施設名 : 神の湯 (入浴日:2007.5.14)
データ (データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
観光的に蔵王連峰は山形蔵王と宮城蔵王に分けられることが多い。
蔵王町は宮城県の南部、蔵王連峰の東麓に位置し、町の中央には松川が流れ美しい渓谷を作り出していて、西部は蔵王国定公園に含まれている。
標高は屏風岳の1825mから平野部の20mまでと大きな高低差がある。
そのため、山林原野の占める割合は6割に止まっていて、丘陵地帯を利用した果樹栽培は県下一を誇り、また稲作・酪農も盛んである。
この町の観光資源としては、何はさて置き町域外を含めた蔵王連峰(樹氷・スキー・お釜・数多い滝)であり、さらに温泉教授松田忠徳氏の日本百名湯に選ばれた遠刈田温泉がある。
残雪のお釜、5月なのに寒風が吹き荒んで、震えるほどに寒かった。
かっては湯刈田という文字が当てられていた遠刈田温泉は、蔵王連峰を西に望む標高330mのなだらかな高原にあり、松川河畔沿いの開けた一帯に20軒ほどの旅館が点在する静かで明るい温泉地だ。
開湯は16001年、関ヶ原の戦いの翌年で400年以上の歴史がある。
昭和初期の古い写真を見ると、広場の真ん中に、「上の湯」「中の湯」「滝の湯」と呼ばれた3軒の共同浴場が縦に並び、その左右を囲むようにして木造低層の旅館が建ち並んでいる。
現在の遠刈田温泉にも3ヶ所の共同浴場がある。
昔ながらの風情が有る「壽の湯」「孝の湯」そして木の香がいまだ漂う「神の湯」が温泉街の中心にある。
温泉教授の松田忠徳氏は、壽の湯を鳴子温泉・滝の湯、飯坂温泉・鯖湖湯とともに東北で最も好きな温泉と述べている。
尚、遠刈田温泉は鳴子温泉と並んでこけしの産地。こけし橋の周辺にはこけしの店が沢山並ぶ。
神の湯は温泉街の中心にあり、堂々たる構えの建物だ。
ここは元々、温泉センターと呼ばれていた共同浴場だが、近年立て替えられで名称も変更された。
神の湯という名前の由来は、恐らく背後に遠刈田神社が鎮座しているためだろう。温泉街のど真ん中、両側に道路が走る広場の中心に建てられていて迷うことなくここにたどり着ける。
トイレ付きの専用駐車場や観光案内所も目の前にある。
他の二つの共同浴場と違って、こちらは地元というよりも遠刈田温泉のシンボルとして、宿泊客や観光客を意識した堂々たる木造建築だ。正面に小型ながら唐破風の玄関、背後に湯気抜きを持つ高い湯小屋がある。
これまで入浴した100ヶ所以上の共同浴場の中で最大クラスだ。
内部のロビー、休憩室、脱衣室どこも真新しくゆったりしている。浴室もとても広く、石板を敷いた床、浴室も石造りの長方形、一度に20人程度が入浴できるだろうか。湯気抜きが設けられた天井も見上げるほどに高い。
とても広く天井も高い堂々たる浴室。
大きな鏡、間接照明、一流温泉旅館並の高級感漂う設備だ。
木造の広くて清潔感漂う脱衣室。5時30分〜6時45分まで朝湯タイムがあるのが共同浴場らしい。
風呂は2つに仕切られ「あつい湯」と「ぬるい湯」に分けられている。
しかし、温い湯といっても、42度は間違いなくあり、自分には立派な熱い湯だ。
これをもって「熱い湯」は始めから入浴を放棄した。
ナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物泉という重い泉質、茶色がかっており、肌触りは滑りの悪いギシギシ感だ。
泉温が60℃を超えるため、予め加水して湯舟に注いでいるようだ。
共同浴場なのでシャンプー類はなく持ち込む必要がある。
遠刈田温泉は、間近に蔵王連峰を望む静かな温泉地。ここにある3つの共同浴場の中で最も新しく大きな共同浴場・神の湯に立ち寄った。