国道からほんの少し入った斜面に建ち、部屋数16室、宿泊料金は2食付き1万円で宿泊出来る温泉宿だ。
館内のパブリックスペースの雰囲気もいたって庶民的だ。

内湯は、床も浴槽も天然石を敷き詰めて清潔感が漂い、部屋数の割には大きな浴槽だ。
かなりの湯量の温泉が贅沢に注がれ、浴槽の縁からそれに見合った湯が静かにあふれ出している。

別の所にあって、一度着替えしないといけない露天風呂は、それほど大きくないが抜群の眺望、前面には自然が広がり、入浴しながら木々の緑を楽しめる。

女性の露天風呂は、上述の通り、30年に渡って支えてくれた奥さまを感謝して造り上げたもので、写真で見る限り、大小の岩石を配置し、男性用より大きく立派なものだ。

温泉は、複数の源泉の混合泉、泉質は無色透明無臭のさらりとした単純温泉、泉温は50℃近いので、夏は加温しなくても大丈夫だろう。

青根温泉 山景の宿 流辿 (宮城県) 

伊達藩の御用湯として開湯約500年近い歴史を持つ青根温泉には、伊達藩始祖の伊達正宗公も滞在した。
ここを開湯した先祖を持つ湯元不忘閣に宿泊、チェックイン前に手頃な料金で宿泊出来る山景の宿 流辿に立ち寄った。湯量豊富な青根温泉、ここももちろん源泉かけ流しだ。

所在地 : 柴田郡川崎町青根(あおね)温泉 

宮城蔵王の南、花房山の中腹、標高500m前後にある青根温泉。三方を山で囲まれた山間の温泉とは言え、東側の視界が大きく開け、はるか彼方には太平洋を見渡せるので、明るい雰囲気を持つ温泉地だ。

青根温泉には6軒の宿(日帰り施設1)があるが、何れも小規模で国道457号沿いに点在しているので、温泉街は形成されておらず、俗化した雰囲気はまったくない。
ここの歴史は古く、東鳴子温泉とともに仙台藩の御用湯として、しばしば伊達藩主をはじめ要人が利用したという。1528年の開湯なので500年近い歴史がある。

手元の少し古い資料によれば、ここに「大湯」「名号湯」の2つの共同浴場がある、との記述が見える。
しかし近年、これらは取り壊され、代わりに源泉掛け流しの日帰り施設「じゃっぽの湯」が2006年4月にオープンした


青根温泉の中心にある「青根洋館」。明治時代の洋館を復元したものだが、一階は観光案内所、2階が「古賀政男記念館」になっている。

伊達家一門の川崎伊達藩の居城があった川崎町は、宮城県の南部に位置する。
仙台市の南近郊にありながら、蔵王山麓に属する山岳丘陵地帯と河岸段丘の発達した山間盆地からなる自然豊かな町だ。

標高が東部の100mから西部の蔵王刈田岳の1,759mに至る西高東低の地形になっている。

蔵王おろしが町を吹きぬけることから、住宅や田畑を守る防風雪林が設けられ、これが町独自の風景となっている。

川崎町は支倉常長(はせくらつねなが)の出身地である。

彼は、慶長18年(1613年)、戦国時代の英雄で、仙台藩祖となった伊達政宗が送った「慶長遣欧使節」の責任者だ。世界最大級の木造帆船に乗船し、7年をかけてスペイン・フランス・イタリアと周り、バチカン教皇にも謁見して政宗の親書を手渡した人物である。
町内には常長と一族にまつわる史跡や文化財が、数多く残されている。

蔵王の手前、国道457号沿いの青根温泉。旅館は6軒に減ってしまった。湯量豊富、どこの旅館もかけ流しだ。

温泉名 : 青根温泉 
住 所 宮城県柴田郡川崎町青根温泉17−2
電 話 0224−87−2611
交通機関 山形自動車道宮城川崎ICから約12km
JR東北新幹線白石蔵王駅からミヤコーバス遠刈田温泉行きで50分、終点下車、タクシーで10分
施 設(日帰り用) ロビー、駐車場
宿 泊 16室(和室13 和洋室3)
10,000円〜18,000円前後
泉 質 単純温泉 (源泉温度49.8℃)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
日帰り入浴時間 11時〜15時 (予約不要) 
定休日 毎週金曜日日帰り休み
入浴料金 大人650円
昼食付き日帰りプラン有り(要予約)
入浴施設 内湯:男女各1 露天風呂:男女各1
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 国営みちのく杜の湖畔公園(含むふるさと村)・お釜(蔵王エコーライン・蔵王ハイライン)蔵王スカイケーブル・蔵王ロープウエィ・樹氷・鴫の谷地沼(水芭蕉)・三階の滝(日本の滝百選)&不動滝観瀑台・山寺(立石寺)
近くの温泉 遠刈田温泉・峩々温泉蔵王温泉・かみのやま温泉・天童温泉・秋保温泉鎌先温泉、小原温泉
川崎町HP
川崎町観光HP
流辿HP

http://www.town.kawasaki.miyagi.jp/
http://kawasaki-asobi.jp/spot/spa/aone/
http://www.aoneonsen.com/ryusen/

施設名 : 山景の宿  流辿(りゅうせん) 

館主から女将へのラブレター。結婚して30年、感謝の意を込めて女性用露天風呂を造ったそうだ。

浴室への廊下。金をかけないで雰囲気を出している。

フロント・ロビーの雰囲気はいたって庶民的で、立ち寄り入浴がし易い。。

シャワー・カランコーナーも整っている。

かなり贅沢な湯使い。この湯量が注がれるので、温泉は新鮮だ。

浴槽の縁から温泉が静かに流れ出てる。この風景は何時見ても良い。

データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前に当該施設のHPなどでご確認ください。) 
2004年オープンだが、建物は古いので、現資本が経営を引き次いだのか? 写真のスペースはは宿泊者専用駐車場。入浴の場合は、離れた方へ車を停める。入浴料金は650円。

天然石を敷き詰めた浴槽は清潔感がある。温泉は僅かに白濁して見える

蔵王連峰の前衛の丘陵が眼前に。

標高500mの青根温泉から見る風景、晴れた日には太平洋も見渡せる。

国道沿いの「青根洋館」。2階が古賀政男記念館。
昭和を代表する作曲家である古賀正男は、人生に行き詰まり、ここ青根温泉にやってきて自殺を図った。
そのとき、蔵王山にかかった夕焼けを見て、出世作の「影を慕いて」の一片の詩が浮かんだ。