１０００年余の歴史があり、古くから湯治場として栄えてきた鳴子温泉郷は、鳴子温泉を中心に川渡・東鳴子・中山平・鬼首（おにこうべ）の５つの温泉の総称である。
日本国内にある11種類の泉質の内、９種類がここに集まり、源泉も４００本近くある。

東北道古川ICから国道４７号線に乗って西に進むと、鳴子温泉郷の一番手前に川渡温泉が現れてくる。次に東鳴子、鳴子、そして一番奥、紅葉で有名な鳴子峡を過ぎて間もなく中山平温泉が現れる。（鬼首温泉はこれらの北側、国道１０８号線沿い）

旅館は１２軒、国道沿いや、国道から山道を下った大谷川沿いに点在しており、山間から田園地帯まで周辺の環境は色々だ。

湯量は鳴子温泉郷の中で一番豊富と言われ、泉質の良さも評判で、皮膚病などで湯治に来る客も多い。
これらの自然環境と泉質・湯量が評価されて、中山平温泉は国民保養温泉に指定されている。

鳴子温泉郷は今回で２回目の宿泊だ。
前回はこれまで２回しかない列車での旅、前日宿泊した銀山温泉から列車を乗り継いで、雪が舞い散る鳴子温泉駅に降り立った。
人気の高い共同浴場「滝の湯」で入浴後、タクシーで東鳴子温泉、温泉教授松田忠徳氏の日本百名湯の宿「旅館大沼」に宿泊した。

今回は第２回東北長期遠征の３泊目、前日宿泊した蔵王温泉を出発し、途中、同じ宮城県内、日本秘湯を守る会の宿、「峩々温泉（旅館名も同じ）」、「青根温泉（不忘閣）」、さらに同じ鳴子温泉郷の「川渡温泉（藤島旅館）」に立ち寄ってから、鳴子峡を観光後、ここにやって来た。

琢�eは、正式には「名湯秘湯　うなぎ湯の宿　琢�e」という長い館名である。
名湯秘湯とは私のサイト名と同じだが、ここも日本秘湯を守る会の宿だ。
これはともかく、「うなぎ湯の宿」の文字がここの宿の最大の売り物を明らかにしている。

４つの源泉を持つ湯量豊富な宿で、すべての風呂が源泉掛け流し、主たる泉質の「含硫黄ーナトリウムー炭酸水素塩・硫酸塩泉」の湯はヌルヌルの感触で、これがうなぎ湯と称している由縁だ。

琢�eは、離れ３室を含めて全部で１７室、小規模の宿だが外観も館内も落ち着いた雰囲気で、ロビーは桧がふんだんに使用されているなど、温泉同様しっとりした和風旅館だ。

料金は２人１室で１４，０１０〜３４，８００円と幅があるが、高い方は離れの貴賓室の値段で、約１４，０００円〜１５，０００と１８，０００円〜２３，０００円の料金帯に分けられる（２００７,１２月現在、休前日は１０％アップ　他に特別シースン料金あり・・・詳しくは下記のＨＰ参照）。

男女別内湯・露天風呂、混浴露天風呂、男女交代制など合計１０ヶ所の風呂を持つ。

その上、これらの風呂は大小・材質・形状・温泉が異なり、バラエティに富んでいる。
早朝で男女が交代するのですべての風呂に入浴することが出来るが、一泊でこれを達成するのは難しい。

風呂は全部掛け流しだが、これも源泉４本を持ち豊富な湯量を誇るから可能なのだ。

代表的な泉質は含硫黄ーナトリウムー炭酸水素塩・硫酸塩泉という濃厚な泉質。
ｐＨ８．９のアルカリ性のためか、重曹泉の要素のためか定かではないが、ヌルヌル感がすごく入浴後の肌はすべすべになる。

看板に偽り無しのうなぎの湯であり美肌の湯だ。