間が早朝5時〜午後11時までの長時間、まさに共同浴場の鏡だ。地元の方のご努力に頭が下がる。

狭い坂道に立つ小さな湯小屋。

野沢温泉の13ヶ所の共同浴場の内、滝の湯麻釜の湯熊の手洗湯真湯、上寺湯の5ヶ所は、温泉街の北側奥に集中している。
今回の宿を旅館街からポツンと離れた野沢グランドホテルに決めた理由の一つが、これらの共同浴場が指呼の距離にあるためだった。

上寺湯はホテルから裏道を使って徒歩5分ほど、細い坂道の途中の斜面に建てられた小さな共同浴場で、以前に入った熊の手洗湯のすぐ近くだ。
野沢温泉のHPによれば、「この共同浴場は歴史ある湯」で、源泉は麻釜源泉から引いている、とのこと。

浴槽は清潔感のある石造り、浴槽は3mx1.5mほど、4人くらいが限度の大きさだ。
ここも野沢スタイル、脱衣場と浴室が一体型で、貴重品入れもついている。

泉質は、含硫黄ーナトリウム・カルシウムー硫酸塩温泉で、硫黄臭がし、pH8.8、泉温は82.4℃と高温だ。



上寺湯の正面玄関。男女別を示す木札は見落とすのだろうか、ドア正面に白地に黒文字の目立つ札が掛けられていた。賽銭箱に地元の維持管理に感謝して寸志を落としたい。

長野県は温泉地の数において、北海道に次いで全国で第二位であり、全県に渡って温泉地が点在している。
その中で信州を代表する温泉と言えば、長野県の最北端、標高1650mの毛無山の北麓に湯煙を上げる野沢温泉であることに異論は無いだろう。

野沢温泉は坂道の狭い路地に、多数の温泉宿(旅館組合HPには22軒掲載)・土産物屋が軒を連ね、さらに徒歩ですべて周れる13軒もの共同浴場が点在する情緒タップリの温泉街だ。

共同浴場は、江戸時代から続く「湯仲間」によって管理・運営され大切に守られてきた村の財産だ。これらの浴場はすべて宿泊客を中心とした観光客に開放されている。
原則無料だが、地元の方々のご苦労に感謝して、入り口正面に掛けられた賽銭箱に寸志を入れておきたい。
入浴時間は早朝5時(冬期は6時)からで、すべての共同浴場が源泉掛け流しである。

源泉数は30か所余り、そのほとんどが40度を超える高温泉だ。

温泉名 : 野沢温泉
住 所 長野県下高井郡野沢温泉村
電 話 0269−85−3111(野沢温泉村役場)
交通機関 上信越自動車道豊田飯田ICから国道117号線等で約20km
北陸新幹線 飯飯山駅から、直通バス「野沢温泉ライナー」で25分

施 設 付近に駐車場スペースが無いので村営駐車場を利用。
宿 泊 不可
泉 質 含硫黄ーナトリウム・カルシウムー硫酸塩温泉(pH8.8 82.4℃)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 5時〜23時(11月〜3月は6時〜23時) 
定休日 無休。但し、週6回の清掃時は入れない)
入浴料金 {宿泊客は無料でもいいと思うが、立ち寄り湯の場合は寸志を賽銭箱に投入したい。
入浴施設 内湯男女各1
浴室備品 シャンプー類無し、小型の貴重品入れあり。
観光スポット 近隣:おぼろ月夜の館[斑山文庫]上の平高原ハイキング、つつじ山公園、麻釜、千仏堂、日本スキー博物館
善光寺、妙高高原、黒姫高原、戸隠高原
お土産・食事 土産:本場の野沢菜 「新杵製菓」の温泉まんじゅう
食事は温泉街に多数 
近くの温泉 馬曲温泉、松之山温泉、秋山郷の温泉、赤倉温泉、新赤倉温泉、妙高温泉、関温泉、燕温泉、渋湯田中温泉郷
野沢温泉村HP
村観光協会HP
旅館組合HP
http://www.vill.nozawaonsen.nagano.jp/
http://nozawakanko.jp/
http://nozawa.jp/
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前に当該施設のHPなどでご確認ください。)。

野沢温泉のシンボル、麻釜(おがま)源泉。町民のみが立ち入りを許され、野菜などを湯がく風景が見られる。

野沢スタイルの浴槽と一体となった脱衣棚。貴重品入れがあるのも親切だ。

地元の人にメインテナンスされて清潔感漂う浴室・浴槽。硫黄分のせいか、僅かに濁ってるように見えた。温度は44℃くらいだったろうか、水を注入することなく入浴出来た。

栓が外された蛇口から湯が落とされている。二つのパイプが見えるが、もともとの用途は不明。