伊豆市は、2004年4月1日付けで「修善寺町・土肥町・天城湯ヶ島町・中伊豆町」が合併した新しい市である。
合併により、伊豆市はロケーションも雰囲気も異なる有名な温泉地、「修善寺温泉」「土肥温泉」「湯ヶ島温泉」「嵯峨沢温泉」などを有する一大温泉市となった。
修善寺や湯ヶ島が内陸部にあるのに対し、土肥(とい)は駿河湾に面し、堂ヶ島と並んで西伊豆を代表する温泉地である。
西伊豆はリアス式の美しい複雑な海岸線を持ち、有料道路もなくアクセスしにくい地方ではあるが、それだけに観光地化されていない落ち着いた雰囲気を持つ。
かって土肥は日本有数の金の産出地だった。
土肥金山は、江戸時代に第一期黄金時代を、明治時代から昭和にかけて第二期黄金時代を迎え、佐渡金山に次ぐ生産量を誇り、その推定産出量は、金40t、銀400tであった。
昭和40年に閉山し、その後は観光坑道として利用されており、観光施設「土肥金山」では、世界一と言われる5kgの金塊(時価5億円)が展示されている。
施設名 : 大藪区共同浴場 弁天の湯 (入浴日:2012.12.4)
住 所 | 伊豆市土肥61−3 |
電 話 | 0558−98−1807 |
交通機関 | 東名高速道路沼津ICから国道136号線などで約50km 伊豆箱根鉄道修善寺駅からバスで約1時間 |
施 設(日帰り) | 湯上り処 駐車場 |
宿 泊 | 不可 |
泉 質 | カルシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物泉 |
適応症 | 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間(日帰り) | 10時〜20時30分(夏季・正月変更有り) |
定休日 | 第2火曜日 |
入浴料金 | 大人 500円 子供 300円 |
入浴施設 | 内湯男女各1 露天風呂男女各1 |
観光スポット | 土肥金山、恋人岬、旅人岬、沼津御用邸記念公園、堂ヶ島洞窟巡り、松崎散策、沼津市若山牧水記念館、天城周辺 |
お土産・食事 | 温泉街に多数。 |
近くの温泉 | 戸田・宇久須・堂ヶ島・松崎・岩見・船原・修善寺他の天城温泉郷・大仁・伊豆長岡・河津温泉郷 |
伊豆市HP 観光協会HP 土肥温泉HP |
http://www.city.izu.shizuoka.jp/ http://www.izushi.info/ http://www.toi-annai.com/ |
斜面と道路の間の狭い敷地に建てられている。駐車場は反対側の港内敷地にある。
狭いが湯上がり処もある。
弁天の湯は西伊豆最大の温泉地・土肥温泉の四つある共同浴場の一つで、土肥港の目の前にあり、小さいが露天風呂もある。
前日、堂ヶ島温泉(ニュー銀水)に宿泊、帰路のルート上にある土肥温泉に立ち寄り、一番最初に見つけた当館で入浴した。
上述した通り土肥温泉には4ヶ所の共同浴場があるが、弁天の湯は、温泉街から観光スポットの旅人岬に向かう途中、土肥港の一角にあり、すぐ近くに館名となっている大藪弁天神社がある。
ここは大藪地区が管理・経営する2階建の施設で、1階は公民館・老人憩いの家、2階に弁天の湯が設けられている。
館内に入ると、いかにも共同浴場の雰囲気が漂う湯上がり処があり、自動発券機に500円を入れて入浴券を求める。
内湯は詰めて4人の小さい浴槽だが、清潔感漂う石造りだ。
浴槽から湯が静かに溢れ出ており、おそらく循環との併用だろう。
因みに土肥温泉のHPによれば、4ヶ所の共同浴場の中で楠の湯と元湯温泉は掛け流しと明示されている。
共同浴場にしては珍しく、小さいながらも露天風呂が設けられている。
泉質はカルシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物温泉で、泉温は54.3℃で加水加温無し、さっぱりした肌ざわりだった。
土肥温泉は西伊豆の温泉の中で戸田温泉とともに一番北にあり、以下、宇久須・堂ヶ島・松崎・岩見と南伊豆に至るまでの海岸線に温泉が連なっている。
中でも土肥温泉は歴史が一番古く、江戸時代初期、金山開発で湧き出たとされる「まぶ湯」が温泉の起源と言われている。
また規模においても西伊豆で最も大きく、旅館・ホテルが30軒余りの他、民宿・ペンションを含めると50軒以上の宿泊施設がある。
ここにある4つの共同浴場(弁天の湯・尾形共同浴場・楠の湯共同浴場・元湯温泉)では、地元の人に交じって入浴することが出来る。
土肥温泉は、また、吟遊歌人・若山牧水ゆかりの温泉地でもある。
彼は対岸の沼津の自然を愛し、そこに住居を構えたが、ここ土肥に延べ100泊し、150を越える詩歌を詠った。
土肥温泉の松原大橋の袂には、駿河湾に向かって彼の銅像が置かれている。
詰めて4人の浴槽。温泉が縁から流れ出ていた。
土肥港、前方には旅館・ホテルが立ち並んでいる。
西伊豆の海岸から見る世界文化遺産・富士山。