すぐ近くの新穂高の湯は、雪のため閉鎖されていて、2回目の入浴は果たせなかった。
朝の散歩、見慣れない雪のせいか戸惑っているように見えた。
奥飛騨の初雪は10cmほど積もった。夜、愛犬の様子を見に行く。
施設名 : 槍見館 (宿泊日:2007.11.13) (宿泊料金 平日2人1室 21,150円 税込)
日本一の露天風呂天国、奥飛騨温泉郷の最奥、新穂高温泉の人気の宿で日本秘湯を守る会の旅館でもある槍見館に宿泊した。
この日、奥飛騨の初雪に出会ったが、先見の明、早めのスタッドレスタイヤを履いていたため、安心して雪景色を楽しみながらドライブ、そして思いがけずも雪を見ながら露天風呂に浸かることも出来た。
観光客で賑わう高山市三町筋
飛騨地方の中央に位置していた観光都市の高山市だが、2005年2月1、奥飛騨温泉がある旧上宝村を含む近隣9町村と合併し、東京都に匹敵する日本一広い面積を持つ新しい高山市が誕生した。
その広さは、東海北陸自動車道の飛騨清見ICから国道158号線で奥飛騨温泉郷に向かって東へ走ってみると分かる。
市中心部を抜けるのに若干時間がかかるが、後はほとんど信号がないにもかかわらず、1時間走っても奥飛騨温泉郷の最奥にある新穂高温泉に到着しないのだ。
市域の93%が森林で占められ、山・川・渓谷・峠などで地理的に分断され、標高差も2,000mを超えるなど、地形的に大きな変化に富んでいる。
北東部には槍ヶ岳・乗鞍岳・穂高連峰などの飛騨山脈(北アルプス)を擁し、標高の最高は奥穂高岳の3,190mだ。
日本一露天風呂が多い奥飛騨温泉郷。写真は日本有数の大きさを誇る新穂高温泉佳留萱山荘の露天風呂。
合併前の旧上宝村には平湯・新平湯、栃尾・福地・新穂高温泉の温泉地があり、これを総称して奥飛騨温泉郷と言う。
日本でも有数の湯量を誇り、日本一の露天風呂王国でもある。
この奥飛騨温泉郷の最も奥深く、槍ヶ岳・穂高連峰を源とする蒲田川の渓流に沿った温泉地が新穂高温泉である。
源泉が異なった温泉が数多く湧出し、それゆえ、ホテル・旅館はもちろんのこと、民宿・ペンションに至るまで露天風呂を有する。
また、それらの露天風呂からは、穂高岳・槍ヶ岳等の秀麗な峰々を仰ぎ見ることができる。
当温泉地からは、モンブランに続く世界第二位の新穂高ロープウェイが出ており、手軽に穂高連峰を盟主とする雄大な北アルプスを眺望できる。
当地には共同浴場が三つあるが、温泉雑誌・図書で必ず紹介される「新穂高の湯(混浴)」が最も知られている。
松本方面から国道158号線を進み安房トンネルを通り抜けた先が平湯温泉。
そこから国道471号線に乗り換え、新平湯温泉を通り過ぎ、栃尾温泉を右折して県道に入り、最近開通した鎌田トンネルを抜けてすぐ、「新穂高の湯」を左手に見る橋の手前の細い道を100m程進んだ行き止まりに槍見館がある。
槍見館は日本秘湯を守る会の宿であるが、西日本人気温泉宿人ベスト100の常連メンバーの旅館だ。
前を流れる蒲田川越しに槍ヶ岳を望めることが旅館名の由来だが、当日は奥飛騨温泉の初雪、チェックアウトまで槍はおろか近くの穂高岳も雄姿を隠していた。
本館は古い商家を移築したもので、土蔵造りの離れなどを含めて部屋数は僅かに15室、料金は標準的な8畳和室(T付)で2人1室21,150円(2008年5月)だが、宿泊人数・曜日等によって変わるので、詳細は下記HPを参照下さい。
槍見館は大正中期の創業、当時は北アルプス登山客を対象にした素朴な山の宿だった。
庄屋を移築した本館は、客室を含めて太い梁がいたるところに使われていて、如何にも飛騨の豪農の館、といった趣だ。
第一印象だが、同じ奥飛騨温泉の郷福地温泉・湯元長座と雰囲気が似ている、と思った。
フロント
蔵造りの向こうは離れ2室
太い梁が渡されている
土間に置かれた飲み物は谷水で冷される。館内には自販機は無い。
熊の皮が敷かれた囲炉裏間。
毎朝、餅つきが行われて、客につきたてのきな粉持ち振舞われる。
本館「りんどう(203号室)」8畳和室(シャワートイレ付)。2万円台なら10畳がほとんどだが人気の宿だからか?
