白布温泉 東屋旅館 (山形県)

   

いかにも山間の宿らしい素朴な雰囲気。

茅葺屋根こそ無いが往時の面影を残す現在の東屋。

「口コミ」の評価が2分している。

サービスが悪い、風呂のシャワーが一つで出が悪い、内湯が滝湯の音でうるさい、などなどで5点満点の2点といった評価。
一方で5点満点で温泉・風呂が素晴らしいと評価する方も多い。
これは宿に期待・評価するポイントのウエイト付けによって大きく変わるのだろう。
東屋はリーズナブルな料金で宿泊できる秘湯の宿であり、湯量豊富な温泉そのものに満足し、消えていく日本の温泉文化の継承者として理解し、湯の華にクレームしたり設備とか料理・サービスに重きを置く方は(これが悪いわけではない)、ここの宿泊を避けた方が良いかもしれない。

自分は13、550円でこの温泉・風呂・料理と高い評価をつけたが、皆様のご意見ご感想は?

露天風呂の湯の華

素朴なイモ鍋だったかな?

食 事


かっては東屋・中屋・西屋と3軒の茅葺屋根の宿があったが、平成12年の中屋の失火で東屋旅館とともに2軒が全焼。残るは西屋のみとなった。

東屋(ひがしや)旅館は、日本秘湯を守る会の会員旅館。

かっては東屋・中屋・西屋と茅葺屋根の3軒が並んでいたが、平成12年(2000年)3月、中屋の失火で風下にあった東屋旅館も全焼した。
ご主人の宍戸さん談によれば、延焼はあっという間、一時は廃業も考えたが、常連さんの励ましもあって再建を決意、消防の関係で茅葺の復活は無しで2001年9月に再建完了・営業を開始した。

現在の東屋は往時の面影を残しつつ、白壁の瀟洒な佇まいの建物に変身しているが、フローリングのフロント・ロビーには太い古木の根を展示するなど
山間の旅館らしい野暮ったさを残していて、なんとなく心が安らぐ。

部屋数は18室(和室T14 BT2 洋室T2)、料金は2009年12月現在では料理の品数を抑えた10,650円~19,050円となっているが、各種条件で変動するので、予約の際は宿のHP(下記)を必ず参照ください

東屋の小さい湯船。

西屋の小さい湯船。

重い桶と腰掛けが流れそうなくらい、浴室全体が温泉が溢れてる。

巨岩の上に設けられた一枚岩の貸切風呂。ここでも温泉が流れ出て、これだけ贅沢な無料貸切風呂もそう多くないだろう。白いのは湯の華。

崖の下の開放的な庭園露天風呂。湯の温度が低くいくらでも浸かっていられる。ここも湯の華が凄い。女性用は開放度で劣るが、風呂が2ヶ所ある。

ここも無料で空いていれば鍵を閉めて入浴。

浴槽と上部の滝から直接流れ出る湯で川の様だ。

夜間撮影。奥から温泉が流れてくるので絶えず波打っている。白く見えるのは湯の華。

同じ白布温泉の西屋と構造が全く同じの内湯(真似ではなくて焼ける前の東屋の風呂がこうだったのだろう)。
左風呂、真ん中3本の湯滝、右が1人用の湯船。

朝 食

東山温泉向瀧が名物とする鯉の甘煮そっくり。鯉は苦手だが美味しかった!


