風呂は、内湯2ヶ所に露天風呂が1ヶ所で、男女交代制になっている。
自家源泉を持ち、風呂はすべて掛け流しだが、大きな露天風呂や檜の大浴場を売りものにしているわけではない。
内湯はいずれも細かなタイルを床にも風呂にもはりつけたクラッシクなもので、窓の上部に埋め込まれた原色の鮮やかなステンドグラスが湯面に映り込んで揺れる。
風呂は両方ともそれほど大きくないが、客室数が少ないので、これでも混み合うことはないようだ。
温泉は敷地内で自然湧出している「含硫黄ーナトリウム・カルシウムー硫酸塩温泉」、pH8.9で90.8℃の高温泉である。
野沢温泉は共同浴場が13ヶ所もあり、住吉屋からすべて徒歩で回れる範囲に点在している。
これらの共同浴場は江戸時代から続く湯仲間という制度で守られてきたもので、源泉100%掛け流し、管理もきちんとなされ、浴室・温泉・風呂はいつも清潔に保たれている。
住吉屋に早めにチェックインすれば、外湯を巡る時間もたっぷりある。
温泉街のマップを片手に、2、3ヶ所の外湯巡りをお薦めする。
利用時間は4月〜11月が午前5時〜午後11時まで、12月〜3月は午前6時〜午後11時まで。
尚、入浴に際して、大湯には薬師三尊、その他の浴場には12神将が祀られているので、地元へのお礼を兼ねて心ばかりのお賽銭を投じておきたい。
住 所 | 長野県下高井郡野沢温泉村豊郷8713 |
電 話 | 0269ー85ー2005 |
交通機関 | 上信越自動車道豊田飯山ICから国道117号線等で約20km JR飯山線戸狩野沢温泉駅からのざわ温泉交通野沢温泉行きで20分、野沢温泉下車 |
施 設(日帰り) | 日帰り入浴不可 |
宿 泊 | 14室(全室和室 T付10室、BT付4) 宿泊料金:2名以上 17,000〜22,000円(税別)、(税込18,000〜23,250円) |
泉 質 | 含硫黄ーナトリウム・カルシウムー硫酸塩温泉(pH8.9 90.8℃) |
適応症 | 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間 | 宿泊者 午後1時〜翌朝10時まで |
定休日 | 無休 |
入浴料金 | 日帰り入浴不可 |
入浴施設 | 内湯男女各1 露天風呂1 {男女交代制) |
観光スポット | 近隣:麻釜など温泉街散策、おぼろ月夜の館[斑山文庫]、日本スキー博物館 善光寺、妙高高原、黒姫高原、戸隠高原 |
お土産・食事 | 土産:本場の野沢菜 上記の「新杵製菓」の温泉まんじゅう 食事は温泉街に多数 |
近くの温泉 | 馬曲温泉、松之山温泉、秋山郷の温泉、赤倉温泉、新赤倉温泉、妙高温泉、関温泉、燕温泉、渋湯田中温泉郷 |
野沢温泉村HP 観光協会HP 旅館組合HP 住吉屋HP |
http://www.vill.nozawaonsen.nagano.jp/gyosei/ http://nozawakanko.jp/ http://nozawa.jp/ http://www.sumiyosiya.co.jp/ |
雑記帳 | ようやく野沢温泉宿泊が実現した。 宿は「住吉屋」「常盤屋旅館」「旅館さかや」の何れにするか迷った。風呂なら後の2つの方が魅力的だ。 最後は愛犬がらみで決定。 住吉屋は宿の真ん前に駐車場があること。後の2旅館は、大湯の周りの駐車場が確保しにくいロケーション。 電話で「駐車場が宿敷地内にありますか?」と聞くのが面倒で、住吉屋に予約を入れた。。 |
共同浴場
地元野沢温泉の祝い膳である取り回し料理3品、素朴ながらけっこう手間がかかる料理とのことだが、とても美味しかった。
全般に季節感を演出した胃にもたれないライトな料理を地味な器に盛り、我々の年代にはとてもうれしい夕食だった。
食事処
山菜天麩羅(こごみ・行者大蒜・山独活)
酢の物(山ふぐ=こんにゃく)
止め椀+こしあぶら御飯
夜食用(多分)の野沢菜巻き・・・お品書きにない)
デザート(寄せゼリー・キウイ)
箸付+前菜
汁物(若布魚素麺)
向付(信州サーモン昆布〆)
焼物(和牛香焼)
預鉢(旬菜炊合せ)
木耳と牛蒡の油炒め
いもなます
塩煮いも
ステンドグラスの大浴場(写真は住吉屋HPから借用)。奥に露天風呂。
●取り回し鉢
部屋は左記した新館の「初雪」で14畳にいろり付き広縁、トイレ・風呂・洗面所は独立して大変広い部屋だった。風呂はタイル張りの立派なもので温泉が引いてある(一度も利用せず)。料金は平日1室2人宿泊で税別@20,000円。
野沢温泉のシンボル麻釜の真ん前にある住吉屋。
朝 食
部屋に置いてある源泉
共同浴場の大湯と並んで野沢温泉のシンボルである麻釜(おがま)の真ん前に、明治2年開業の老舗旅館である住吉屋が立つ。
本館は木造3階建で築後100年以上経過しているが、丹念に改装・手入れがなされているので、古さは感じず木造家屋ならではの温もりと清潔感が漂っている。
この宿の魅力は、細やかなもてなしの精神だ。
例えばチェックインの時間に注目したい。
住吉屋のチェックインは12時(正午)であり、しかもチェックアウトは午前11時、23時間滞在することが出来る。
これまで12時にチェックイン出来る宿とは出会った記憶が無い。
(午後1時では和歌山県湯の峰温泉あづまや等)
一方、野沢温泉の名門旅館の「さかや」は午後3時、常盤屋旅館は午後2時である。
風 呂
野沢温泉は坂道の路地を挟んで宿が並ぶ
料 理
夕食・朝食とも食事処で取る。部屋食を好まない我々には嬉しい。
夕食には、住吉屋名物の素朴な郷土料理の取り回し鉢がつく。朝食には手間がかかる土筆(つくし)の佃煮が出され、自分の幼少時、母が土筆の袴を一つ一つ取っていたのが懐かしく思い出された。
村のホテル住吉屋は、各種温泉宿ランキングで、常に上位に選考されている人気の宿だ。
最近では、「自遊人 2009年9月号 温泉宿大賞」で堂々の7位にランクインされている。
風呂自体に格別の魅力が無いのに不思議に思える。
これは、ひとえに宿泊客の立場に立ったきめ細やかなサービスによるものだろう。
・客室が14部屋なので宿泊客1人1人に目が届き、きめ細かなサービスが可能。
・チェックインが12時と信じられない早さ(チェックアウトが午前11時なので23時間滞在できる)。
・夜と朝の食事が客室でなくて食事処にして部屋のプライバシーに配慮してる。
・取り回し鉢などの素朴な地元の料理を供するとともに、コースの料理も女性に評判が良い。
・それに野沢温泉のシンボルである麻釜の真ん前という絶好のロケーション
などが一体となった評価の結果と思われる。
部屋に置いてある飲用の源泉
一度も使わなった温泉を引いた部屋の風呂。
鮮やかな原色のステンドグラス。
大きな岩を配した露天風呂は5,6人入れる大きさ。
細かなタイル張りの2つの風呂はクラッシックな風情があり、原色のステンドグラスが映り込む。湯の温度はやや高めだ。