福島市域には、東北を代表する温泉地の一つである飯坂温泉をはじめ土湯温泉郷、土湯峠温泉郷高湯温泉、岳温泉などの温泉群が湯煙を上げている。

高湯温泉は磐梯吾妻スカイラインの入口(土湯峠からだと出口)、標高750mにあるが、東北自動車道福島西ICからわずか16kmと交通の便に恵まれている。
温泉は400年ほど前に発見されたが、当時は信夫高湯と呼ばれ、山形の蔵王温泉、白布温泉と並んで奥州三高湯の一つとして知られる湯治場だった。

現在は中小の旅館が9軒ほどあるが、地元では、少し離れた所にある微温湯(ぬるゆ)温泉と信夫(しのぶ)温泉の一軒宿も加えて高湯温泉と称しているようだ。宿は点在しており温泉街は形成されていない。

高湯地区には自然湧出の源泉が10か所ほどある。湧出量は合計で3000リットル/分を超える豊富さ、泉温は42℃~51℃で、これを9軒の宿と1軒の共同浴場で使用している。
代表的な泉質は「含硫黄ーアルミニウム・カルシウムー硫酸塩温泉(硫黄泉)」である。

高湯温泉 旅館 ひげの家 (福島県)

   

東北を代表する名湯の一つ、かっては奥州三高湯として知られた湯治場であった高湯温泉にあって、日本秘湯を守る会の宿、リーズナブルな料金で食事の評判も良い「旅館 ひげの家」に泊まった。

所在地 : 福島市町庭坂

福島市は東京からおよそ260km、西側の奥羽山脈と東側の阿武隈高地に挟まれた福島盆地の南西部分とその周辺の山岳・丘陵地域が市域である。
市西部にある扇状地は、かっては桑畑として利用されていたが、現在は果樹園に転用されている。


市域最大の観光スポットは、磐梯朝日国立公園内、土湯峠から平均標高1,350m、最高標高1,622mの吾妻連峰山麓を走り高湯温泉に至る29kmの磐梯吾妻スカイライン(日本の道100選)である。

途中、一切経山(1、949m)と吾妻小富士(1,707m)の間に開けた浄土平では、駐車場から15分ほどで吾妻小富士に気軽に登ることができ、ニッコウキスゲをはじめとする高山植物が咲き乱れる湿原を散策することもできる。

また、吾妻連峰の麓を走る14kmの道はフルーツラインの愛称がつけられ、季節になると桃・サクランボウ・梨・リンゴ・ブドウなどの果物狩りが出来る直販所が店を開く。

噴煙も舞い上がり、火山性ガスの注意も見かける磐梯吾妻スカイライン.

なだらかな山稜の間に点在する高湯温泉。前方に宿泊した「旅館ひげの家」。

住 所 福島県福島市町庭坂字高湯15-1
電 話 0242-591-1027
交通機関 東北自動車道福島西ICから国道115号線、県道70号線などで約16km
東北新幹線福島駅から福島交通バス高湯温泉行きで約40分、高湯温泉下車徒歩3分
施 設(日帰り) ロビー、売店、駐車場(14台)
宿 泊 14室T14)
平日2人1室12,750円~(2010年5月現在)
詳細は下記HPを参照ください。
泉 質 硫黄泉(含硫黄ーカルシウム・アルミニウムー硫酸塩温泉他)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
日帰り入浴時間 不可
定休日 不定休
入浴料金 ーーー
入浴施設 内湯・露天風呂:男女交代制で各2 貸切露天風呂1(無料・予約不要)
浴室備品 (内湯)シャンプー、ボディソープ、ドライヤー
観光スポット 磐梯吾妻スカイライン(日本の道100選)、磐梯山(裏磐梯)、桧原湖、五色沼、秋元湖、吾妻高原、浄土平、会津若松、喜多方
近くの温泉 土湯温泉郷、土湯峠温泉郷、飯坂温泉岳温泉、赤湯温泉、微温湯温泉、信夫温泉中ノ沢温泉
福島観光協会HP
高湯観光協会
ひげの家HP
http://www.f-kankou.jp/
http://www.naf.co.jp/azumatakayu/welcome.stm
http://www.geocities.jp/higenoie/
雑記帳 部屋こそ風情を欠くシンプルな造りだが、風呂・料理・スタッフの応接とも合格点、コストパーフォマンスの良い宿だった。
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

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甘味(苺のムース)

