風呂の4.9は妥当、料理の4.0と4.2はもう少し高くても良いのでは・・・。

部屋 4.7 風呂  4.9
料理(夕食) 4.0 料理(朝食)  4.2
接客サービス 4.7 清潔感 4.7

**立ち寄り入浴不可**


信州を代表する名湯・野沢温泉の老舗旅館の一つ、旅館さかやに宿泊した。ここは、松田忠則教授の全国温泉旅館ベスト25にランクインした宿で、宮大工による伝統の湯屋建築造りの大浴場が知られている。地元の食材を使い、手間暇かけて仕上げた食事に奥方もいたく満足した。

所在地 : 下高井郡野沢温泉村大字豊郷9329

野沢温泉村は長野県の北部に位置し、南側は毛無山(1650m)を境に木島平村に接し、西は千曲川を隔てて飯山市と境をなし、北と東側は栄村(秋山郷)と接している。

標高差は300mから1、650m迄あり起伏の多い地形になっており、村の50%が山林で上信越高原国立公園に指定されている。
一日の最大降雪量が82cmを記録したこともあり、全国屈指の豪雪地帯である.。

1932年(大正12年)には、村にスキー場が造られ、温泉とスキーを中心とした村づくりが始まっている。
平成10年の長野オリンピックでは、会場の1つとして野沢温泉スキー場が選ばれて、世界的にその名が知られるようになった。

またオリンピックを機に上信越自動車道が延伸され、北陸新幹線が長野市まで開通して、首都圏からの所要時間が著しく短縮された。
鎌倉時代中期の文永9年(1272年)には「湯山村」として登場しており、その頃から温泉が湧き出ていたことが分かる。

先付:トマト豆腐手間暇かけた品。

夕食・朝食とも個室の座敷だが、掘り炬燵式で足が伸ばせる。

お品書きが置いてあったので、これに油断してメモをほとんど取らなかった。
いまこの記事を作成しているが、お品書きの料理名と撮影した写真が繋がらず、かつ、どう見ても供された料理の方が数が多いので、確実なところだけ説明を加えた。

海の幸を使用せず、地元の食材を一手間加えて作った凝った品が多く、家内が何回も美味しいと口にした。
仲居さんの料理の説明も懇切丁寧で、どんな質問にもてきぱき答えてくれて、ただ料理を運ぶ人ではなかった。

また使われた食器が地味な色調で、料理が引き立つ重厚なものが多い記憶が残ったが、後で、これらが美濃焼・備前焼など、名のある陶芸家の作品と知った。

風 呂

内庭に面するロビーはかなり広いが、天井が低いので開放感は無い。

料 理

野沢温泉のシンボル、共同浴場・大湯のすぐ背後に建つ鉄筋6階建ての旅館さかやの創業は明治43年、江戸時代は造り酒屋で、現在の主は17代目に当たる。

オーソドックスな温泉ガイドブックの野沢温泉のページでは、300年以上の歴史を持ち、大湯の前に建つ「常盤屋」と麻釜前の「村のホテル住吉屋」とここ「旅館さかや」が大きく紹介されることが多い。

前回は「村のホテル住吉屋」に宿泊し、周辺の共同浴場を巡ったが、今回は旅館さかやに泊まり、よく紹介される宮大工が造った見事な湯屋建築の「鷹の湯」に浸かり、まだ入浴していない近所の共同浴場を目指すことにした。

部屋数は、外観から想像されるより少なくて29室、和室が大部分だが高齢者に嬉しいベッドで寝られる和洋室も4室ある。
料金は2人1室18,000円前後から27,000円程度までの料金帯だが、年度・季節・曜日・プラン・人数・部屋・食事などによって変わるので、詳細・最新情報は宿のHPなどで確認ください。

ガイドブックで、左の写真の様な複雑な構造の湯口と木造の堂々たる湯屋が度々紹介される「鷹の湯」は、これまで見た内湯の中でベスト3に入る素晴らしい浴室だ。

男性用の大浴場「鷹の湯」は、宿のHPによれば次の様に紹介されている。

『宮大工による伝統の湯屋建築造りの大浴場。
昼間でも薄暗いその独特の雰囲気は温泉情緒に溢れ、日頃の疲れをときほぐす癒しの空間です。
浴槽は「あつ湯」「ぬる湯」「腰湯」と、温度の違いによって別れています。』


残念ながら、旅館さかやは日帰り入浴を受け付けておらず、この風呂は宿泊しないと入れないため、ネット上で紹介されることが案外多くない。

女性用の「月の湯」も、さかやのHPで見ると鷹の湯と同じような構造になっているようだ。

長野県は温泉地の数において北海道に次いで全国で第2位であり、全県に渡って大小様々な温泉地が湯煙を上げている。
その中で県を代表する温泉と言えば、文句なく北信の名湯・野沢温泉であろう。
野沢温泉は毛無山の山すそ、坂の多い路地に温泉宿(旅館組合HPには24軒掲載)・土産物屋が軒を連ねている。
その中に徒歩ですべて周れる13軒もの共同浴場が点在する情緒タップリの温泉街だ。

温泉街の中心にある大湯を始めとする共同浴場は、江戸時代から続く「湯仲間」によって管理・運営され大切に守られてきている。
これらの浴場は無料(宿泊客はともかく日帰りの場合は寸志を投入したい)で開放されていて、入浴時間は早朝5時(冬季は6時)から、すべて源泉掛け流しである。

