三富温泉郷 白龍閣 (山梨県)

甲府方面から雁坂トンネルを経由して埼玉県秩父・熊谷市に向かう国道140号線沿い、笛吹川の浅い渓谷を見下ろす三富温泉郷の一軒宿・白龍閣。だいぶ古びた外観・館内だが、湯量豊富な単純温泉が贅沢にあふれ出していた。

甲府盆地は温泉に関しては不思議な地域で、自噴温泉は皆無に近いが掘削すると豊富な湯量の温泉が湧き出す。

先日、宿泊した神の湯温泉に甲府盆地の地質構造が詳しく説明されていたが、風呂に浸かりながら見るにはあまりにも専門的で理解できず、頭には何も残っていない。

何はともあれ、掛け流しの旅館が甲府盆地や周辺の山間部に数多く点在し、特筆すべきは贅沢に温泉が風呂から溢れ出る日帰り温泉施設が非常に多いことだ。

山梨市観光協会のHPには、旅館を含めて日帰り入浴が出来る温泉施設がすべて列挙されている。


その中の掛け流し施設として、旅館では「川浦温泉・山県館」「岩下温泉・岩下温泉旅館」「三富温泉郷・白龍館」。
日帰り施設では「正徳寺温泉初花」「はやぶさ温泉」等があり、この他、眺望で有名な「ほったらかし温泉」、市営の温泉施設として、掛け流しの「みとみ笛吹の湯」他3ヶ所がある。

すぐ横を流れる笛吹川の清流。甲武信ヶ岳や国司ヶ岳を源流とし、富士川(釜無川)に合流する。流域の扇状地にブドウ等の果樹園が栽培されている。

例によって季節のフルーツ直販所に立ち寄り。今回はJAフルーツ山梨で、一般市場で見かけない種なしウインク、甲斐乙女などを購入した。

施設名 : 白龍閣 (入浴日:2011.9.15)

国道140号線に面する白龍閣。

温泉名 : 三富温泉郷
昼間の温泉宿は照明が落されていて、うら寂しい館内に見えるものだ。
白龍閣はそれを考慮しても、フロントが雑然とし、部屋数が30室と中規模なのでロビーなどもそれなりに広いのに家具調度類が少なく、ガランとして侘しく感じ、
掃除も行き届いていない感じがする。

宿泊料金は、平日が10,650円ー13,800円ー15,900円(土日祝祭日は10,650円が無い)で、15,900円の部屋はトイレ・洗面台が付くが、その他は共同トイレ・共同洗面所だ。

素泊まりや朝食のみのプランもあるので、最新・詳細情報は、宿のHPを参照ください。

風呂は、かなり大きな内湯と笛吹川の清流を真下に見る露天風呂がある。
温泉は動力浮揚で泉質はさらさらした単純温泉、湯量は368リットルと豊富、しかも52.5℃の高温泉だ。

これらの数字は当初湧出時の数値で、現在は湯量も温度も低下しているだろうが、内湯に打たせ湯となって高所から豪快に温泉が落される様を見ると、いまだかなりの湧出量なのだろう。

露天風呂は内湯から階段を下った笛吹川の真上にある。湯の温度は低かった。葉っぱなどが溜まって、やや清潔感に欠け、これにより風呂全体に厳しい評価している口コミを見かけたがこれはマイナー。ある程度温泉に詳しいと思われる人の評価は高かった。

関東に住む人でも県庁所在地の甲府市は知っていても、県名と同じ名前の山梨市の存在を知らぬ人がけっこう多い。

2005年3月、近隣の東山梨郡牧丘町、三富村と合併して市域を広げた山梨市は、JR中央線・中央自道車道・国道20号線を通じて首都圏から100kmの地域圏にある。

市域の標高差が300m〜2000m、面積の80%を森林が占め、北部の甲斐甲武ヶ岳に代表される秩父山系や西沢渓谷などは、秩父多摩甲斐国立公園の区域内にある。

山梨県と言えば、ブドウや桃などの産地であるが、同市にもワインメーカーが数多くあり甲州ワインの産地として知られる。
市営の笛吹川フルーツ公園では、一年を通じて、さまざまの果実が生産されている。

