温泉名 : 那須温泉郷 北温泉
館内には時代物の家具・民芸品やセピア色の写真等が所狭しと置かれている。湯治客は、夜になるとここに集うのだろうか。

那須温泉郷 北温泉 北温泉旅館 (栃木県)

那須温泉郷にあって、三斗小屋温泉と並んで秘湯度が高い北温泉の一軒宿、北温泉旅館は江戸・明治・昭和三代の木造建築が現役で使用されており、いまも自炊湯治が可能な宿だ。
もちろん掛け流しの風呂群の風情もたっぷり、温泉マニアを歓喜させる趣きに満ち溢れている。

何段階もの砂防ダムを流れ下る渓流沿いの「河原の湯」は男女別にある。
宿のHPでは、「明治時代に造られた比較的新しい浴場」と紹介されているのが凄い。

駐車場から下って宿に近づくと、一目で年代物と分かる木造建築群が目に飛び込んでくる。

幕末に近い江戸時代安政年間(1854年〜1859年)、明治及び昭和に建てられた宿泊棟には全部で45室(古いデータなので今もこの数か不明)の客室がある。

宿泊料金はハイシーズン・曜日・宿泊人数等に関係なく、上記の建設時代に応じて決められているのが面白い。

昭和時代:9、500円、明治時代:8、500円、昭和時代:7、500円で4泊以上連泊すると500円〜1、000円割引になる。
自炊も可能で、宿泊日数に応じて、4、150円〜4、650円となっている。


日帰り入浴は午前8時30分〜午後4時までで、料金は大人700円だ。
有料の部屋休憩や5人以上であれば弁当(1、000円〜)付き入浴も可能だ(1週間前に予約)。

               天狗湯
北温泉旅館と言えば、ガイドブックには必ずこの天狗湯の写真が掲載されている。浴舎内は薄暗く、床も浴槽も素っ気ないコンクリート打ちっぱなし。
浴槽からは、渚に波が打ち寄せるように温泉が流れ出て、
マニアが感涙する風景を作り上げてい。

河原の湯に下る廊下。ここもなんとも趣きある風景だ。

高台にある駐車場から徒歩7〜8分(400m)、谷底に向かって下って行くと、北温泉旅館が見えてくる。

天狗の湯に向かう途中の館内風景はマニアにはたまらない雰囲気だ。

江戸・明治・昭和時代の木造建築が並ぶ。

古い浴舎によくある脱衣所一体型の風呂。風呂は4mx2m程度。日によって違うのだろうが、この日は激熱ではなかった。

ご覧の様な掛け流し状態。泉質は無色澄明無味無臭の単純温泉(泉温56℃ pH6.2)

「ぬる湯」は小さな浴槽。

上記3ヶ所の風呂が並ぶ湯屋で、これを纏めて天狗の湯と呼称し、すべてが混浴だ。

所在地 : 那須郡那須町湯本

住 所 栃木県那須郡那須町湯本151
電 話 0287−76−2008
交通機関 東北自動車道那須ICから県道17号線等で約30分。
JR那須塩原駅から東野交通バス那須湯本・那須ロープウェイ行きで1時間、北温泉入口下車、徒歩30分(不確実なので宿に確認ください)
施 設(立ち寄り) 有料で部屋休憩可能、駐車場(30台分くらい―目視で算出)
宿 泊 45室(不確実) 7,500円〜9,500円(詳細・最新情報は下記HP参照のこと)
泉 質 単純温泉 泉温56度 pH6.2 無色澄明無味無臭
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 午前8時30分〜午後4時
定休日 不定休
入浴料金 大人700円
入浴施設 内湯:男女各1 混浴1 露天風呂:男女各1 混浴1
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー等あるかどうかチェック漏れ
観光スポット 那須ロープウェイで山頂駅徒歩40分で茶臼岳山頂へ、
殺生石、那須温泉神社、沼原湿原、多数の美術館・博物館・テーマ館、サファリパーク、那須ガーデンアウトレット
お土産・食事 那須高原・那須温泉一帯に多数の店あり。
近くの温泉 那須温泉郷(那須湯本大丸・北等)、板室温泉那須黒磯温泉塩原温泉郷、鬼怒川温泉、川治温泉馬頭温泉喜連川温泉
那須町HP
那須観光協会HP
旅館組合HP
北温泉旅館HP
http://www.town.nasu.lg.jp/
http://www.nasukogen.org/
http://www.nasuonsen.com/
http://www9.ocn.ne.jp/~kitanoyu/
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

那須町は栃木県の最北端にあって福島県と接し、町域の一部は日光国立公園に指定されている。

都心から約180km、東京・仙台間のほぼ中央に位置し、北西には那須連山の主峰、今も煙を噴き出している那須岳(茶臼岳1915m)が聳えている。

その南斜面には、鬼怒川・塩原と並ぶ栃木県三大温泉の一つ、那須温泉郷が湯煙を上げている。
周辺の那須高原には、別荘地、テーマパーク、酪農品販売店や洒落たレストランが展開し、さらに近年オープンしたアウトレットも加わり、日帰りを除く宿泊客だけでも年間約500万人に達している。

標高が200mほどの東部地域まで、その標高差は1、700mもあるので、町域は起伏の多い複雑な地形をしている。
傾斜地を利用した酪農が盛んで、中央・東部地区は水田が広がっている。
また皇室の那須御用邸があることでも知られている。

さして大きくない風呂にこれだけの注入。単純温泉なので、肌触りはさらさら感。

打たせ湯(不動の湯)

頂上に雲がかかる那須岳山麓には那須温泉郷の秘湯が点在する。

宿に到着すると、先ず目に飛び込んでくるのが右手にある「泳ぎ湯(HPでの名称)」。15mx10mでまるで温水プールで、裸湯でも水着でも入浴出来る。下には子供用の浴槽(5mx3m)もある。
あいにく当日は清掃時間に当たり、残念ながら入浴出来なかった。

また近くに、明治時代の浴舎に男女別の浴槽「相の湯(昔混浴だったことから由来する名称)」」があるが、家内を1時間近く待たせることになるのでパスした。
他に女性専用の展望風呂「芽の湯」があるが、これら風呂の全貌については、こちらのサイトをご覧ください。

源泉が高温の為加水していた。この周辺は38℃位でやや温め。

那須連山の主峰であり、栃木県唯一の活火山である那須岳(茶臼岳1915m))の南麓にかけて、多数の火山性温泉が湧出しており、これらを総称して那須温泉郷と言う。

那須温泉郷の歴史は古く、発祥となった那須(湯本)温泉の鹿の湯は、奈良時代の天平10年(738)に著された正倉院文書『駿河国正税帳』に登場し、小野朝臣が従者を伴って、湯治のため那須温泉に向かうという記述があるそうだ。

明治以前に板室、三斗小屋、大丸、北、弁天、高雄と次々に温泉が発見され、これを那須七湯といい、その後温泉が増えて12湯とも呼ばれた時代もあったが、離れた地にある板室温泉や廃湯となった温泉を除いて、現在は那須八湯と呼ばれることが多い。
即ち、那須温泉(鹿の湯)、三斗小屋温泉、大丸温泉、北温泉、弁天温泉、高雄温泉、八幡温泉、新那須温泉である。

東北自動車道那須ICを下り、県道17号線で那須温泉を通過してボルケーノハイウエイで北上し分岐した先、深い山間(やまあい)の谷に、年月を重ねた古い木造の建物がひっそりと佇んでいる。
それが那須温泉郷でも秘湯度が高い北温泉の一軒宿、北温泉旅館だ。

施設名 : 北温泉旅館 (入浴日:2011.8.31)