草津温泉 大滝乃湯 (群馬県)

日本一の自噴温泉量を誇る草津温泉。湯治場としての歴史が長い草津温泉にあって、昔ながらの入浴方法「合わせ湯」で湯治が出来る日帰り施設「大滝乃湯」に立ち寄った。床も壁もそして浴槽も木造の「合わせ湯」に、白濁した硫黄泉が満たされた風情は素晴らしかった。

湯畑中流、,ここで温泉成分を採集する。

周囲の旅館・土産屋・食事処・共同浴場等が立ち並ぶ。

リニューアルオープンされた熱の湯。ここで、湯揉みショーが行われる。

合わせ湯

草津温泉は思いがけない高所に在り、草津のシンボル・湯畑には「ここの標高は1,156m」と彫られた石の標識が置いてある。

その草津だが、温泉の湧出量・泉質、旅館の質量、温泉情緒、外湯・共同浴場といった「温泉力」という視点で、日本一の温泉地と言っていいだろう。その具体的理由として次のようなものが挙げられる。

●万代・湯畑・西の河原・白旗など、周辺を除く温泉地内だけの源泉で日本一の自噴湧出量があり、しかもすべて加温不要の高温泉である。(草津が約23,300リットル/分、続く別府は15,200リットル)

●1円玉が1週間で消滅するというpH2前後の強酸性温泉とその効能。

●さまざまな形態の宿が150軒もあり、すべての宿がかけ流し。

●掛け流しの共同浴場が19ヶ所もある(但し、外来利用者のマナー問題で3ヶ所しか利用できなくなった)。

●時間湯・湯もみといった温泉文化が継承されている。

草津町は人口約7,600余り、群馬県の北西部に位置し、東西9km・南北8km、北と西には三国山脈の2,000m級の山々がそびえ、東と南は海抜約1,200mの高原となって開けている。

町は日本列島のほぼ中央に位置しており、上信越高原国立公園に含まれる草津白根山周辺は、太平洋と日本海の分水嶺となっている。

それを縫うようにして、町の北西には志賀草津道路の別名を持ち、国道として最も高い峠・渋峠を通過し、大パノラマを楽しみながら志賀高原に抜ける国道292号(冬季閉鎖)が走っている。

沿線沿いにはコバルトブルーの神秘的な湯釜を持つ活火山の白根山、複数の宿がある温泉地としては、もっとも標高が高い万座温泉が湯煙を上げ、やや離れて南には日本一の避暑地・軽井沢そして鬼押し出しで有名な浅間山がある。

この二つの活火山に挟まれた草津温泉は、日本を代表する大温泉地である。

内湯から続く石垣に囲まれた露天風呂。こちらもかなりの大きさで、館名に因んだ細い滝が落されている。ここのHPによると、毎月第二第四土曜日は、配湯管に溜まった湯の花を掃除するため、落される湯が一気に白濁するそうだ。

外来客も入浴出来る共同浴場・白旗の湯

2013年春にオープンした「御座之湯」。

湯畑に通ずる温泉街。この店は温泉饅頭を丸ごと、気前よく配るので有名。

施設名 : 大滝乃湯 (入浴日:2015年7月13日)

一番温い38℃の浴槽から見た高温(45℃〜46℃)浴槽2ヶ所。浴室内がすべて木造なことが一目瞭然、床が転倒予防の造りになっている。

所在地 : 吾妻郡草津町

草津温泉には、18ヶ所の共同浴場(現在は3ケ所のみ外来者入浴可ー白旗の湯・千代の湯・地蔵の湯))の他に、規模の大きい日帰り温泉施設が6軒ある。
即ち御座之湯、西の河原露天風呂、テルメテルメ、、草津ビッグバス、草津温泉館、そしてここ大滝乃湯である。


