施設名 : 湯元 不忘閣(ふぼうかく)  (入浴日:2007.5.8)
所在地 : 柴田郡川崎町
温泉名 : 青根(あおね)温泉 
  青根温泉 湯元不忘閣 (宮城県)   
住 所 宮城県柴田郡川崎町青根温泉1の1
電 話 0224−87−2011
交通機関 山形自動車道宮城川崎ICから約12km
JR東北新幹線白石蔵王駅から宮交仙南バス遠刈田温泉行きで50分、終点で青根温泉行きに乗り換え13分、湯元下車
施 設(日帰り用) ロビー、休憩所、売店、駐車場(20台)
宿 泊 15室 : 和室(BT2、T4) 離れ(BT9)
西別館が15,900円〜、不忘庵が13,800円〜(2007年10月現在)
随時変更されるので下記HPで確認下さい。
泉 質 弱アルカリ性単純温泉 源泉温度52℃
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
日帰り入浴時間 11時〜14時 (予約必要) 宿泊者は24時間可
定休日 無休
入浴料金 大人600円
入浴施設 内湯:男女交代制3
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 国営みちのく杜の湖畔公園(含むふるさと村)・お釜(蔵王エコーライン・蔵王ハイライン)蔵王スカイケーブル・蔵王ロープウエィ・樹氷・鴫の谷地沼(水芭蕉)・三階の滝(日本の滝百選)&不動滝観瀑台・山寺(立石寺)
お土産・食事 温泉街で可
近くの温泉 遠刈田温泉・峩々温泉蔵王温泉・かみのやま温泉・天童温泉・秋保温泉
川崎町HP
旅館組合HP
不忘閣HP

http://www.town.kawasaki.miyagi.jp/
http://www.e-zao.net/aone/
http://www.fubokaku.com/

雑記帳 この日、蔵王温泉を発って峩々温泉で立ち寄り、それからこの日宿泊の中山平温泉(鳴子温泉)にまっすぐ向かう予定だった。鳴子温泉郷では、読者の「あびびびさん」から紹介くださった川渡温泉・藤島旅館にも入浴したいからだった。
ところが国道457号線を北上中、頭に無かった青根温泉が、突然、道路沿いに現れたのだ。
この機会を逃してはなるものか。幸い、ここには古賀正男記念館がある。家内にはこちらを観光させ、私は日本秘湯を守る会の不忘閣へ急いだ。
データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。
伊達家一門の川崎伊達藩の居城があった川崎町は、宮城県の南部に位置し、仙台市の南近郊にありながら、蔵王山麓に属する山岳丘陵地帯と河岸段丘の発達した山間盆地からなる自然豊かな町だ。

標高が東部の100mから西部の蔵王刈田岳の1,759mに至る西高東低の地形になっている。
蔵王おろしが町を吹きぬけることから、住宅や田畑を守る防風雪林が設けられ、これが町独自の風景となっている。

川崎町は支倉常長の出身地である。

慶長18年(1613年)、戦国時代の英雄で仙台藩祖となった伊達政宗が送った「慶長遣欧使節」の責任者として、世界最大級の木造帆船に乗船し、7年をかけてスペイン・フランス・イタリアと周り、バチカン教皇にも謁見して政宗の親書を手渡した人物である。
町内には常長と一族にまつわる史跡や文化財が、数多く残されている。
町域にある東北で初めての国営公園「みちのく杜の湖畔公園」。釜房ダムの湖畔に建設された広大な公園。ここのレストランで盛蕎麦の昼食を取った。
青根温泉の中心にある「青根洋館」。明治時代の洋館を復元したものだが、2階が「古賀政男記念館」になっている。青根温泉の情報もここで得られる。
昭和を代表する作曲家である古賀正男は、人生に行き詰まり、ここ青根温泉にやってきて自殺を図った。
そのとき、蔵王山にかかった夕焼けを見て、出世作の「影を慕いて」の一片の詩が浮かんだ。
  
