福島市は東京からおよそ260km、西側の奥羽山脈と東側の阿武隈高地に挟まれた福島盆地の南西部分とその周辺の山岳・丘陵地帯が市域である。

市内からは西に吾妻連峰を、南西に安達太良山を仰ぐ。
古来から交通の要衝だったが、現在でも東北道の他、国道4号線から分岐する国道13号線の起点であり、鉄道では東北新幹線と山形新幹線の分岐となっている。


市域最大の観光スポットは、磐梯朝日国立公園に属する土湯峠から平均標高1,350m、最高標高1,622mを走り高湯温泉に至る29km、吾妻連峰を縫うように走る磐梯吾妻スカイライン(日本の道100選)である。
途中、噴煙が舞いあがる一切経山(1949m)と吾妻小富士(1,707m)の間に開けた浄土平では、荒々しい山塊を間じかに見ることが出来る。

吾妻連峰の麓を走る14kmの道はフルーツラインの愛称がつけられ、季節になると桃・サクランボウ・梨・リンゴ・ブドウなどの果物狩りが出来る直販所が店を開く。

飯坂温泉のシンボル的存在である共同浴場・鯖湖湯は、宿泊した「旅館 青葉」から徒歩2分の至近にある。
当然、ここでの入浴を予定していたが、宿泊した月曜日は定休日。
これは織り込み済みで翌朝に朝湯として浸かろうと思っていたら、当日は源泉配湯の工事で臨時休業。


こんな事情で、鯖湖湯の次に近い共同浴場はどこ?と宿に聞いたら教えてくれたのが八幡の湯、でも、鯖湖湯(かなり熱いので知られる)より熱いですよ、と但し書きが付いた。


八幡の湯は、日本三大喧嘩祭の舞台である飯坂八幡神社の前方左側の住宅街の中にあり、観光客を意識した鯖湖湯や波来湯と違い、シンプルな白塗りの平屋、地元の人が利用する共同浴場だ。
入浴したのは平日の午後4時、一緒だった3人はすべて近所の住民だった。

営業時間は他の共同浴場と同じく午前6時〜午後10時迄、定休日は毎週火曜日、入浴料金は大人200円。


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この記事作成中(2012.7.25)、フルーツラインは桃の出荷がピークだ。写真は昨年7月撮影、放射能汚染の風評被害がひどく、極端に引き下げて価格でも売れ残っていた。

飯坂八幡神社。

中央の変わった形の湯口から単純温泉が注がれ、デジタル湯温表示は46℃を示していた。とろみがある鈍い輝き、一目見て高温泉と分かったが、歯を食いしばって身を沈めた。高温特有のきりきり感が癖になるかもしれない。

福島市域には、東北を代表する温泉地の一つである飯坂温泉、何れも日本百名山の安達太良山と吾妻山の谷間や山麓に湧く土湯温泉郷と土湯峠温泉郷、そして白濁した湯が豊富に湧き出る高湯温泉などの温泉群が湯煙を上げている。

中でも飯坂温泉は、宮城県の秋保温泉・鳴子温泉とともに奥州三名湯に数えられている。また、古今和歌集にも詠まれている古湯であり、俳聖松尾芭蕉もここに立寄って温泉に浸かっている。

温泉街は、飯坂駅を出てすぐ右手に十綱橋が架かり、その下を流れる摺上川(すりかみがわ)の両岸に、大きな旅館・ホテルが立ち並んでいる。
しかしながら、団体客中心、歓楽的な要素が高かった全国の大温泉地と同じく、バブル崩壊後に大きなダメージを蒙り、最盛期に150軒あった旅館・ホテルが、現在は47軒に減少している。

特筆すべきは、歴史ある温泉地に相応しく9軒の共同浴場があることで(近くの穴原温泉の共同浴場1軒を含む)、温泉好きには嬉しい湯巡りが待っている。

飯坂温泉は奥州三名湯の一つで、古今和歌集にも詠まれている東北有数の大温泉地であり、温泉好きには、鯖湖湯をはじめ9ヶ所の共同浴場で浸かれるのが魅力的だ。
その内の一つ、喧嘩祭りで有名な飯坂八幡神社にほど近く、高温で知られた八幡の湯で入浴した。

