新穂高温泉の名付け親の宿で、井上靖の代表作「氷壁」に一軒宿として登場する中崎山荘は閉館したが、2年半後の平成22年4月に日帰り温泉施設として復活した。
その「中崎山荘 奥飛騨の湯」は、新穂高温泉の最深部、新穂高ロープウエイから指呼の距離にあって、背後には3000m級の山々が迫り、その眺望は奥飛騨温泉郷No1、硫黄臭、青く白濁、湯の花が舞う源泉掛け流しの風呂も素晴らしかった。
飛騨地方の中央に位置していた高山市だが、2005年2月1日、奥飛騨温泉郷を持つ旧上宝村を含む近隣9町村と合併した。
これによって、東京都に匹敵する日本一広い面積を有する新しい高山市が誕生した。
高山市はもともと観光都市で、 高山陣屋などの歴史的建造物、からくり人形など飛騨の匠の技による華麗な屋台が引き回される高山祭(山王祭・八幡祭)。
さらに江戸時代から続く2ヶ所の朝市、飛騨の名物である飛騨牛・朴葉味噌・赤株から高山ラーメンに至るまで、郷土色豊かな高山市は多くの観光客を惹きつけてきた。
今回の合併により、北東部には槍ヶ岳・乗鞍岳・穂高連峰など3000m級の山々が連なる飛騨山脈(北アルプス)が市域に加わった。
さらに湯量豊かな5つの温泉地を有し、日本一の露天風呂数を誇る奥飛騨温泉郷を市域に組み入れ、一大観光都市となった。
施設名 : 中崎山荘 奥飛騨の湯 (入浴日:2014.4.17)
鏡の形状によりちょっとアンティークな雰囲気がする。
日本温泉協会温泉利用証。内湯と露天風呂とも、全国的にごく稀な源泉・泉質・給排湯・方式など6評価項目全てが5点。因み内湯が単純硫黄泉、露天風呂が単純泉とあるが、白濁の有無等からして、どうも逆の様な気がするのだが・・・。。
この奥飛騨温泉郷の中で、北アルプスの雄峰が迫る最深部にあるのが新穂高温泉である。
かっては北アルプスの登山口として、山男たちが愛してきた秘湯だったが、現在は旅館・民宿・ペンションが40軒ほど、5つの温泉の中で最も大きい温泉地になっている。
新穂高温泉は、次の3地区から構成されている。
蒲田川沿いに旅館が並ぶ「蒲田川地区」
焼岳や錫杖岳などの荒々しい山容をまじかに見る小高い丘にある「中尾地区」
北アルプスの雄峰、穂高岳や槍ヶ岳が迫ってきて、フランス・モンブランに続く世界第二位の長さの新穂高ロープウエイに近い新穂高地区
多くの旅館の露天風呂からは北アルプスの山々を眺望でき、それらの山々の名称を用いた旅館・ホテルも多い。
穂高岳や槍ヶ岳等の3000mの山々が迫る新穂高温泉への道。
営業時間は8時~20時(冬季は8時~18時)、定休日は不定休(月に3回ほど)なので、事前に電話で確認しておくこと。料金は大人800円。
4mx5m位の中規模の檜風呂。アルカリ性単純温泉だが、硫化水素臭があり青く白濁、温度は適温。
奥飛騨温泉郷のシンボルの一つ、日本の滝百選の平湯大滝は幅6.1m、落差64m。
九州で事例が多い竹の穂先を使った源泉温度を下げる装置。これにより93℃の源泉に加水(もちろん加温も)することなく、100%源泉の単純硫黄泉をかけ流ししている。右は露天風呂から見る白銀の笠ヶ岳(標高2898m)
住 所 | 高山市奥飛騨温泉郷神坂720 |
電 話 | 0578-89-2021 |
交通機関 | ・中部縦貫自動車道高山ICから国道158・471号、県道475号を奥飛騨温泉郷方面へ50km ・長野自動車道松本ICから国道158・471号、県道475号を奥飛騨温泉郷方面へ65km ・」JR高山本線高山駅から濃飛バス新穂高ロープウェイ行きで1時間32分、新穂高温泉下車すぐ |
宿 泊 | 不可 |
泉 質 | ・内湯:アルカリ性単純温泉(83℃ 500ℓ/M pH8.5 地下水加水) ・露天:単純硫黄泉(93℃ 500ℓ/M pH8.5 加水加温無)) |
適応症 | 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間(日帰り) | 8時~20時(冬季は8時~18時) |
休館日 | 不定休(館内に月4回程度の休館日の表示があったが、火曜を中心に月・水曜日の日もあり、事前に電話確認しておく方が良い。 |
入浴施設 | 内湯:男女別各1 露天風呂:男女各1 サウナ |
観光スポット | 新穂高ロープウエー、平湯大滝、上高地、乗鞍スカイライン、高山、松本 |
近くの温泉 | 平湯温泉、新平湯温泉、栃尾温泉、福地温泉、白骨温泉、乗鞍高原温泉、さわんど温泉、坂巻温泉、中の湯温泉、上高地温泉 |
高山市HP 飛騨高山観光協会 奥飛騨温泉郷観光協会 中崎山荘HP |
http://www.city.takayama.lg.jp/ http://www.hidatakayama.or.jp/ http://www.okuhida.or.jp/ http://shinhotaka.com/nakazaki.html |
湯口周辺には大量の湯の華が舞っていた。温泉が惜しみなく溢れ出て、縁には湯の華が付着している。「お願い。 湯溜まりをかき回さないでください。浴槽内の湯の花が浮きあがり、入浴する方がアカや汚れと勘違いする恐れがあります」の表示がかけられていた。どこの旅館もこの種の苦情には往生しているようだ。
内湯に設けられた飲泉場。口に含むと酸味と弱い硫黄臭。
食事処・休憩処・駐車場(14台)有り。入浴した日は、「カレー(5種類)のみ」の貼紙があった。
中央緑色のフェンスが見えるところが中崎山荘奥飛騨の湯。