碇ヶ関(いかりがせき)温泉郷は、旧南津軽郡碇ヶ関村にある温泉の総称である。
これには碇ヶ関温泉・湯ノ沢温泉郷(湯の沢温泉・・・廃業・なりや温泉・秋元温泉)・古遠部温泉・久吉温泉・相乗温泉等が含まれ、秘湯系の一軒宿が多い。

温泉名と旅館名が同一の一軒宿である古遠部温泉は、まさに秘湯と呼ばれるに相応しいロケーションと佇まい、その上に贅沢に溢れ出る温泉の様に誰しも感動するだろう。

普通のガイドブックには掲載されていないが、温泉好きにはよく知られた秘湯であり、不便な地にありながら入浴客は引きも切らずに訪れる。

東北自動車道で秋田県から青森県に入ってすぐの碇ヶ関ICで下り、日本海側に抜ける国道7号線で4kmほど南下、その先で分岐する国道282線に乗り換えて3km、看板に従って細い道を左折して山間に入り、道を間違えた?と不安に思い始める2kmほど進んだ先に、素朴な造りの古遠部温泉が見えて来る。

古遠部温泉は、青森県と秋田県の県境、国道282号線の坂梨峠手前の林道を分け入った山中にあり、温泉好きにはよく知られた秘湯だ。風呂から溢れ出る濃い温泉の量は半端でなく、誰もが感動する風景だ。

所在地 : 平川市碇ヶ関西(いかりがせきにし) 

平川市は青森県南部・津軽平野の南端に位置し、2006年1月に南津軽郡の尾上町・平賀町・碇ヶ石(いかりがせき)村が合併して誕生した新しい市である。

東は十和田湖を境にして十和田市、西は弘前市、北は青森市、南は秋田県に接している。

地勢は、津軽平野の農業に適した肥沃な土壌の性質を持っているので、平坦地は水田、丘陵地は水稲とりんごの複合経営地帯として利用されているが、八甲田・十和田火山郡の山間地部分はほとんど国有林となっている。

市名は3町村を流れる岩木川の支流・平川に由来している。


市域には平賀温泉郷と碇ヶ関温泉の2つの温泉郷があり、何れも合併前の町域・村域の一軒宿や日帰り施設も含めた温泉を括ってこう呼称している。

国道282号線沿い、東北自動車道の高架橋の下をくぐって林道に入る。看板には1km入るとあるが、それ以上に思えた。

住 所 青森県平川市碇ヶ関西碇ヶ関山1−467
電 話 0172−46−2533
交通機関 ・東北自動車道碇ヶ関ICから国道7号線南下4km、国道282号線にのって3km、案内板を見落とさないようにしてここを左折して林道約2km。
・JR東日本奥羽本線碇ヶ関駅から車で10分。
施 設(日帰り) 食事処、駐車場
宿 泊 9室 1泊2食付き 6、900円〜(1人の場合7、200円〜)
湯治(ふとん持ち込みの場合)1室2人で1人2,500円
泉 質 ナトリウム・カルシウム―塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩温泉(無色透明・渋味・微炭酸味 pH6.28 源泉温度43.6℃ 湧出量約500リットル/分)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 午前9時〜午後8時
定休日 不定休
入浴料金 大人280円(2010年6月現在)、日帰(大広間休憩)大人630円(入浴料込)
入浴施設 内湯 男女別各1
浴室備品 シャンプー類無し
観光スポット 道の駅やたて峠、津軽鉄道、弘前城、岩木山、十和田湖、立佞武多の館(五所川原市)、津軽三味線会館 (十和田市)、太宰治記念館「斜陽館」(十和田市)、奥入瀬渓流、八甲田山、白神台地(世界遺産)、
お土産・食事 館内で昼食可(そば・うどん300円、ラーメン450円、親子丼500円等
近くの温泉 平賀温泉郷・碇ヶ関温泉郷・黒石温泉郷(青荷温泉・板留温泉・落合温泉・温湯温泉)・大鰐温泉日景温泉
平川市HP
観光協会HP
http://www.city.hirakawa.lg.jp/
http://www.hirakawa-kankou.com/
雑記帳 「温泉マニアによく知られた温泉」と知ったのは、ネット上でここを教えて頂いた後のこと。
地図で調べたらこの日宿泊する日景温泉のすぐ傍、これ幸いと立ち寄ることにした。

この日は、同じ碇ヶ関温泉郷のなりや温泉にも立ち寄れて2つの秘湯で入浴、大満足の一日となった。

施設名 : 古遠部温泉 (入浴日:2010.6.9) 

シンプル極まるプレハブ仕様の建物。

館内フロント周り。

応接セットの奥に何故か小型の冷蔵庫が3台。湯治用か?確認を忘れた。→宿泊されたろとさんは、宿の人から「冷蔵庫、電気入れて使ってね〜」と言わたそうです。

溢れ出た湯はメダカが泳げるくらいの量だ、

細いダートの道だが、崖道ではないのでそれほどの恐怖感は無い。

建物の裏側は、温泉成分が堆積して黄土色。

先客に断って撮影させていただく。浴室の床は水(温泉)浸しで乾く暇がない。

溢れ出た温泉の上でトド状態がここの入浴スタイル。

湯口の上に飲泉用のコップが置いてある。甘味塩味出汁味炭酸味の複雑な味わい。

簡素な6畳和室、2食付きで7000円程度と格安。今時珍しいポットントイレだ。

ここも簡素・シンプルな脱衣場。

データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

男女同形の浴槽、光線と角度によって、湯が薄青、茶色、鶯色等に見える。

青森県と秋田県の県境・坂梨峠手前の山中という不便な地域にありながら、宿泊した人でもゆっくり浸かろうと思うと、深夜か早朝位しかない、という位日帰り入浴客で混雑する古遠部温泉。

これは日帰り受付時間が、午前9時〜午後8時までという長さにも起因するだろうが、この日は幸いにも先客は1人だけ、その後は温泉が贅沢に溢れ出る浴槽を独占した(露天風呂は無し)。

風呂は2mx4m50くらい、浴槽や浴室の床の素材が何か分からないくらい温泉成分が分厚く付着して赤茶色に変色、一部で棚田状態になっている。
温泉は、ナトリウム・カルシウム―塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩温泉という濃厚な泉質の特色が複雑に絡まって、口に含むと金気、出汁味と塩味、湧出時は透明だがやがて鶯色に変化する。
炭酸泉の特色も出て、炭酸のシュワシュワ感や体に泡が付着するそうだが、これは確認できなかった。
源泉温度は43.6℃、普通この温度だと加温されるが、湧出場所が近いのだろうか、加温無しでも42℃オーバーの湯温だった。

碇ヶ関温泉郷の一つ、なりや温泉

温泉名・施設名 : 古遠部(ふるとおべ)温泉

古遠部温泉 (青森県)