施設名 : 別館山和荘  (宿泊日:2007.10.6 平日2人1室 1人13,650円(税込み))
所在地 : 南アルプス市芦安
温泉名 : 桃の木温泉 
データ (データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
 桃の木温泉 別館山和荘 (山梨県
   
南アルプスとフルーツの町と称する南アルプス市とは、聞きなれない市名である。
フルーツ(桃・ブドウ・さくらんぼなど)を中心とする農用地が11%の他、森林原野が73%を占めている。

南アルプス市は山梨県の西側、南アルプス山麓に位置し、平成15年4月1日に八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町の4町2村が合併して生まれた新しい市だ。

市は南アルプスの主峰北岳を頂点とした東西に細長い形で、冬は寒さが厳しく、夏は気温が高いという盆地特有の内陸性気候である。
山間部は芦安・白根及び櫛形地区の一部に広がっており、特に芦安地区の大部分は北岳(3192m 日本第2位の標高)・間ノ岳(3189m)などの山々が聳える南アルプス国立公園に属している。

芦安地区へは、甲府から南アルプス街道に乗って進むが、芦安温泉を過ぎると間もなく狭い林道となり、やがて夜叉人峠を越えて南アルプスへの登山口に向う。
住 所 南アルプス市芦安安倉1672
電 話 055−288−2306
交通機関 中央自動車道甲府ICから県道20号線他で約18km
JR中央本線身延線甲府駅から芦安行きで55分、桃の木温泉入口下車徒歩5分又は芦安下車
 マイクロバス送迎7分
施 設(日帰り) ロビー、売店、駐車場(20台程度) 
宿泊 15室(BT付き) ノーマルシーズン 11,550円〜 オンシーズン 13,650円〜
料金は変動するので下記HP参照
泉 質 アルカリ性単純温泉 (泉温43℃ 無色 微硫化水素臭)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 宿泊客:24時間
日帰り:7時〜宿泊者優先なので要確認 
定休日 無休
入浴料金 大人 1、000円
入浴施設 内湯男女各1、露天風呂男女各1、貸切風呂1 
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 夜叉人峠・高谷山ハイキング、白鳳渓谷紅葉狩り、桃開花鑑賞(勝沼付近)、:笛吹川フルーツセンター、苺・桃・ブドウ狩り、ワイナリー見学、西沢渓谷、昇仙峡、富士五湖、清里
お土産・食事 食事は甲府周辺で(「ほうとう」など)。
季節の桃・ブドウ・いちご・サクランボなどを周辺で。(国道20号線沿い等の桃・ブドウ等の直販所、道の駅しらね、まちの駅くしがた等多数)
近くの温泉 芦安温泉石和温泉・湯村温泉・塩山温泉・笛吹川温泉・一宮温泉・岩下温泉・御坂温泉・ももの里温泉・山宮温泉など多数(日帰り施設多し)
南アルプス市HP
観光協会HP
山和荘HP
http://www.city.minami-alps.yamanashi.jp/
http://www.shokokai-yamanashi.or.jp/~ashiyasu/
http://www.momonoki.net/
雑記帳 山梨県と言えば、石和温泉が最も有名だが、甲府盆地の中央にあって都市化しどうも宿泊する気になれない。しかし、周辺には豊富・良質の温泉を有する無名の温泉が点在している。
前に宿泊した川浦温泉芦安温泉そして今回の桃の木温泉、どれも大きな満足感が得られた温泉宿であった。
甲府からの県道20号線は芦安からは林道(一般車通行禁止)となり、夜叉人峠(やしゃじんとうげ)を過ぎてその後南下、西側の県道37号線に出て奈良田温泉西山温泉を通過し、身延山・下部温泉方面に出る。このルートを南アルプス街道という
桃の木温泉を知ったのは、1年ほど前、3キロ手前の芦安温泉・岩国館に泊まったときだった。
芦安温泉より一層秘湯度合いが増し、その上、良質かつ豊富な温泉は掛け流しと同宿者に聞いたのだ。