         まぼろしの
         影を慕いて 雨に日に
         月にやるせぬ 我が想い
         つつめば燃ゆる 胸の火に
         身は焦がれつつ しのび泣く

その後、古賀正男は「丘を越えて」「酒は涙か溜息か」「東京ラプソディ」「誰か故郷を思わざる」「人生劇場」「柔」など数々のヒット曲を世に出した。
蔵王温泉で宿泊、翌日、お釜を観光後に宮城県に入り、青根温泉と同じ川崎町にある峩々温泉に立ち寄った。
蔵王エコーラインから国道457号線に乗って間もなく、三方を山で囲まれ、花房山の中腹、標高600mにある青根温泉に到着した。
山間の温泉とは言え、東側の視界が大きく開け、はるか彼方には太平洋を見渡せるので、とても明るい雰囲気を持つ温泉地だ。

青根温泉には9軒の宿があるが、小さな旅館がひっそりと佇んでいるので俗化した雰囲気はまったくない。
ここの歴史は古く、東鳴子温泉とともに仙台藩の御用湯として、しばしば伊達藩主をはじめ要人が利用したという。

少し古い資料によれば、ここに「大湯」「名号湯」の2つの共同浴場がある、との記述がある。
しかし近年、これらは取り壊され、代わりに源泉掛け流しの日帰り施設「じゃっぽの湯」が2006年4月にオープンした。
青根温泉には「停車場の湯」と「朝日の湯」2つの足湯がある。
地元の木材をふんだんに使用した「じゃっぽの湯」
不忘閣は、創業が享禄元年(1528年)に遡る老舗旅館である。
青根温泉を発見した川崎伊達藩領主佐藤掃部の代から現在に至るまで、佐藤家がここを経営してきた。

慶長年間には藩祖伊達政宗が、後には歴代の藩主が保養のために滞在し、藩主のために造営された青根御殿が、昭和7年(1932年)に、昔の様式を取り入れて再建された

宿泊客はここに展示されている伊達家の品々を見ることが出来る。(肝心の御殿の写真撮影をしなかった)

現在の不忘閣は、この御殿の他、本館・別館・離れで構成されている、とやや古いガイドブックに記載されているが、当館のホームページでは「西別館」「不忘庵」の2ヶ所になっている。
部屋は和室が4室(T4/BT2)、離れが9室(BT)
で、古いデータの25室と比べて半減している。
ここら辺の事情は、宿泊していない悲しさで調査が行き届かない。
料金設定は西別館が15,900円から、不忘庵が13,800円からとなっている。(2007年10月現在)。
これが本館だろうか?立ち寄り湯は右手の建物で受け付けてくれた。
国道側から。
左手の古い木造2階建て
クラッシックなフロント
湯治場の雰囲気を残す共同洗面所
本館内の休憩所?
風呂の案内板。「大湯」「新湯」「御殿湯」とあった。
新築中だった大湯。ヒバの木材が使われるらしい。
風呂は館内の表示では3ヶ所(御殿湯・大湯・新湯)とあったが、大湯は新規に建設中だった。
また新湯はどこにあり、どんな風呂か定かでなかった。

歴代の藩主が使用した御殿湯の名を取った風呂に入浴した。

黒ずんだタイル張りの浴室に4,5人が一度に浸かれる桧の風呂が設けられ、窓から射して来る光線で、湯縁が金色に光り美しかった。
温泉は共同管理の弱アルカリ性単純温泉(源泉温度52℃ー風呂では42℃前後)が掛け流しで注がれ、非常に透明度が高いものだった。
縁も底も桧が使用されている。やはり木の風呂は心が和む。
さっぱりした泉質の単純泉が、惜しみなくあふれ出ている。
「日本秘湯を守る会」の会員旅館で、長い歴史を誇り仙台藩・伊達家代々の藩主が利用した湯元不忘閣に立ち寄った。詳細は、ここに宿泊された温泉たまこさんのサイトをご覧下さい。
風呂はこの他に明治時代の蔵に最近造られた「蔵湯浴司」があり、宿のホームページではこれだけ掲載されている。多分、宿泊者専用だろう。