所在地 : 福島市飯坂町

                   9ヶ所の共同浴場

鯖湖湯(さばこゆ)、波来湯(はこゆ)、切湯(きりゆ)、仙気の湯(せんきのゆ)、導専の湯(どうせんのゆ)、大門の湯(だいもんのゆ)、八幡の湯(やはたのゆ)、十綱湯(とつなのゆ)、天王寺穴原湯(てんのうじあなばらゆ)。

施設名 : 八幡(やはた)の湯 (入浴日:2012.7.9)

住 所 福島県福島市飯坂町字馬場20−1
電 話 024−542−4241(観光協会)
交通機関 東北自動車道福島飯坂ICから約4km
福島交通飯坂線飯坂温泉駅から徒歩約10分
施 設(日帰り) 特に無し、駐車場無し
宿 泊 不可
泉 質 単純温泉(泉温54.4℃)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 午前6時〜午後10時
定休日 毎週火曜日
入浴料金 大人200円 (館内自動販売機で支払い)
入浴施設 男女別内湯
浴室備品 カラン・シャワー無し、シャンプー類無し、ロッカー・トイレ有り
観光スポット 温泉街(温泉街散策・旧堀切邸・中野不動尊・医王寺・八幡神社(喧嘩祭)・福嶋 片岡鶴太郎美術庭園・飯坂明治大正ガラス美術館)
フルーツライン、磐梯吾妻スカイライン(日本の道100選)、磐梯山(裏磐梯)、桧原湖、五色沼、秋元湖、吾妻高原、浄土平、会津若松、喜多方
近くの温泉 穴原温泉、高湯温泉、土湯温泉郷、土湯峠温泉郷岳温泉、微温湯温泉、信夫温泉中ノ沢温泉米沢八湯、白石湯沢温泉、小原温泉、鎌先温泉
福島観光協会HP
飯坂温泉HP
http://www.f-kankou.jp/
http://www.iizaka.com/
雑記帳 飯坂温泉のシンボルである共同浴場・鯖湖湯の湯温が高温と聞いていたが、宿のスタッフが「もっと熱いですよ」と、「暗に外からの人は入れない」の意味を込めたコメントを無視して挑戦。
結果、入浴出来て、大きな満足感を得られた。
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

「八幡の湯」の館名は、すぐ近くにある八幡神社に由来する。
この神社の例大祭が、日本三大喧嘩祭の一つになっている。

因みに三大喧嘩祭は
・新居浜太鼓祭り(愛媛県新居浜市)
・伊万里トンテントン祭り(佐賀県伊万里市)
・飯坂けんか祭

(ウイキペディアから)

天王寺穴原湯:飯坂温泉から摺上川を2km遡った所にある穴原温泉の共同浴場。観光客の利用は少ない。

波来湯:摺上川沿い、十綱橋に近い。平成23年1月に再建された。太鼓やぐらを設けた和風の外観が特徴。

鯖湖湯:飯坂温泉のシンボルで一番古い共同浴場。平成5年に明治時代の様式に則って再建された。

飯坂温泉で最も雰囲気がある共同浴場の鯖湖湯(右奥)周辺。

タイル張り、小判型の浴槽。カラン・シャワー、シャンプー類は無く、皆、洗面道具一式を持参していた。

昔は近所の商店で入浴券を購入していたが、今はすべての共同浴場で、自動販売機にコインを投じて購入する。ロッカー、トイレ有り。

観光客を意識した鯖湖湯や波来湯と違い、平屋でシンプルな造り。駐車場は無い。青と赤の暖簾が目印だ。
温泉名 : 飯坂温泉

飯坂温泉 八幡の湯 (福島県)