風呂には排水溝がない。湯かき穴は、400年の間、温泉を掻き出すことで出来上がった。右手に5〜6mはあると思われる天然の巨岩があるが、ここはもともと露天風呂を湯屋で被ったものだ。

湯守の宿 三之亟(以下 三之亟)は、江戸初期の開業で創業約400年、現オーナーが17代目に当る老舗旅館jだ。

三之亟は温泉教授松田忠徳氏の日本百名湯に紹介された宿で、日本秘湯を守る会の加盟旅館でもある。


部屋数はすべて和室で29室、一部の部屋はトイレ付き(洋式・和式)で、宿泊料金は8,400円〜14,700円(2010年9月現在)で、シーズン加算などがあり、また随時改定されるので、予約の際は宿のHPを参照されたい。

風呂は全部で3ヶ所あるが、白眉は初代が岩盤を刳り貫いて造った3つの風呂を持つ岩風呂だ。
これまで見て来た内湯の中で、他の追従を許さない圧倒的な存在感のある風呂と言っても過言でないだろう。

これ以外に露天風呂と内湯(ひょうたん風呂)が各1ヶ所あり、宿泊の場合はすべてで浸かることが出来る。
足下湧出風呂の「深湯」は文字通り深い湯船で、最深部は140cmもあり、背の低い人や子供は溺れてしまうので要注意だ。宿のHPの記事では大きさが480cmx300cm(それほどあるようには思えないが)。
源泉は2つ、何れも泉質がカルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉で第一源泉は岩風呂の真下から湧出している。

泉温が62℃と高いので、小国川に源泉をパイプで誘導し温度を下げているが、夏など適温まで下げられない場合は、山からの湧き水を加水して注いでいる。


第2号源泉も51℃の高温泉で、こちらは後述する露天風呂とひょうたん風呂に用いられている。
写真中央は源泉湧出場所。pH8.2、透明で無味無臭、しっとり感がある。
湯船の底は自然の岩盤。足下湧出と言っても、湯玉があちこちでぶくぶくと湧き上がってくるほどではない。
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
住 所 山形県最上郡最上町大字富沢884
電 話 0233−45−2301
交通機関 東北自動車道古川ICから国道47号線で48km
JR山形新幹線新庄駅から陸羽東線で42分、赤倉温泉駅下車、最上町営バス赤倉温泉口下車
宿 泊 部屋数はすべて和室で29室、一部の部屋はトイレ付き(洋式・和式)で、宿泊料金は8,400円〜14,700円(2010年9月現在)。
シーズン加算などがあり、また随時改定されるので、予約の際は宿のHPを参照されたい。
泉 質 第一号源泉:カルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉 62.3℃ pH8.2
第二号源泉:カルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉 51.3℃ pH7.99
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
施設(日帰り) ロビー、売店、駐車場(50台)
日帰り入浴時間 午前10時〜午後4時
定休日 無休
入浴料金(日帰り) 大人500円
風 呂 岩風呂(混浴・・・女性タイム有り)、内湯(ひょうたん風呂・・・男女交代制)、露天風呂(男女交代制)
浴室備品(日帰り) シャンプー、ボディソープ、ドライヤー
食事・喫茶 館内で昼食不可
観光スポット 小国川(渓流釣り)、封人の家(重要文化財指定・・・”蚤しらみ 馬の尿する枕元”
芭蕉のこの句の舞台になった家)、赤倉スキー場
近くの温泉 鳴子温泉郷(鳴子・東鳴子・川渡・中山平・鬼首)、瀬見温泉
最上町HP
観光協会HP
赤倉温泉HP
三之亟HP
http://www.mogami.tv/
http://mogami-kanko.info/pc.html
http://mogami-kanko.info/akakura/index.html
http://www.dewazi.or.jp/sannojo/
温泉名 : 赤倉温泉
所在地 : 最上郡最上(もがみ)町 
最上町は山形県東北部に位置し、秋田県雄勝町・宮城県鳴子町などに隣接している人口1万人ほどの小さな町だ。

町の中心を宮城県仙台市から山形県酒田市へ至る国道47号線が貫いている。

周囲を奥羽山系の山々に囲まれた盆地(小国盆地)にあり、地理的に他の町村とは隔絶していて、夏はやませ(オホーツク海気団より吹く冷たく湿った北東風)になりやすく、冬は豪雪地帯である。


四方が山によって遮られているため、かっては「小国」と呼ばれていた。

主要産業は、稲作を中心とする農業の他に、瀬見温泉・赤倉温泉・赤倉スキー場などの観光業が大きなウエイトを占めている。

施設名 : 湯守の宿 三之亟(さんのじょう) (入浴日:2010年3月18日)

鳴子温泉から雪が残る国道47号線を西行、宮城県との県境を越えて山形県最上町の赤倉温泉へ。
赤倉温泉の開湯は、慈覚大師が諸国行脚の最中に見つけたという説や馬が河原から湧き出る温泉で傷を治していたのを発見したという説もあるが、ここでは歴史ある温泉とだけにしておく。

赤倉温泉は、JR陸羽東線赤倉温泉駅から少し離れた小国川沿いにあって、大小10軒ほどの宿が立ち並んでいる。
温泉街らしい雰囲気を漂わす一角もあり、共同浴場もあるが地元専用で旅行客は利用できない。
地元では同じ町域、同じJR陸羽東線・小国川沿いにあって赤倉温泉と同規模の瀬見温泉等と合わせて最上温泉郷と称している。

また国道47号線・JR陸羽東線沿いにあるということから、全国的に珍しい県を跨ったお得な湯巡りチケットを発行している。
これは、宮城県栗原市(旧鳴子町)側の鳴子東鳴子川渡中山平・鬼首と山形県最上町の赤倉・瀬見の7つの温泉が1200円で湯巡りチケットを発売し、どこの温泉地でも使えるシステムになっている。
小国川の両岸に温泉宿が立ち並ぶ。
高い天井、広い天然の浴室を持つ豪快な岩風呂。手前が中湯、源泉を挟んだ向こう側に深湯。自噴した温泉がそのまま注がれるので温泉は新鮮。
中湯
「中湯」は400cmx320cn(宿のHPから)、最深部は110cmある。ここも足下湧出風呂だ。
「高湯」は250cmx180cm(HPから)、岩の上から温泉が落とされている。温度はここが最も低くて長湯ができる。
高湯
この写真は三之亟のHPから借用。右の巨岩には自生の植物が生い茂っている。高湯は右の階段を上った先にある。
岩風呂は原則混浴で、宿泊者には女性専用タイムが午後6時から午後9時30分まで設けられている。

日帰り入浴は午前10時〜午後4時(大人500円)なので、女性は混浴時間帯での岩風呂入浴となる。


入浴時期や時間で、超高温のため浸かれないケースもあるようだ。
深湯
「ひょうたん風呂」は、男女別の時間帯が設けられているが、宿泊者は貸し切りとしても利用できる。
ひょうたん風呂
露天風呂
男女別の時間帯が設けられている。立ち寄った時間帯は女性専用だったので入浴できなかった。(写真は三之亟のHPから借用。
赤倉温泉 湯守の宿 三之亟(さんのじょう)は日本百名湯(松田忠徳教授選)の温泉・宿で、日本秘湯を守る会の会員旅館。岩盤を刳り貫いて造った3つの風呂を持つ野趣たっぷりの岩風呂は、誰もが感動する豪快な内湯だ。
赤倉温泉 湯守の宿 三之亟 (山形県)
雪が一面に残っていた。
館内風景
脱衣場

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