江戸時代初期に時の藩主が3代にわたって野沢温泉に別荘をかまえ、その後盛衰はあったが、1837年(天保8年)の記録によれば湯治宿が24軒あったという。
野沢温泉の旅館のほとんどに売店がないが、これはその当時の湯治宿では商売をしてはいけない、という村の取り決めがいまも生きているからだ。

温物:じゃがいも饅頭(下から火で温めている。家内絶賛。

湯上がりに水分と塩分を補給。菜はもちろん野沢菜だ。

浴場にマッチするどっしりした木造の腰掛けと桶。

自分の脱衣籠の目印としてこれを置く(初めて見たグッズだ)。

お品書きに無かった麩饅頭、家内が美味しい!
デザートなのか料理なのか不明。

甘味:雪下人参の蕨餅(上品、美味しかった)。

お造り:鯉洗い・信州雪鱒・岩魚昆布〆・川鱒・川鱒筋子これだけ川魚が並ぶのは珍しい。

置いてあった松田忠則教授の平成温泉旅館番付。「旅館さかや」は東(日本)の関脇に格付けされていた。

406号室(菖蒲)で、内庭に面した部屋。左手に2畳ほどのスペースがあり、小さな応接セットが置かれていた。

宿泊料金は、平日1室2人で最も安い15,000円のプラン。このために部屋もさかやクラスにしては、広縁もなくやや狭く感じる8畳。

手前が熱湯で43℃位、奥が温(ぬる)湯で41℃位。

麻釜と並んで野沢温泉のシンボル「大湯」。背後の建物は、今回宿泊した「旅館さかや」


泉質は67℃の単純硫黄温泉を加水加温無しでかけ流し。硫黄分のためか、青味がかって僅かに白濁。

野沢温泉のあちらこちらで見かけた国の重要無形民俗文化財・野沢道祖神祭の道祖神。

野沢温泉に土産物屋が多いのは、旅館で土産物を商いしないという江戸時代から続く取り決めがあるからだ。

野沢温泉では必ず評判の温泉饅頭を買う。

中皿:信州サーモン・筍の塩麹焼き(?)

台の物:信州牛網焼き

止め皿:山菜三昧(蕨白和え・独活白煮・うるい辛子黄身酢)

施設名 : 旅館さかや (宿泊日:2012.7.11)

湯気抜きの高い木造天井と壁、見事な風景だ。

住 所 長野県下高井郡野沢温泉村豊郷9329
電 話 0269ー85ー3118
交通機関 上信越自動車道豊田飯山ICから国道117号線等で約20km
JR飯山線戸狩野沢温泉駅からのざわ温泉交通野沢温泉行きバスで20分、野沢温泉下車徒歩3分
施 設(日帰り) 日帰り入浴不可
宿 泊 29室(和室25 和洋室4)
18,000円〜25,000円程度(最新・詳細情報は下記さかやHP参照)
泉 質 単純硫黄泉 (pH8.4 泉温67℃、硫化水素臭)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 日帰り不可
入浴施設 内湯:男女各1 露天風呂:男女各1 貸切風呂1
観光スポット 近隣:麻釜など温泉街散策、おぼろ月夜の館[斑山文庫]日本スキー博物館
善光寺、妙高高原、黒姫高原、戸隠高原
お土産・食事 土産:本場の野沢菜 温泉まんじゅう
土産物屋・食事は温泉街に多数 
近くの温泉 馬曲温泉、松之山温泉、秋山郷の温泉赤倉温泉、新赤倉温泉、妙高温泉、関温泉、燕温泉、渋湯田中温泉郷
野沢温泉村HP
観光協会HP
旅館組合HP
さかやHP
http://www.vill.nozawaonsen.nagano.jp/gyosei/
http://nozawakanko.jp/
http://nozawa.jp/
http://www.ryokan-sakaya.co.jp/
雑記帳 次回の野沢温泉は、安いプランを見つけて常盤屋に宿泊、残る共同浴場5ヶ所で入浴して13ヶ所制覇に臨みたい。
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)


前菜:稚鮎山椒焼、朝鮮人参、岩魚親子まあーず漬け他。

不明

不明

先付:信州鮭香草和み

先付:鯉南蛮(?)

食前酒は梅酒。

夕食後、外湯巡りをして帰って来たときの「あさや」。

鉄筋6階建ての堂々たる構えだが、部屋数は意外と少ない29室。

内庭を囲むようにして建てられている。

自家源泉を複数有するようだ。この有名な湯口の複雑さは、異なった源泉を落すためか、温度を加減するためだろうか。

温泉名 : 野沢温泉 
インクを数滴落した様な透明ブルーの露天風呂。

温度は温め、ここでは白い湯の華が沈殿していた。

これをご飯にかける。美味しかった!

ライブラリー。

一目で分かる岡本太郎の書。

宿泊者が書き込む「旅日記」。100冊ほどが積み上げてあった。

天然記念物で野沢温泉のシンボル、麻釜(おがま)源泉。

じゃらん 口コミ 総合4.5  (2012.12.20現在)

岩魚と竹の子のあんかけ(下から温める)。

香の物はもちろん野沢菜

温泉が溢れて床を濡らす・・・いつ見てもいい景色だ。。

写真手前は浅くて腰湯・寝湯として利用できる。

今回、新たに入浴した松葉の湯、秋葉の湯十王堂の湯(左から)。これ以外に記事更新の為に大湯河原湯でも浸かった。

野沢温泉 旅館さかや (長野県)