三瓶山周辺には、温泉好きに知られた秘湯と言うべき小さな温泉地が点在するが、その中の白眉、小屋原温泉熊谷旅館に立ち寄った。温泉成分が厚く堆積した美しい4つの貸切風呂に、大分県の長湯温泉や七里田温泉と並ぶ温い泡付き炭酸泉が掛け流しで注がれる。温泉好きには鳥肌が立つたまらない風景だ。


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炭酸を一番感じる風呂らしい。

入浴出来るのは1ヶ所のみだが(1時間)、当日、立ち寄り湯での入浴者は幸運にも私一だけ。
何はともあれ着衣のまま4ヶ所の風呂の撮影を始めたが、あいにく1ヶ所に使用不可の貼紙があり撮影出来なかった。

風呂は2人〜4,5人程度の小さめで、温泉成分が付着した風呂と床の不思議な文様がなんとも美しい。

温泉の温度は何れも35℃〜37℃(推定)と人肌程度、ぬる湯好きの私にはたまらない(先ずは3ヶ所各1分で浸からせて頂きました)。

泉質は、含二酸化炭素ーナトリウム・マグネシウムー塩化物炭酸水素塩泉。泉温は37.6度C pH 6.0,、色はほぼ無色透明、 臭いは炭酸臭(らしい)、味は、塩味+出汁味、味噌をほんの少し足せば美味しい味噌汁が出来るように感じられた。

三瓶山は、出雲と石見を分ける国境の山だ。
標高1126mの男三瓶を中心に女三瓶、子三瓶、孫三瓶など6つの山が環状に連なっていて、山麓には上の写真のようななだらかな高原が広がっている。

三瓶山周辺には、温泉好きを惹きつける小さな温泉群が点在する。
三瓶山の南麓、標高500mの高原には三瓶温泉、さらにその南には千原温泉、西麓には湯抱温泉、北西麓、野城川の浅い渓谷沿いに一軒宿の小屋原温泉がある。

一般的な知名度は低い温泉群だが、何れも珠玉の温泉で、中でもここ小屋原温泉の一軒宿・熊谷旅館は知る人ぞ知る秘湯の宿だ。

ただルートを間違えると冷汗ををかくことになるので、ナビを信用せず、事前にネットで調べてから向かうことをお薦めする。

住 所 島根県大田市三瓶町小屋原1014−1
電 話 0854−83−2101
交通機関 中国自動車道三次ICから国道54号線等で約50km
JR山陰本線太田市駅から三瓶行きバスで約30分、新池田停留所下車(バス停から送迎車有り)
施 設(日帰り) 湯上が処 駐車場
宿 泊 5室 料金は9000円前後(詳細は宿にご照会ください、HP無し)
泉 質 含二酸化炭素・ナトリウム・マグネシウムー塩化物・炭酸水素塩泉(pH6.0 湧出量30・8リットル/分)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 9時〜19時(不定休が多く、宿泊客が多い時は入浴を断られるようだ。道が狭いので明るい内に入浴を終えるように)
定休日 不定休(事前に電話確認することをお薦めする)
入浴料金 大人 500円(入浴出来る風呂は1ヶ所、1時間以内に出ることを言われた)
入浴施設 貸切内湯 4ヶ所(宿泊者4ヶ所無料。立ち寄りの場合は1ヶ所1時間)
浴室備品 シャンプーかボディソープと石鹸を一ヶ所の浴室で見かけた。
ロッカー類は無し。
観光スポット 石見銀山・三瓶山・羅漢寺・小豆原埋没林公園・出雲大社
お土産・食事 館内では不可 付近にも無し。
近くの温泉 三瓶温泉、湯抱温泉・千原温泉・・池田ラジウム温泉・海潮温泉・湯迫温泉
太田市HP
観光協会HP
http://www.city.ohda.lg.jp/
http://www.visit-ohda.jp/
雑記帳 三瓶山周辺の小さな温泉群は、どこも魅力たっぷりの珠玉の温泉だ。
今回の一人旅で、複数の宿で立ち寄りを断られた湯抱温泉で入浴出来なかったのが唯一の心残りだ。
温泉名 : 小屋原(こやはら)温泉

