泉質はラドンを含有する単純弱放射能冷鉱泉。湧出量は9.4ℓ/分、7.6℃で加温している。

蛇口をひねると温泉が出てくる。

この日最初の入浴者、まだ湯船に蓋がしてあった。

南木曽と書いて「なぎそ」と読む。
長野県の南西部、木曽谷の南端に位置し、面積の94%が森林、県下で最も人口が少ない町である。

町の中央を木曽川の急流が流れ、60kmに渡るV字谷状地形を造り上げ、木曽の桟・寝覚めの床などの景勝地がある。

木曽川に流れ込む支流の上流には、木曽を代表する渓谷美を誇る柿其渓谷、日本の滝100選の田立の滝などの名勝がある。

町域には、旧中山道の宿場町として栄えた「妻籠(つまご)宿」と「三留野宿」がある。
特に妻籠宿は、南側にある馬篭(まごめ)宿とともに、木曽路最大の観光スポットとして多くの観光客が訪れる。

中山道と飯田街道の分岐点にある妻籠宿は早くから地域ぐるみの町並み保存が展開され、他に先駆けて国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。
重要文化財の脇本陣奥谷をはじめ、江戸の風情を残す数多くの民家や店が軒を連ねている。

柿其温泉は、木曽谷の景勝地、柿其渓谷の静かな山間にあり、素朴で小さな一軒宿・渓谷の宿いち川がひっそり佇んでいる。

所在地 : 木曽郡南木曽(なぎそ)町

民家風の2階建て。簡単な食事もとれる

木曽谷でも深い谷間ではなく、まるで高原のような明るい開けた標高550mの地にある。
「渓谷の宿 いち川」は普通の民家のような2階建ての建物だが、もともとは学生向けの民宿として1963年に開業した。
エアコンの無い時代、夏でも涼しい風が吹き抜けていたこの地で受験勉強する学生村としてたくさんの民宿があったようだ。

1992年、浴場に使う水を得るために井戸を掘ったところ、ラドンを含む温泉が湧き出た。

浴室はこの地にふさわしく、檜の壁・サワラの床・高野槙の湯船といわゆる木曽五木(下記参照)が使われている。、

浴槽は2人が入ったら満杯になる小さなもので、ここに透明度の高いさらさらした温泉が満たされている。
浸かったとたん、湯が豪華にあふれ出したので、出るときに縁まで温泉を補充しておいた。


部屋数は6室のみ、料金は10,000円~13,000円、シーズンによって変化するようだ。

浴室は4畳半ほど、風呂は1mx1m50cm位の小さなもの。

「やきやまの湯」の文字があったが、源泉名のようだ。

素朴なロビー、入浴料金は800円と立派、営業時間は10時~20時。

南木曽町には、知名度は低いが3つの温泉がある。
富貴畑高原温泉郷、南木曽温泉郷それにここ柿其温泉だ。
旅館数軒と日帰り施設だけで「郷」の文字を付けるには少々気恥かしいが、その心意気や良し。

今回は、木曽谷に咲くドイツ原産の花桃に魅かれて、「富貴畑高原温泉 ホテル富貴の森」に宿泊、これを利用して柿其温泉に立ち寄った。

柿其温泉は、町の最北端、国道19号線から外れ木曽川の支流・柿其川を4kmほど遡った先にある。
途中擦れ違いが出来ない細い道を走るが、断崖を通るわけではないので冷汗はかかない。
周辺は木曽谷を代表する景勝地・柿其渓谷であるが、今回は入浴が目的、観光は省略した。

この道をもう少し先に進むと恋路峠という愛らしい地名にぶつかるが、温泉巡りを始めて間もない2001年9月に立ち寄った「阿寺温泉フォレスパ木曽」がすぐ近くにある。

 妻籠宿は、木曽路十一宿の中でもとりわけ往時の面影を色濃く残している宿場で、ここに足を踏み入れると江戸時代にタイムスリップした気持ちになる

住 所 長野県木曽郡南木曽町読書1380-6
電 話 0264-57-2655
交通機関 長野自動車道塩尻ICから国道19号線などで約70km(東京方面から)
中央自動車道中津川ICから約35km(推定)
JR中央本線南木曽駅からタクシーで15分
施 設(日帰り用) 食事処(かけそば700円)、駐車場
宿 泊 6室 10,000円~13,000円(詳しくはHP参照)
泉 質 単純弱放射能冷鉱泉(7.6℃ 9.4ℓ/分 pH5.6)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
立ち寄り入浴時間 10時~20時
定休日 無休
入浴料金 大人 800円 小人 400円
入浴施設 内湯男女各1
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ有り
観光スポット 柿其渓谷、田立の滝、馬篭・妻籠・三留野・木曽福島・奈良井等の旧宿場、寝覚ノ床、御岳ロープウエイ、木曽馬の里
お土産・食事 館内で食事可
近くの温泉 南木曽温泉郷、富貴畑高原温泉郷阿寺温泉、桟温泉、灰沢鉱泉、木曽福島温泉、木曾御嶽温泉、濁河温泉、鹿の瀬温泉、木曾温泉、御嶽明神温泉
南木曽町HP
観光協会HP
いち川HP
http://www.town.nagiso.nagano.jp/
http://www.nagiso-town.ne.jp/
http://www.kakizore.jp/index.html
雑記帳

木曽といえば「木曽駒」とともに「木曽五木(きそごぼく)」を思い浮かべる。
木曽五木とは江戸時代に尾張藩により伐採が禁止された木曽谷の木。ヒノキ・アスナロ・コウヤマキ・ネズコ(クロベ)・サワラの五種類の常緑針葉樹林のことを指す。木曽節にも唄われている。

データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

柿其温泉は明るく開けた山間にある。

温泉名 : 柿其(かきぞれ)温泉
施設名 : 渓谷の宿 いち川 (2009年4月27日)

馬篭での珍しいキノコの蕎麦が本当に美味しかった。

島崎藤村ゆかりの馬篭宿

馬篭宿での木曽路風景

柿其温泉 渓谷の宿 いち川 (長野県)