大滝乃湯は、草津の温泉街の東の外れ、車だと分かり難い所にあるが、草津の温泉力を最大限に生かしきった日帰り温泉施設だ。

設備の整った施設で、食事処やカフェ・ラウンジ、土産物売店、有料・無料休憩所やマッサージコーナーもある。

風呂は、男女別の内湯と露天風呂、それに加えて、草津が湯治場であった昔から続く伝統の入浴方法、「合わせ湯」が出来る浴室が男女別にある。

源泉は、ここと共同浴場の煮川乃湯のみで使用している煮川源泉で、泉質は、強酸性の含硫黄ーアルミニウムー硫酸塩・塩化物温泉だ。

(下図は大滝乃湯のHPから借用)

古くから草津に伝わる入浴方法「合わせ湯」をここで体験できる。
合わせ湯専用の浴室が別にあり、男性用は5個の浴槽、女性用は4個の浴槽が設けられている。
各浴槽の設定温度は、加水することなく調節した38℃〜46℃で、低い方から順番に浸かって行く。

20人が一度に入れる大きな内湯。経時とともに、硫黄分が酸化して白濁する。

pH2.15の強酸性泉、かつ高温浴槽が複数あるので全ての浴槽で長湯は出来ない。湯治慣れの常連さんが、何人も「トド」をしていた。

住  所 群馬県吾妻郡草津町大字草津596−13
電  話 0279−88−2600
交通機関 関越道渋谷伊香保ICから国道353・145.292号線で60km
上信越道碓井軽井沢ICから県道43・国道146・292号線で55km
(道路状況・景色などから、軽井沢経由がお勧め)
JR長野原草津口からJRバス(25分)
JR軽井沢から草軽バス(80分)
施  設(日帰り用) 食事処、喫茶ラウンジ、無料・有料休憩所、マッサージ、
宿  泊 不可
入浴時間 9時00分〜19時(受付最終18時)
定休日 年中無休
泉 質 含硫黄ーアルミニウムー硫酸塩・塩化物温泉(45℃ pH2.15)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴料金(日帰り) 大人900円
入浴施設 内風呂:男1女1 露天風呂:男女各1 合わせ湯:男女各1 貸切風呂1
浴室備品(日帰り) シャンプー、ボディソープ、ロッカー、ドライヤール
観光スポット 湯畑、西の河原、熱の湯(湯もみショー)、ベルツ記念館、片岡鶴太郎美術館、軽井沢、浅間山(鬼押し出し)、白根山(湯釜)

草津から万座・志賀高原に続く国道292号線(志賀草津道路)は、雄大な山並みを縫うように走る快適な山岳道路。途中、有毒ガスが発生して立ち入り駐車禁止の殺生河原、日本百名山の一つである白根山(コバルトブルーの湯釜が素晴らしい)、国道の中では最も高い「渋峠」を通過して行く、日本有数の大パノラマ山岳道路だ。
お土産・食事 温泉街に食事処・土産物屋多数
近くの温泉 草津温泉の数多い外湯巡り(西の河原、大滝乃湯、テルメテルメ、草津ビッグバス、白旗の湯、千代の湯、地蔵の湯等)
万座温泉尻焼温泉、花敷温泉、湯の平温泉沢渡温泉、川中温泉(日本三美人湯の一つ)など多数
草津町HP
観光協会HP
旅館協同組合HP

大滝乃湯HP
http://www.town.kusatsu.gunma.jp/
http://www.kusatsu-onsen.ne.jp/
http://www.yumomi.net/
http://ohtakinoyu.com/
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前に当該施設のHPなどでご確認ください。)。

浴室内は、浴槽を含めてすべてしっとりした木製、ほの暗い照明、風呂好きには堪らない雰囲気だ。

湯畑の上手の湧出地。硫黄分のためだろう、一面白くなっている。
周囲を、旅館、土産物屋、食事処、共同浴場などが囲んでいて、「これぞ温泉街」の風情を醸し出している。

自噴日本一の湯量を誇る草津温泉のシンボル、湯畑。これだけ豪壮な源泉風景を間近で見られうのはここ位だ。

温泉名 : 草津温泉