温泉名の「桃の木」は、山梨特産の桃(ピーチ)ではなくて、御勅使川(みだいがわ)沿い、山桃の群生地だった桃の木平に温泉が湧くことに由来している。

県道は岩国館前で林道になり、道幅が急に狭くなってきて、勾配がきつくなる。
すれ違いが難しいその道を3kmほど走ると、御勅使川の川幅がますます狭くなり山が間近に迫ってきて一気に深山幽谷の趣が深まってくる。

その谷間(たにあい)の僅かな平地に昔からの本館桃栄館、それに向かい合って、昭和63年に建てら洒落たペンション風の別館山和荘が建っている。
御勅使川の峡谷沿いにひっそりと湯煙を上げる桃の木温泉。写真は本館・桃栄館。
標高950m、迫り来る山の斜面の僅かな平地に建ち、濃いピンクの屋根を持つ山和荘は2階建てで、専用の橋を渡った先に駐車場そして正面玄関があって客を出迎える。

部屋数は15室、すべてがBT付きの設備が整った小さくて瀟洒な宿である。

宿泊料金は、オフシーズンで11、550円から、オンシーズンで13,650円からとなっている(詳細は下記HP参照)。
御勅使川沿い、山の斜面に建つ山和荘。
専用の橋を渡った先にあるペンション風の建物。
日本秘湯を守る会の会員旅館。山梨県では僅か4軒しかなく、先の奈良田温泉白根館に続く2軒目の宿泊となった。
2方がガラス張りのロビー・ラウンジは、秘湯の宿とは思えないくらい、明るく開放的でセンスがありとても心地よい。
部屋は清潔な10畳のBT付き和室(Tはウオッシュレット)。渓流の瀬音が聞こえ、目の前に白鳳渓谷の山並みが迫っている。
風 呂
料 理
風呂は男女別の内湯と露天風呂、それに無料の貸切風呂が1つある。

内湯は大小2つの風呂があって、床も浴槽もタイル張り、特に情緒があるわけではないが、2面に窓があって明るく、とても清潔感がある。

露天風呂はそれほど大きくないが、白鳳渓谷の幾重にも重なる山並みを眼前に見て開放感たっぷりだ。

温泉は自家源泉で、湧出量が370リットル/分といたって豊富だ。
泉温が43℃のアルカリ性単純温泉だが、僅かに硫黄の臭いがして(家内の弁)、滑らかな感触、その温泉が加温・加水無で掛け流しになっている。

高温の湯が苦手の私にとって、温めの温泉が何より嬉しく、かつ当日、宿泊客が少なかったこともあって風呂を独占、思う存分入浴を楽しんだ。

タイル張りの明るく、清潔感溢れる内湯。
白鳳渓谷を眼前に見ながら爽快な入浴を楽しめる露天風呂。
木造の湯小屋にある檜の貸切風呂(無料)。窓を開ければ露天風呂の開放感も味わえる。
南アルプスの玄関口・芦安にあって、日本第2位の標高を誇る北岳など南アルプスの雄峰を眺望する夜叉人峠の手前に位置する日本秘湯を守る会の宿。珍しくも、家内が「もう一度泊まってもいい旅館」と評価した。
夕食は部屋で、朝食は食事処で取る。
夕食は地元山川の食材を中心に、素朴だが滋味豊かな料理が並ぶj。朝食もオーソドックスなものだが、味付けがしっかりしていて、とても美味しかった。
どちらかと言えば旅館の評価が厳しい家内だが、「ここを常宿にしてもいい」と高い点をつけた。
小さな宿故に風呂や食事処への移動が楽、風呂・部屋・ロビーなど全てで清掃が行き届き清潔かつ開放的、やさしい温泉の温度と感触、食事がカロリーが抑えられて食後の胃もたれがない、押し付けがましいサービスがない、壮大な景観ではないが静かで緑豊かな山間の風景、リーズナブルな料金・・・それらが加重されて、彼女に高い評価を付けさせたのだと思う。

まだ認知度がそれほど高くない温泉だが、宿泊して決して損はしない宿だと思った。
朝食