万座温泉は白根火山帯西麓と万座山の谷間にあって、海抜1,800メートルの高度にあり、一帯は上信越国立公園内にある。
これだけの高所に、10軒ほどの旅館・ホテルが立ち並ぶ温泉地は、万座温泉と岐阜県・御嶽山(3067m)の山腹にある濁河(にごりご)温泉しかない。
旅館街の反対側、木一本生えていない荒々しい谷間には、万座のシンボルである「空吹き」と呼ばれる硫化水素の白い煙が、常時吹き上がっている。
源泉は湯畑をはじめ数多く、泉質も厳密に言えば20種類を超えるが、強酸性で青味がかった乳濁色の硫黄泉が代表的な泉質だ。
温泉湧出量は1日に540万リットルという大変な数字で、これだけの湧出量があれば、もっと旅館やホテルが増えてもよさそうなものだ。
しかし、活火山である白根山やこの一帯の噴火・有毒ガスの大量噴出で、ここから退避するリスクがあるので、本格的な建造物や新設が手控えられていると、草津温泉で聞いたことがあるが、果たして真実かどうかは定かではない。
住 所 | 群馬県吾妻郡嬬恋村大字干俣万座温泉2401 |
電 話 | 0279−97−2525 |
交通機関 | ・関越自動車道渋川・伊香保ICから国道17・353・145・292線等で約90km(志賀 草津道路利用、但し、この道路は冬季閉鎖) ・上記ルート、国道145号線でさらに西まで行って、万座ハイウェーに乗るコースが一般的 ・上信越自動車道碓氷軽井沢ICから県道43号線、国道18・146号線、鬼押ハイウェー、万座ハイウェーで約70m ・長野新幹線軽井沢駅から西部・JRバスで1時間40分 ・JR吾妻線万座・鹿沢口駅から西武高原バス万座汪リンスホテル方面行きで40分 |
施 設(日帰り) | 休憩所、駐車場 |
宿 泊 | 40室 2食付き6,000円〜8,500円 繁忙期は加算 素泊まり・湯治は別料金。最新詳細情報はこちら参照。 |
泉 質 | 含硫黄-ナトリウム-硫酸塩温泉 (pH2.2、泉温68.2℃) |
適応症 | (不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間(日帰り) | 8時〜18時 |
定休日 | 年中無休 |
入浴料金 | 大人500円 |
入浴施設 | 内湯:男1女1 露天風呂:混浴1女1 |
浴室備品 | シャンプー、ボディソープ、ロッカーの有無未確認 |
観光スポット | 白根山(湯釜)、空吹き展望台、弓池ハイキングコース、鬼押出し、軽井沢、志賀高原、スキー(冬季) |
お土産・食事 | 軽井沢に店舗多数。 車ならば嬬恋村のキャベツ、レタス、じゃがいも等が喜ばれる。 |
近くの温泉 | 草津温泉、鹿沢温泉、尻焼温泉、志賀高原の温泉、湯田中温泉郷、信州高山温泉郷等多数 |
嬬恋村HP 万座観光協会HP 豊国館HP |
http://www.vill.tsumagoi.gunma.jp/ http://manzaonsen.gr.jp/ http://www.houkokukan.com/ |
硫化水素の噴煙が舞い上がる空吹きが見える。30人が一度に入れる大きさだ。
丸太をくりぬいた湯口。強酸性の硫黄泉の為金属類は使えない。
標高1800m、遮るものが何もなく爽快だ。
嬬恋村は群馬県北西部に位置し、浅間山・白根山など標高2,000m級の山々に囲まれた高原地帯である。
村の東側を除いた長野県との県境一帯は上信越高原国立公園に指定されている。
この村は苦難の開拓の歴史を経て、人々は日本でも有数の高原野菜産地に築き上げた。キャベツ、レタス、白菜、じゃがいも・・・特にキャベツは首都圏の需要の80%を賄う大生産地となっている。
また観光資源にも恵まれ、万座・鹿沢など10ヶ所の温泉、6つのスキー場、天明3年の浅間山大噴火の溶岩が固まった鬼押出し園など、四季を通じて観光客・スキー客などで賑わっている。
嬬恋村、なんともロマンティックな村名だだが、その謂われは村のHPに次の通り記してあった。
『日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征中に、海の神の怒りを静めるために愛妻・弟橘姫(おとたちばなひめ)が海に身を投じました。
その東征の帰路、碓日坂(今の鳥居峠)にお立ちになり、亡き妻を追慕のあまり「吾嬬者耶(あづまはや)」(ああ、わが妻よ、恋しい)とお嘆きになって妻をいとおしまれた、という故事に因んで嬬恋村と名付けられました。』
軽井沢方面から万座ハイウエイでやって来ると、一番最初に現れるのが豊国館(ほうこくかん)だ。
冬もスキー客で賑わう万座温泉だが、今なお、湯治客を受け入れている。今でこそ、車であっという間に1800mまで登って来るが、往時はここまで湯治道具を持参してやってくるのは大変な苦労だったろう。
部屋数は全部で40室、その内自炊用が新旧合わせて16室ある。自炊は完全自炊と半自炊(御飯と汁物付き)で3、500〜5,000円、2食付きだと6,000円〜8、500円程度で、繁忙期は若干上乗せされる。
(2013年5月現在)
10軒足らずの万座温泉の宿の中で、温泉通の間で最も泉質が良いと評判なのが豊国館だ。
風呂は男女別の内風呂、露天風呂は混浴・女性用露天風呂が各1ヶ所ある。
自家源泉を有し、泉質は含硫黄-ナトリウム-硫酸塩温泉、pHが2.2の強酸性、泉温が68.2℃の高温泉だ。
硫化水素の含有度が高く危険なので、源泉を溜めてこれを飛ばしてから温泉を落している。
万座温泉は、標高1800m、。複数の旅館がある温泉地としては、岐阜県の濁河温泉と並んで、最も高い場所にある温泉地だ。温泉街は形成されていない。
嬬恋村村域にあって、温泉好きには知られる鹿沢(かざわ)温泉 紅葉館の内湯。 日本温泉協会の温泉利用証で、全国的に稀有な6項目評価がすべて5点の風呂。
施設名 : 豊国館 (入浴日:2012.9.21)
館内は湯治旅館の雰囲気が横溢している。歩くと床がギシギシ鳴った。
床も木造の趣きある風呂は3mx3mくらい。温度は43℃位、白い湯の華が舞っている。強いレモン味がした。
浴槽の切り口から温泉が溢れる。。床の板は滑り止めのために刻みがある。
混浴露天風呂は、9mx3m、1m近い深さがある。切り傷があるとピリピリするに違いない強酸性の温泉だ。
硫黄臭が強く、口に含むと強い酸味、皮膚にとろりとした感覚だ。