テーブル席を希望したためだろうか、畳に食卓、嬉しかった。

前菜

山菜天ぷら

部屋からの風景。部屋はT(Wレットでない)付き・9畳の落ち着いた和室。

住 所 山形県米沢市大字関1537
電 話 0238-55-2011
交通機関 東北自動車道福島飯坂ICから約60km
JR山形新幹線米沢駅から山交バス白布・天元台行きバスで40分、白布温温泉下車
施設(日帰り用) ロビー、売店、駐車場40 
宿 泊 部屋数は18室(和室T14 BT2 洋室T2)、料金は2009年12月では料理の品数を抑えた10,650円~19,050円となっている(2009年12月現在・・・予約の際は必ず下記HPで確認ください)
泉 質 カルシウムー硫酸塩温泉(無色無味無臭・58℃)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 11時~16時(予約不要)
定休日 無休
入浴料金 大人500円 
入浴施設 内湯男女各1 露天風呂男女各1 貸切内風呂2(宿泊者専用)
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ドライヤー、ロッカー
観光スポット 白布大滝、直江兼続公鉄砲鍛造遺跡、天元台高原(天元台ロープウエイ)
米沢市内ーーー上杉神社、上杉家廟所、上杉記念館、松が岬公園、稽照殿、春日山林泉寺、旧米沢高等工業学校本館(重文)など
お土産・食事 白布温泉では食事処・土産物屋を見かけなかった気がする(不詳)。
近くの温泉 新高湯温泉・小野川温泉・大平温泉・湯の沢温泉・姥湯温泉・滑川温泉・五色温泉
米沢市HP
米沢観光協会HP
白布観光協会HP
東屋HP
http://www.city.yonezawa.yamagata.jp/
http://yonezawa.info/
http://www.vivi.ne.jp/shirabu_kanko/
http://www.shirabu-higashiya.com/
雑記帳 白布温泉から更に奥へ3kmほど、天元台ロープウエイ近くに米沢八湯の一つ「新高湯温泉」に向かったが、なんたる不運、当日は入口近くで侵入不可のブロックが。
臨時休館日だったのだろうか、残念ながら入浴を逃した。
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

カランが数ヶ所、シャワーが1ヶ所。口コミではこれでは髪・体を洗えないと批判している人がいた。

1人用湯船。上がり湯・掛け湯か入浴していいのか悩んだ風呂。いつもは高温のようだがこの日は入浴出来た。

宿のHPに料理の項目がないが、とにかくボリュームがあって、ようやく完食できた(家内は残した)。

大半の料理の撮影を忘れたが、これ以外に鯉のあらい、岩魚のあんかけ、米沢牛の冷しゃぶなどが並んだ。
いかにも山間の宿らしく気取りがない料理だが、料金からするとかなり良心的だ。

朝食も質実でボリュームがあった。

風呂か上がり湯・掛け湯か?果たして真相は・・・


大きな地図で見る

風 呂

奥州三高湯の一つとして知られてきた米沢八湯の一つ白布温泉は、吾妻山中、標高900mの高所にある。
隣の宿の失火により全焼したが、常連客の励ましにも支えられて2001年に再建された東屋旅館(日本秘湯を守る会)に宿泊、豪快な掛け流しと大量の湯の花が舞う風呂に感動した。
尚、ここから2kmほど登った先に新高湯温泉があるが、当日はあいにく臨時休業、入浴できなかった。

所在地 : 山形県米沢市

りんごさんのレポート(原文のまま)

東屋と西屋の内風呂は全く同じ造りで、脇に1人用の小さな湯船が付属している。

これが入浴してよい風呂なのか、それとも「掛け湯・上がり湯」用の湯船なのか迷いつつ、宿泊した東湯ではとうとう浸かってしまった。

この度、読者の「リンゴさん」が東屋に宿泊、西屋に立ち寄られて、宿の方に確認くださりこの課題は一気に解決を見た。
りんごさん、ありがとうございました。


温泉の泉質は無色無味無臭・58℃のカルシウムー硫酸塩温泉で内湯・露天風呂・家族風呂とも凄い量の湯の華が舞っていた。

館主にこれが嬉しい、と言ったら、「こうして喜んで下さる方は滅多にいない。大部分の人が汚い・気持悪い、と言う。
湯の華を予め除去した方がメンテナンスも楽だが、私は断じてこのままで行く」とおっしゃった。

シャワーが少ないのも、桶を使う昔ながらの入浴スタイルを守っていきたい、という頑固な(悪い意味ではありません)一面をお持ちのためと推測した。

周囲は原生林の森、前の谷底を大樽川が流れ豪快な白布大滝が轟音と飛沫を上げている。

館内はどこも木材がふんだんに使われていて、まだ新しい。


風呂は男女別の内湯{滝風呂)と露天風呂の他に2ヶ所の貸切風呂(無料)がある。

内湯は西屋と瓜二つ、浴室全体が木造で、高い天井には広い開口部の湯気抜きがある。

高い所から流れ落ちる3本の湯滝から発せられる絶えることのないドドッという轟音(これがうるさいと口コミにコメント)、一部は2m50cm四方ほどの小さな湯船に流れ込むが、受け切れずに大部分がそのまま外に流れ出ている。

一部は湯船に入ることなくそのまま外に流れ出るので、まるで浴室全体が川の流れの様だ。

風呂の温泉の入れ替わりの早さは日本一ではなかろうか。

横に真っ黒に変色した1人用の湯船があり、これは風呂か掛け湯・上がり湯用か迷ったが、思い切って入浴してみた。高温だったが、他の方が述べておられるが、この日は飛び出る熱さではなかった。