椀(沢煮椀 筍・豚肉・しいたけ・独活等)

蒸し物(薯蕷蒸し鯛・銀杏・しめじ)

口代り(筍・独活・紋甲いか木の芽和え)

温物(福島牛しゃぶしゃぶ)

お造り(原釜漁港より直送)

煮物(里芋饅頭)

焼物(ぎんだら西京焼)

小付(うるいと鰊の炒り煮)

前菜(独活・山いもなど11種の食材)

夕食は宿泊料金からすればとても上質なものだ。口コミでも料理に関する満足度が高い。
食材にもこだわりが見られ、魚介類は原釜漁港から直送されている。
品数は11品(食前酒を含む)と多いが、一つ一つが適度な量で、かつ油が使用されていないので胃の負担が少ない。しかし、若い人には物足りないかもしれない。

夕食は部屋食だったが、三つの膳に料理が載せられて畳に置かれる、最近では珍しい提供方法だ。
女将が書いたお品書きが渡されるのも嬉しい。

ひげの家はメインストリートから少し外れているが、安達屋や共同浴場とは指呼の距離だ。高湯温泉にあっては「吾妻屋」とともに日本秘湯を守る会の会員宿である。
「ひげの家」というユニークな名前は、創業者が長い髭をたくわえていたのでこれに由来する。
外観は見る位置によって安普請のプレハブ住宅に見えたり、洒落た洋館に見えたり、堂々たる門を持つ数寄屋造りの老舗旅館と勘違いしてしまいそうな玄関があったりする。

滝の湯(左)と月見風呂(右)
滝の湯は檜造りの回廊を通って向かう。
5,6人が入れる程度の風呂から、温泉が湧出する荒れた沢が見下ろせる。

右の月見風呂は内湯から繋がっている。
いずれも温度は低目で、冷気に当たりながら長湯できる。

部屋はシンプルな8畳の「わたすげ」。ソファが置かれた広縁、窓は出窓になっている。料金は平日宿泊2人1室で1人13,000円(税込)

6年前に改装された玄関周りはウッディな落ち着いた雰囲気部屋数は14室(6畳~8畳、何れもトイレ付き)、料金は平日の12,750円から土曜・休前日16,950円まで(2010年4月現在・・・詳細・最新情報は宿のHP参照)。

星見風呂は貸切の露天風呂。無料で予約は不要、空いていれば自由に利用できる。

仙気の湯

総檜の浴室はひろびろしているが、風呂そのものは6、7人が入れる程度の大きさ。


温泉注入が抑えられて湯の温度はそれほど高くなかった。

一方は露天風呂に繋がっていおり、深夜で男女が入れ替わる。

風呂は男女別の内湯・露天風呂(深夜男女交代)の他に貸切の露天風呂1ヶ所(無料・予約不要・・・空いていれば自由に使える)がある。

仙気の湯と呼ばれる内湯の風呂は大きくないが、檜をふんだんに使った温もりのある浴室、硫黄泉の青みがかった白濁の湯が掛け流しされている。
露天風呂は、一方は内湯からそのまま繋がっているが、もう一方は木造の回廊を通って向かうアプローチは雰囲気があって良い

日帰り入浴は受け付けていないが、近くの安達屋や共同浴場、少し離れた旅館玉子湯などで立ち寄ることが出来る。

源泉は2本有り、泉質は「含硫黄ーカルシウム・アルミニウムー硫酸塩温泉」と「含硫黄ーカルシウムー硫酸塩温泉」で共に硫黄泉、一方はかなり強い硫黄臭がした。

風 呂

●食前酒を含めて11品。高級食材も使われ、高橋料理長の一手間かけた料理が並ぶ。
 たとえば煮物の里芋饅頭は、ウニ・花弁百合根・ふかひれ餡とともに調理され、家内が絶賛した。

 お造りもありきたりの魚介でなく、鰈のえんがわ・白つぶ貝等、とても美味だった。

朝食は食事会場で。

夕食は部屋食(料金によって会場食になる)

料 理


施設名 : 旅館 ひげの家 (宿泊日:2009.5.11)
施設名 : 旅館ひげの家 (宿泊日:2009.5.11) 

温泉名 : 高湯温泉 

共同浴場の「あったか湯」

源泉場所。硫黄泉のため木材が多く使われている。周囲に硫黄の臭いが漂う。

温泉が湧く狭い河原に引き湯のパイプが縦横に敷かれている。