夏こそじっくり「ぬる湯」の旅 ベスト10
日経新聞朝刊プラス1 (2018年7月28日)
蒸し暑い夏こそ「ぬるめ」の温泉に気持ちよく長〜くつかりたい。人肌に近い温湯で体への負担も少なく、体の芯からくつろげる。全国の湯量豊富な掛け流しの「ぬる湯」を10人の専門家(氏名省略)が評価した。
当サイト管理者は、この10ヶ所の内、9位の「ひめしゃがの湯」を除く9ヶ所で宿泊または入浴しているので、当紙本文(抜粋)に若干補足する。
順位 | 温泉施設名 | 風呂写真 | 記事(一部) |
1位 | 祖谷温泉 ホテル祖谷温泉 |
(徳島県三好市) 百名山の剣山(1、955m)を源とする祖谷川がV字に削った祖谷(いや)渓谷は、日本三大秘境の一つ。その断崖に建つ20室の小さなホテル。露天風呂は高低差170m、急勾配のケーブルカー(下記写真)で下った祖谷川沿いにある。 白い湯の花が舞い、ほのかに硫黄が香る露天風呂から、ダイナミックな渓谷の景色が眺められる。 白濁した湯は38℃前後、ぬるっとして体に泡が付き、しゅわしゅわ感が楽しめる。熱湯が苦手の外国人にも人気が高まって宿泊者の4割が外国人だ。 JR大歩危駅からタクシーで30分 19,590円〜 |
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2位 | 白骨温泉 泡の湯 |
(長野県松本市) 白骨(しらほね)温泉は、中里介山の名作、「大菩薩峠」の舞台となった温泉。 乗鞍岳の東山麓にひっそりたたずむ、豊かな自然に囲まれた温泉宿。 樹木に囲まれた70畳の混浴露天風呂は37度とぬるめ。湯は白く濁っており視線を気にせずゆっくりと浸かれる。 露天風呂の他に37度の「ぬる湯」、40度の「あつ湯」、内湯露天風呂もある。 温泉巡りを始めて6年、500湯達成記念としてここに宿泊した。 JR松本駅からバスで約120分 17,280円〜 |
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3位 | 貝掛温泉 |
(新潟県湯沢町) 温泉と館名が同一の貝掛(かいかけ)温泉。奥湯沢の奥深い場所にあるが、新幹線を使って比較的手軽に行ける。 無色透明無臭の湯にメタホウ酸を多く含み、江戸時代から「目の温泉」として知られてきた。 人肌の温もりで、湯枕に頭を載せて体を浮かせていると宇宙空空間にいるような浮遊感がある。 男性露天風呂の横に源泉小屋が有り、生まれたばかりの新鮮な温泉が味わえる。温い内湯も素晴らしい。 JR越後湯沢駅からバスで貝掛温泉入り口まで約25分、徒歩約10分。 |
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4位 | 壁湯温泉 旅館福元屋 |
(大分県九重町) 筑後川の源流の一つ町田川の畔にある田舎家風の宿。 少々恐く感じるオーバーハングの洞窟風呂は混浴で、湯温は約37度。無色透明で肌に柔らかく感じる。 天然洞窟の岩盤奥から湧出する温泉がそのまま湯船になっているので、とびきりピュアな源泉風呂を味わえる。 美しい緑色の渓流沿いにあって、心身共に癒やされる。 海外からのリピーターも多いという。 JR豊後森駅からタクシーで約30分 15,500円〜 |
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5位 | 長湯温泉 ラムネ温泉舘 |
(大分県竹田市) 久住山麓の丘陵地帯にある長湯温泉の日帰り施設。 32度の高濃度炭酸泉と、41度の茶色い濁り湯が有り、交互に浸かるのがお薦め。 低温の炭酸泉が肌にびっしりと付く泡がしゅわしゅわと心地よい。露天風呂は寒い季節はシートで被われる 建築家の藤森照信さん設計の建物(写真)も魅力。 JR豊後竹田駅からバスで約40分、道の駅ながゆ温泉下車徒歩約10分 大人500円 10時〜22時 定休日毎月第1水曜日(1、5月は第2水曜日) |
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6位 | 七里田温泉 下湯 |
(大分県竹田市) 久住高原東端の低い山間にある日帰り施設。 七里田温泉館が「木乃葉の湯」とともに管理してる。もともと地元の共同浴場だったが、温泉組合の協力で一般開放され、いまや知る人ぞ知る人気の施設になっている。 「あり得ない極上の大量泡付き(写真下)、日本一クラスの名湯」と言う人もいる。詰めて6人くらいの小さな湯船なので、団体は避けたい。」 写真はここを教えてくださったプースケさんからの頂き物。当日、入浴客で満員状態、撮影できなかった。 JR豊後竹田駅からタクシーで約30分 大人500円 9時〜21時 定休日毎月第2火曜日 |
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7位 | 湯川内温泉 かじか荘 |
(鹿児島県出水市) 北薩地域の最高峰、紫尾山の中腹にあるひなびた温泉宿。明治維新まで島津家の御用達湯治場だった。 源泉が異なる「上の湯」と「下の湯」があり、ともに38度と温めだが、上の湯の方が炭酸の泡が多めのようだ。 何れの浴槽も足元湧出、生まれたての滑らかな湯は、まるでクリスタルガラスのような硬質な透明度がある(写真はプースケさん撮影)。 ここもプースケさんのご紹介で宿泊、最高の感動を味わえたことに感謝。 JR出水駅からタクシーで約15分 5,050円〜 |
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8位 | 下部温泉 古湯坊源泉舘 |
(山梨県身延町) 富士川支流の下部川沿いにある。戦国時代には戦のけが人の湯治場、江戸時代には久遠寺参詣の宿として利用されてきた。数ある「武田信玄の隠し湯」の代表的な湯だ。 自然の湯壺に浮く板敷の下の岩盤の深い底から透明、31度の湯が湧き上がってくる。混浴だが、女性はガーゼタオルの着用が許されている。 下の古色蒼然の建物はいまも同じだろうか? JR下部温泉駅から送迎有り 11,490円〜 |
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9位 | 飛騨小坂温泉郷 |
(岐阜県下呂市) 10ヶ所の内、ここだけはまだ入浴していない。 木曽御嶽山の西山麓に湧く日帰り施設。 源泉は地下1000mからの自噴間欠泉。24〜25度でじっくり浸かる湯。 日本有数の炭酸泉で、サイダー泉とも言われ、飲泉も出来る。 季節によって冷たく感じるが、夏の露天風呂ならば、山間の冷涼な空気と相俟って爽快な入浴が楽しめる。 写真はここのHPから借用。 JR飛騨小坂駅からタクシーで約15分 大人650円 10時〜21時 定休日毎週水曜日 |
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10位 | 十勝岳温泉 湯元凌雲閣 |
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(北海道上富良野町) 標高1280m、北海道で最も高い場所にある雲上の温泉宿。勤務会社OBとともに7泊の道内湯巡りの際に立ち寄った。 男女それぞれ4つある湯船のうち、2つずつがぬる湯。 茶褐色の露天が37度、透明な内湯が32度前後。 露天風呂からは、壮大な十勝岳連峰が眼前に聳え、火口からは噴煙が舞い上がるのが見える。 ぬるめの露天風呂で長湯すれば、心ゆくまでこの絶景を楽しめる。 JR上富良野駅からバスで約40分 12,420円〜 |