米沢市は、山形県の南東部にある人口約92,000人の市で置賜(おいたま又はおきたま)地方の中心都市だ。
南部・東部は広い山地となっていて、特に南端の吾妻連峰一帯は磐梯朝日国立公園に指定され、天元台スキー場などがある豪雪地帯になっている。

米沢は戦国時代に伊達氏の本拠地となり、独眼で有名な伊達政宗もここで生まれている。その後、豊臣秀吉によって伊達政宗が陸奥岩出山に転封された後、会津に入った蒲生氏、ついで上杉氏の支配下に入った。
上杉景勝は家老・直江兼続に30万石を与えて米沢に入れ、伊達氏及び山形の最上氏に対する抑えとした。

しかし上杉氏は関ヶ原の戦いに先立って徳川家康に敵対したため、1601年(慶長6年)に上杉景勝は91万石を30万石に減封され、居城を会津から米沢に移させられた。
兼続は米沢城を景勝に譲り、ここに上杉・米沢藩が成立した。

2009年のNHK大河ドラマ「天地人」の舞台であり、町中にこれと直江兼続の幟がはためき、伝国の社では天地人博が開催されており私たちも見学した。


2泊目の泊まりは白布東屋。

チェックインしてすぐに隣の
西屋へ。。
西屋の雰囲気大好きです^^。初めて足を踏み入れたのに、しっくりくる温かくてホッとする雰囲気が。

お風呂は…、滝のような勢いの打たせ湯に驚きつつ、湯の花チラチラの湯船で、あつーいあつーいお湯を堪能しました♪
宿の受付の方に、小さめの湯船の使用方法について聞いてみたら
「たまに入っちゃう人もいるんですが、本当はかけ湯専用です^^。」と教えてくれました。でも、入れる大きさの湯船が目の前にあったら温泉好きは入りたくなっちゃいますよね♪

その後、
東屋に戻ってすぐさまお風呂へ。
ホント聞いていたとおり、西屋そっくりなお風呂がそこにはありました!ホントびっくりした~!

湯の花は東屋の方が多かったと思います。気持ち、大きさも大きく感じました。
そして、
屋のフロントの方にも小さい方の湯船について質問してみると、「あれは湯船です」と、西屋とは違う答えが…!これにはまたまた驚きました。念のため、お部屋を担当していただいた仲居さんにも聞いてみましたが、「あれは湯船なんですって。私は初め、かけ湯用かと思ってましたが、入って良い湯船なんですって^^」と教えてくれました

西屋と東屋、湯船は同じでも、湯船の意図は違うようですね。。おもしろい♪

内湯の湯の華


温泉名 : 白布(しらぶ)温泉 

米沢市郊外には八つの温泉が湧く。
白布・新高湯・大平(おおだいら)・姥湯(うばゆ)、滑川(なめかわ)・五色・湯の沢・小野川、即ち「米沢八湯」である。
但し郊外と言っても、大都市郊外の新興住宅地をイメージすると間違いになる。
6湯が標高900mから1100mの山間にあり、その内5湯が一軒宿、さらに3湯がいまだに自家発電の宿である。
日本有数の秘湯地帯と言っても過言ではない。

これら八湯は、熱源である日本百名山、那須火山帯最大の火山である吾妻山(最高峰2,035m)の北側山麓に点在する。
吾妻山、正確には吾妻連峰は、福島市西部から米沢市南部の天元台にかけて、東西20km南北10kmにわたって、標高2、000mの火山が連なる山脈である。

白布温泉は、最上川源流域の一つ、ブナの森に囲まれた白布渓谷の山中、標高900mの高地に湧く温泉である。
ここには、米沢藩中興の祖で第九代藩主である上杉鷹山(ようざん)が入浴したと伝えられる。
現在は山の斜面に沿って趣が異なる6軒の宿、民宿1軒と公共の施設1軒が点在しており温泉街は無い。

米沢ラーメン・上花輪のとろみがあるもやしラーメン(麺はちじれ麺)・・米沢市門東町1丁目5-25 (上杉博物館正面) TEL:0238-21-8678 店主は元銀行支店長・米沢牛ラーメンが名物

3mほどの高さから落ちる3本の湯滝。温度を下げるためにこのスタイルとなったと想像するが、もちろんうたせ湯として使える。

施設名 : 東屋旅館  (2009年5月12日)(平日2人1室 1人税・サ・入湯税込13,800円からインターネット割引250円)