土肥温泉 元湯温泉 (静岡県)

土肥温泉には4軒の共同浴場があり、元湯温泉は、その名の通り、最も源泉に近い所にある地元密着型の素朴な施設だ。脚を折ってようやく4人が入れるタイル張りのシンプルな浴槽、入浴料金も300円と格安だ。キシキシ感が強い硫酸塩温泉が掛け流しで落とされている・

土肥温泉には、元湯温泉の他に素朴な3ヶ所の共同浴場があり、他に日帰り入浴が出来る旅館・ホテルが6軒ある。

土肥温泉は西伊豆の温泉の中で戸田温泉とともに一番北にあり、以下、宇久須・堂ヶ島松崎・岩見と南伊豆に至るまでの海岸線に温泉が連なっている。

中でも土肥温泉は歴史が一番古く、江戸時代初期、金山開発で湧き出たとされる「まぶ湯」が温泉の起源と言われている。

規模においても西伊豆で最も大きく、旅館・ホテルが20軒余りの他、民宿・ペンションを含めると50軒近い宿泊施設がある。
ここにある4つの共同浴場(弁天の湯・尾形共同浴場・楠の湯共同浴場・元湯温泉)では、地元の人に交じって入浴することが出来る。

土肥温泉は、また、吟遊歌人・若山牧水ゆかりの温泉地でもある。
彼は対岸の沼津の自然を愛し、そこに住居を構えたが、ここ土肥に延べ100泊し、150を越える詩歌を詠った。
土肥温泉の松原大橋の袂には、駿河湾に向かって彼の銅像が置かれている。

伊豆市は、2004年4月1日付けで「修善寺町・土肥町・天城湯ヶ島町・中伊豆町」が合併した新しい市である。
合併により、伊豆市はロケーションも雰囲気も異なる有名な温泉地、「修善寺温泉」「土肥温泉」「湯ヶ島温泉」「嵯峨沢温泉」などを有する一大温泉市となった。

修善寺や湯ヶ島が内陸部にあるのに対し、土肥(とい)は駿河湾に面し、堂ヶ島と並んで西伊豆を代表する温泉地である。

西伊豆はリアス式の美しい複雑な海岸線を持ち、有料道路もなくアクセスしにくい地方ではあるが、それだけに観光地化されていない落ち着いた雰囲気を持つ。

かって土肥は日本有数の金の産出地だった。
土肥金山は、江戸時代に第一期黄金時代を、明治時代から昭和にかけて第二期黄金時代を迎え、佐渡金山に次ぐ生産量を誇り、その推定産出量は、金40t、銀400tであった。

昭和40年に閉山し、その後は観光坑道として利用されており、観光施設「土肥金山」では、ギネスブックにも登録された重量世界一、250kg(12億円)の金塊が展示されている。

上記の通り、土肥温泉には4ヶ所の共同浴場がある。
元湯温泉は、温泉街の東の外れ、国道136号から一筋裏側の細い地元道路沿い、その名の通り源泉に最も近い所にある。
もう一つの共同浴場、土肥神社に隣接する楠の湯(馬場共同浴場)もすぐ近くにある。


表通りでなく、住宅街に紛れてあるので、うっかりすると通り過ぎてしまうが、駐車場があるので、安心して車を停められる。

外見も内部も典型的な地元密着型の素朴な造りだ。
暖簾をくぐって中に入り、小型の入浴券自動販売器に300円を投下し、出てきた券を係の人に渡す。


風呂は、2mx1m50位の小さな浴槽で、詰めれば4人がようやく入れる小さなものだ。カランはあるが、シャンプー類は置いてない。泉質はキュキュ感があるカルシウム・ナトリウムー塩酸塩・塩化物温泉が掛け流しで落とされている。

水曜日が休館、営業時間は14時〜21時30分(受付21時終了)、料金は大人300円だ。

施設名 : 元湯温泉 (入浴日:2017.12.8)

海岸にホテル・旅館が立ち並ぶ土肥温泉。オーシャンビューが望める旅館の方が料金が高い。

所在地 : 伊豆市土肥(とい)
住 所 静岡県伊豆市土肥1053−5
電 話 0558−98−0034(芹沢商店)
交通機関 東名高速道路沼津ICから伊豆縦貫道・修善寺道路・国道136号線などで1時間10分
伊豆箱根鉄道修善寺駅から東海バスで45分水口下車
付属設備 駐車場
宿 泊 不可
泉 質 カルシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間(日帰り) 午後2時〜午後9時30分(受付終了9時
定休日 毎週水曜日
入浴料金 大人 300円 子供 200円
入浴施設 内湯男女各1 露天風呂男女各1
観光スポット 土肥金山、恋人岬、旅人岬、沼津御用邸記念公園、堂ヶ島洞窟巡り、松崎散策、沼津市若山牧水記念館、天城周辺
お土産・食事 温泉街に有り。
近くの温泉 戸田・宇久須・堂ヶ島・松崎・岩見・船原・修善寺他の天城温泉郷・大仁・伊豆長岡・河津温泉郷
伊豆市HP
観光協会HP
土肥温泉HP
http://www.city.izu.shizuoka.jp/
http://www.izushi.info/
http://www.toi-annai.com/
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前に当該施設のHPなどでご確認ください。)

弁天の湯

楠の湯(追って掲載)

温泉名 : 土肥(どい)温泉

地元密着型の共同浴場で、地元の住宅に紛れてひっそり佇んでいるが、駐車場があるので、外来者も安心して停められる。

浴室も浴槽もタイル張り。2mx1.5m、脚を畳んで4人が入れる。時期によって源泉温度が高いので加水をすると紹介されていたので、高温を覚悟してたが、飛び出るくらいの激熱ではなかった。

屋形共同浴場

西伊豆の海岸から見る世界文化遺産の霊峰・富士山。