銘木の柱を使い、歴史を感じさせる館内。フロントも帳場と言う言葉がピッタリの雰囲気だ。入浴料金は800円でフェースタオル付き。

鳩の湯温泉 三鳩楼 (群馬県)

温泉郷を名乗るがたった2ヶ所の温泉地(薬師温泉・鳩の湯温泉)、それに両方とも一軒宿の小さな浅間隠温泉郷。
この内の一軒、創業が江戸時代に遡り、この時代に自前のHPを持たない素朴な温泉宿、三鳩楼(さんきゅうろう)に立ち寄った。

所在地 : 吾妻郡東吾妻町大字本宿

吾妻郡(あがつまぐん)は、群馬県西部の郡で、東吾妻町・草津町・高山村・嬬恋村・中之条町・長野原町の4町2村で構成されている。

東吾妻町は群馬県の北西部に位置し、町のシンボルである奇岩怪石の岩櫃山(いわびつやま 802m)が峻烈な山容を見せている。

これ以外にも、国指定名勝で関東の耶馬渓と言われる吾妻峡、360度のパノラマが広がる浅間隠山(あさまがくしやま 1、757m)、名水百選の箱島湧水、上毛三山の一つ榛名山のカルデラ湖である榛名湖など、豊かな自然に恵まれている。

18枚の桧枚の蓋で覆われた内湯の浴槽。
温泉の効能・桧の香りのために、江戸時代中期からこの方法が取られていたとの表示があったが、何よりも保温効果が高いだろう。

薬師温泉の一軒宿「かやぶきの里 薬師温泉旅籠」は日本秘湯を守る会の宿ながら、部屋数が多く、宿泊料金もけっこう高い。

鳩の湯温泉は、上州の義侠・国定忠治が拘束された大戸関所跡から国道406号を西へ7~8km、温川上流沿い、薬師温泉の300mほど手前にある。
周辺は低い山々が取り囲み、小さな盆地の丘陵斜面に位置する。

ここは江戸時代から湯治場として知られ、旅人が大戸関所を越える前に温泉に浸かり、旅の疲れをとった。

桧蓋の移動はここでギブアップ。乱雑な積み重ねに赤面。
浴槽は4mx2mほど、温泉は40℃ほどのナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩温泉で、出汁味、貝の澄まし色。灰色の湯の華が舞っていた。
入浴時に温泉は落されてなくて、掛け流しとしてはやや鮮度に欠ける。

東吾妻町の町域内には、川中温泉、松の湯温泉、浅間隠温泉郷(鳩の湯温泉・薬師温泉・温川温泉は休業中)等の一軒宿の素朴な温泉の他、幾つかの日帰り温泉施設がある。

この内、山頂からの眺望が素晴らしいと言う前出の浅間隠山登山口近くに鳩の湯・温川(ぬるかわ)・薬師の3つの温泉が点在していて、これらを纏めて浅間隠温泉郷と言う。
何れも一軒宿だが、このうち温川温泉の白雲荘は休業中だ。


   ★ やなぎさんのHP ★まぐぞーさんのHP ★単純硫黄泉さんのHP

ここの入浴前の儀式は、重い桧の蓋18枚の移動。温泉HP仲間の記事をご覧ください。
温泉名 : 鳩の湯温泉
住  所 群馬県吾妻郡東吾妻町大字本宿3314
電  話 0279-69-2421
交通機関 関越自動車道渋川伊香保ICから約43km
JR吾妻線中之条駅からタクシーで約30分
日帰り用施設 特に無し
宿  泊 11室 10,000円前後(詳細不明)
日帰り入浴時間 11時~15時(要確認)
定休日 不定休
泉 質 ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉、 PH値6.8、源泉温度44℃ 21ℓ/分
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴料金 大人800円(タオル付j)
入浴施設 内風呂:男女各1 露天風呂:男女各1
浴室備品 シャンプー、ボディソープ
観光スポット 榛名山・榛名湖・吾妻渓谷・軽井沢・草津温泉・伊香保温泉(竹久夢二記念館等)・白根山(湯釜)・志賀高原
お土産・食事 館内不可(薬師温泉 旅籠で可)
近くの温泉 薬師温泉・鳩ノ湯温泉・温川温泉(休業)・松ノ湯温泉・倉渕温泉・つま恋温泉川原湯温泉草津温泉沢渡温泉伊香保温泉・川中温泉・湯の平温泉万座温泉尻焼温泉
東吾妻町HP
観光協会HP
三鳩楼HP
http://www1.town.higashiagatsuma.gunma.jp/
http://www.tohgoku.or.jp/~aysk/
無し
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前に当該施設のHPなどでご確認ください。)。

日本秘湯を守る会の宿・薬師温泉旅籠黒沢明監督の時代劇映画に出てくるような、かやぶきの長屋門。

大きな道標が設置されている。右手の温川温泉の一軒宿・白雲荘は休業中だ。

吾妻峡を流れる吾妻川は、坂東太郎の異名を持つ利根川の支流で、群馬県嬬恋村と長野県との境界に位置する鳥居峠に源を発し、吾妻郡内を東に流れ渋川市で利根川に合流する。

近年、建設中止か続行か二転三転したことで話題になった八ツ場(やんば)ダムは、吾妻川の川原湯温泉付近にある。

東吾妻町坂上地区の大字大戸にはかって関所があり、任侠の国定忠治が捕えられ、この地で磔に処された。関所跡付近には慰霊碑が建てられている。

内湯から着替えて移動する2mx2mほどの露天風呂。ガラスがはめ込まれていて、純粋には露天風呂では無くなってる。
風呂から、温川の流れが見えるが、ガラスには対岸から見えない加工がしてあるのかもしれない。

温泉サイト仲間の皆さんが訪れている三鳩楼、何回も入浴が出来る機会があったが、家内を車内に待たせる遠慮があって実現しなかった。

今回は、東京の長女夫婦の家に泊まりながらの1人旅。
草津温泉
杓凪華宿泊)に向かう途中、時間がたっぷりあったので浅間隠温泉郷に立ち寄った。

薬師温泉は入浴済み、温川温泉の白雲荘は休業と事前に承知していたので、迷うことなく三鳩楼に向かった。


三鳩館は、明治時代に建設された入母屋造り、200年以上の歴史を有する老舗宿の雰囲気を漂わせている。
館内も同様、まるで時の流れが止まった様な宿だ。
また、いまどき、インターネット上のホームページを有しない宿も珍しい。
従って、宿の情報は少ないが、東吾妻町観光協会のHPを見ると、部屋数は11室、10、000円程度で宿泊出来るようだ。

桧板一枚がとにかく重い。風呂に入る前に持病の腰痛を悪化させたらかなわない。最初の2枚ほどを端に移した後、湯船に入って持ちあげて前後に積み重ねた。この段階で浸かろうと思ったが、もう少し頑張った。

浴室への渡り廊下。

途中で見かけた客室。畳が傷まないように和卓が立てられている。

途中、薬師温泉と鳩の湯の案内板が競うように立てられていた。

三鳩楼は200年以上の歴史を有する。入母屋造りのこの建物は明治初期のもの。

国道406号線を、草津方面に向かって走る。間もなく浅間隠温泉郷だ。

途中、信州街道の道標を見かけた。

施設名 :三鳩楼(さんきゅうろう)(入浴日:2015年7月13日)