太い古材が使われた囲炉裏の広縁。足腰に支障ある我々は椅子の方が嬉しいが、あくまでも演出として理解。
思いがけない部屋の窓からの雪景色に喜ぶ。
住 所 |
高山市奥飛騨温泉郷神坂587 |
電 話 |
0578−89−2808 |
交通機関 |
長野自動車道松本ICから国道158・471・県道475号線で約70km
東海北陸自動車道飛騨清見ICから国道158・471・県道475号線で約65km
JR松本駅(松本電鉄バス)→平湯バスターミナル下車、新穂高温泉郷行きバスで25分
JR高山駅(濃飛バス)→平湯バスターミナル下車(新穂高温泉行きバスに乗り換えて25分 |
施 設(日帰り利用) |
売店、駐車場(20台)
|
宿 泊 |
15室 和室(T)15,900円〜21,150円
離れ(専用露天風呂&T) 21,150円〜29,950円 |
泉 質 |
自家源泉:単純泉 63℃ 無色透明 無味無臭 420リットル/分
共同温泉:ナトリウムー炭酸水素塩・塩化物泉 |
適応症 |
不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間(日帰り) |
午前10時〜午後2時(変動あり) |
定休日 |
年中無休 |
入浴料金 |
大人500円 子供300円 |
入浴施設 |
内風呂:男女各1、露天風呂:混浴2 女性用1、貸切風呂:4
立ち寄り入浴は、「混浴風呂」「女性専用風呂」「足湯」のみ利用可で、「貸切風呂」「内湯」の利用はできない。 |
浴室備品 |
露天風呂にはシャンプー、ボデイソープ、ロッカー等無し |
観光スポット |
新穂高ロープウエー、上高地、乗鞍スカイライン、平湯大滝、高山、松本 |
お土産・食事 |
土産は館内で可能 予約すれば昼食付入浴可能 |
近くの温泉 |
平湯温泉、新平湯温泉、栃尾温泉、福地温泉、白骨温泉、乗鞍高原温泉、さわんど温泉、坂巻温泉、中の湯温泉、上高地温泉、焼岳温泉 |
高山市HP
飛騨高山観光協会
奥飛騨温泉郷観光協会
槍見館HP |
http://www.city.takayama.lg.jp/
http://www.hidatakayama.or.jp/
http://www.okuhida.or.jp/
http://www.yarimikan.com/ |
雑記帳 |
日本秘湯を守る会の旅館は、一昔前は文字通り秘湯の宿で素朴で低料金の宿が多かった。
しかし、近年の秘湯ブームと源泉掛け流しへのこだわりが高まって、会員旅館が豪華な建物を建て、洗練された料理を出す高級旅館に「出世」する例が増えてきた。
典型例が長野県の仙仁温泉岩の湯だが、ここ槍見館も、高級までは行かないが大きく変身した宿である。 |
データ (データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
客室15に対し、風呂は内湯:男女別各1、露天風呂:混浴2 女性用1、貸切風呂:露天及び半露天が4ヶ所もありとても贅沢だ。
内風呂は本館と連絡しているが、露天風呂と貸切風呂は蒲田川と本館の間の庭園に点在している。
天候がよければ、内湯及び露天風呂から槍ヶ岳の鋭角な山頂が望める。
全ての風呂は24時間入浴が可能だ。
但し、女性専用のの露天風呂(岩見の湯)があるものの、この宿の売り物である渓流に面した「槍見の湯」と大きな岩石を配した「まんてんの湯」は混浴であり、混浴を嫌う女性には不満が残るのではないか。
趣が異なり風格有る4つの貸切風呂はすべて予約が不要で無料、空いていれば、札を入浴中に替えてカギをかければよい。
底まで桧の風格ある風呂が2つある。目の前が蒲田川、晴れていればここからも槍ヶ岳が見えるようだが、この日は嬉しい雪見風呂だった。
●槍見の湯(混浴)
当館の名物風呂。15人程度が一度に入れる大きさだが、出入り口か1ヶ所、階段を下ることになり、女性は入浴しにくい。
露天風呂・貸切風呂への階段
湯小屋の一つ
雪の積もった貸切風呂周辺
晴れたら前方に槍ヶ岳が見える。
蒲田川の清流と一体となった大きな露天風呂。
●まんてんの湯(混浴)
以前は山男の湯と女神の湯と男女別にあったらしいが、これらの境を取り外して大きな一つの露天風呂にした。
巨岩を利用した細長い露天風呂。入口は遠く隔てて男女別になっているので、ここは混浴でも女性は入浴しやすい。
● 貸切風呂
渓流の湯:渓流に一番近くジャグジー付
幡隆の湯:石を積み上げた比較的大きな風呂。
名称不詳
無料の貸切風呂が4つあるが、一ヶ所は修理中だったのだろうか入浴できなかった。
自家源泉の槍見の湯は、創業の大正中期から昭和45年まで自然湧出していたが、現在は敷地内の地下60mから動力汲み上げしている。
泉温は季節によって変動するが50℃〜60℃、高温の為熱交換器による温度調整を行っている。夏季は微量の加水をしているが、全ての風呂が加温・消毒剤・循環ろ過無しの完全掛け流しである。
湯量は毎420リットルと豊富、泉質はさらりとした無色透明、無味無臭の単純泉である。
これ以外に泉質の異なる共同源泉(穂高温泉)をごく少量ながら使用している。
無色透明・さらりとした単純泉。
飛騨牛、スッポン(平湯で養殖)、朴葉味噌など地元の食材を使い、一手間かけた料理は美しくかつ美味だった
自家製の桃のシャーベット・バルサミコ
土瓶蒸し
キノコのあんかけ(?)
スッポンのパイ包み
飛騨牛のすき焼き
岩 魚
凝った先付けと前菜はとても美しい
古漬けの朴焼き
食事は朝夕とも囲炉裏スタイルの食事処で取る。
●夕食
●朝食
毎年、スタッドレスタイヤは11月下旬に履くが、奥飛騨に出かけるということで万全を期し、いつもより1ヶ月早く履き替えた。
これが見事に正解、10組ほどの宿泊客が雪解けや除雪を待っている中、唯一、予定通り9時にチェックアウト、かなりの積雪量の県道・国道471号線そして国道158号線に乗って高山方面に向けて帰路についた。
国道471号線、栃尾温泉手前。
槍見館に到着。
槍見館への侵入路、すれ違い出来ない。
橋の下が新穂高の湯、その手前の細い道を進む。
最近開通したトンネルを通り抜けると新穂高の湯に出る。
国道158号線、途中から雪が降り始める。
途中リンゴ園へ立ち寄ってから松本へ。