藤田さんが一押しの風呂(左右)。五感が鈍感な私には風呂毎の温泉の違いが分からない。大分県の長湯温泉・七里田温泉と並ぶ炭酸泉で、小さな泡が体に付着するそうだが観察を怠った。細かな茶色の湯の華が舞っていて僅かに白濁、油膜のようなものも見られた。

三瓶山は火山活動によって形成された山で、溶岩円頂丘と呼ばれる。

データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

源泉に近く、湯船が小さいので一番新鮮な温泉だそうだ。

施設名 : 熊谷(くまがい)旅館 (入浴日:2010.4.2)  

さっぱりした飾り気のない玄関。

「三瓶温泉へ行く道から向かう」を頼りに、それほど怖い目に合わずに無事到着した。

所在地 :大田市三瓶町小屋原  

大田市は島根県の東西中央部に位置し、日本海に面する。松江市からは約70q、浜田市からは約65q、広島市からは約130qの距離にある。

本地域の北部は日本海に面しているが、急峻な中国山地が海岸に迫っているため山林原野が多く、平坦地が少なくなっている。
中央部には平成19年7月2日に日本では14番目、鉱山・産業遺跡としては初の世界(文化)遺産に登録された石見銀山遺跡がある。

また、南東部には大山隠岐国立公園に属する三瓶(さんべ)山(1126m)が特異な山容を見せている。
ランクC火山に指定される三瓶山の男三瓶山北麓に広がる自然林は、「三瓶山自然林」として国の天然記念物に指定されている。
地質的には白山火山帯に属することから、温泉津や三瓶などの温泉に恵まれている。

温泉成分が付着・変色した蛇口。

湯上がり処?

静かに温泉が溢れ出てる。

簡素な脱衣所だが清掃は行き届いていた。

この廊下の右側に4ヶ所の貸切風呂が並ぶ。

近くを流れる野城川の浅い渓谷。

熊谷旅館はホームページが無く、また(あるかどうか分からないが)パンフレットも手元にないので、旅館の詳しい状況は分からない。
部屋数は僅かに5室、満室にはせず2〜3組しか予約を受けないようだ。宿泊料金は9000円程度と思われるが、最新・詳細情報は電話で確認されたく。
尚、実際に宿泊した上記の「しおりさん」の記事や同じく相互リンクしているAll Aboutの温泉旅行博士藤田 聡さんの記事も参照ください。

風呂は大浴場や露天風呂が無く、中小の貸切風呂が4ヶ所ある。
宿泊すればもちろん4ヶ所で入浴出来るが、立ち寄り湯の場合は、入浴料500円で何れかの風呂1ヶ所1時間の制限が付く。

風呂は何れも加温無しで35℃〜37℃程度と温く、30分や1時間は楽に入っていられるので、土日などはかなり混雑して入れなかったり、宿泊客が多い場合は入浴を断られたりするので注意が必要だ(事前に電話確認しておいた方がベター)。

温泉が作った美しい文様。

ここに宿泊したくて電話をしたが、応対してくれた年輩(と思われる)の女性の要領を得ない応対で、結局予約を取れず、代りに三瓶温泉 国民宿舎さんべ荘に宿泊して、こちらへは立ち寄ることにした(実際に会ったら素朴で親切なおばさんでした)。

今回気を使ったのが熊谷旅館へのアクセスだ。
相互リンクしているしおりさんの記事にこんな記述があったからだ。
「私たちが今回島根県で一番楽しみにしていた温泉でもある。
小屋原温泉へ宿泊したのは島根県へ到着して1日目。道の選択を間違え反対側から来たらそうでもなかった道が半端ではない山道を通る事に。

しかし次の日、反対側から帰って撃沈。こんなに走りやすい道だったのかと・・・。
道の選択は要注意。三瓶温泉へ行く道の方から向かう事をお勧めする。

小屋原温泉 熊谷旅館 (島根県)