東京の実家往復の際には中央道を利用するが、果物の季節には、中央道勝沼ICまたは一宮長御坂ICから国道20号線に降りて、沿線上のブドウ(勝沼)や桃(一宮)を買うのを楽しみにしている。

住 所 山梨県山梨市三富川浦297
電 話 0553−39−2611
交通機関 中央自動車道勝沼ICから国道20号線・140号線で約21m
JR中央本線山梨市駅から市営バス西沢渓谷入口行きで43分、雷下車徒歩1分
施 設(日帰り) 湯上がり処、売店、 駐車場
泉 質 アルカリ性単純温泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
日帰り入浴時間 午前10時〜午後8時
定休日(日帰り) 不定休
日帰り入浴料金 大人500円
入浴施設 内湯男女各1、露天風呂男女各1
浴室備品(日帰り) シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 武田神社、恵林寺、笛吹川フルーツセンター、苺・桃・ブドウ狩り、桃開花鑑賞、西沢渓谷、周辺ハイキング、清白寺(国宝)、昇仙峡・富士五湖・清里
お土産・食事 事前予約により昼食付き入浴可能。
近くの温泉 川浦温泉みとみ笛吹きの湯はやぶさ温泉、岩下温泉、石和温泉・真木温泉・湯村温泉・塩山温泉・笛吹川温泉・一宮温泉・岩下温泉・御坂温泉・ももの里温泉・山宮温泉など多数(日帰り施設多し)
山梨市HP
観光協会HP
白龍閣HP
http://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/
http://www.yamanashishi-kankou.com/
http://hakuryuukaku.jp/index.php?id=6
雑記帳 2011年9月に入浴。その際にフロントで貰ったパンフレットの住所が山梨市三富川浦でなくて、東山梨郡三富村になっていた。
三富村が(旧)山梨市と合併し地名変更になったのが2005年3月で、既に6年半経過しているのに変更無し。
見込み違いの発注による大量在庫か、新規発注の際に住所変更を忘れたのか分からないが、何れにしてもずぼら、と余計な心配をしてしまった。

露天風呂入口から見る内湯、手前に小さな浴槽がある。この角度から見ると僅かに白濁しているように見えたが、これはタイルの色による錯覚か。

鉄筋5階建て、笛吹川を見下ろすロビーは玄関と共に4階に当たり、風呂はエレベーターで1階に下りる。

国道140号線に直接面する。このすぐ先にかって宿泊した川浦温泉山県館がある。看板から積極的に日帰り入浴を受け付けているのが分かる。

タイル張りのシンプルな浴槽だが、僅かに硫黄臭がする温泉が贅沢に縁から流れ出している。
甲府盆地周辺の風呂では珍しい光景ではないが、それでも感動する。
日帰り入浴は午前10時〜午後8時まで、料金は大人500円。

所在地 : 山梨市三富川浦 
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

笛吹川の浅い渓谷を見下ろす内湯は、20人が一度に入れるかなりの大きさ。左側の天然の崖を浴室に取り込み、その上部の2本の樋から温泉が落ちる豪快なものだ。

三富温泉郷は、北から西にかけての甲武信ヶ岳(甲州・武州・信州の一文字)・国司ヶ岳と東の大菩薩峠の谷間を走る国道140号線)に乗って、埼玉県秩父・熊谷市に抜ける雁坂トンネル方面に向かう。

甲府盆地から抜けて、山間地帯に入って日帰り施設「みとみ笛吹きの湯」を通り過ぎて間もなく、国道に面した左手に白龍閣が見えてくる。

ナビによっては(私のがそう)、左側を走る笛吹川沿いの隘路を指示するので注意が必要。
宿は国道に面しており、見逃すことは絶対ない。