食 事

美ヶ原温泉 酒井屋旅館 (長野県)

日帰り入浴不可

美ヶ原温泉と言う名前に騙されて、松本市の東側、筑摩山地の一角にある美ヶ原高原に位置するイメージを抱くが、高原からは15kmも離れており、実際は松本市街から東に5kmほど、浅間温泉と隣接する中規模の静かな温泉地である。
宿はインターネットの口コミ評価が高い酒井屋旅館に宿泊したが、部屋数は僅かに5室、13,000円の料金にしては珍しい個室で取った食事は評判通りの温もりのある美味しい料理だった。

練物のデザート

天麩羅(蕗の薹などー下に饅頭・とろみの汁、とても凝った一品)

ししゃも(北海道)

酢の物(蛍烏賊)

武骨なお造り

蒸し物(美味だった)

煮物(がんもどき・大根・筍ー懐かしい味))

湯 葉(山葵添え)

じゃらんの風呂に関する口コミ評価4.5は高すぎと思われるが、食事の満点の5はオーバーだが、好評なのが頷ける。
先ずは宿泊料金からして個室で取ることが最初の驚き。
そして華やかとか繊細とは無縁だが、地味で分厚い食器に盛られた「滋味豊か」の言葉がぴったりの料理が一品毎にタイミングよく供され、久しぶりにゆったりとした夕食を楽しんだ。

松本市は、国宝・松本城を中心とする旧城下町で、長野県の中央やや西にあり、県庁所在地の長野市から南西へ75km、東京から西北へ約240kmに位置している。

キャッチフレーズは「文化香るアルプスの城下町」、「三ガク都(楽都、岳都、学都)」である。

2005年の合併後の市域は、西の飛騨山脈(北アルプス、3000m級)から、東の筑摩山地(美ヶ原など2000m級)までと広大となった。

観光資源としては、松本市は日本を代表する山岳観光地(上高地・乗鞍高原)と従来の浅間・美ヶ原温泉に加えて、白骨乗鞍高原坂巻さわんど中の湯などの温泉地を一挙に手に入れることになった。

美ヶ原温泉は浅間温泉とともに市の郊外、北アルプスを望むなだらかな丘の斜面に大小の旅館が点在ている。

施設名 : 酒井屋旅館 (宿泊日:2012年3月22日)

温泉名 : 美ヶ原(うつくしがはら)温泉

住 所 長野県松本市里山辺湯の原269−2
電 話 0263−32−4103
交通機関 長野自動車道松本ICから約8km
JR篠ノ井線松本駅松本駅前から松本電鉄バス美ヶ原温泉行きで20分、終点下車
宿 泊 5室(8畳と10畳 全室トイレ付き(ウオッシュレット)
宿泊料金は税込13,000円が中心(2012年8月現在)
泉 質 アルカリ性単純温泉(4本の源泉の混合泉)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 日帰り不可
入浴施設 内湯男女別各1 (露天風呂無し)
観光スポット 松本(松本城など)、美ヶ原、上高地、乗鞍高原ビーナスライン、白馬、安曇野
お土産・食事 館内不可 浅間温泉で可
近くの温泉 浅間崖の湯鹿教湯別所霊泉寺さわんど白骨乗鞍高原温泉
松本市HP
旅館組合HP
松本観光HP
酒井屋旅館HP 
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/
http://www.mcci.or.jp/www/utsukushi/
http://www.matsumoto-tca.or.jp/
http://www11.ocn.ne.jp/~sakaiya/
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

白壁2階建ての酒井屋旅館。奥に「すぎもと」等小さな旅館・5軒が並ぶ。

左:磨きこまれた玄関先。 中:湯上り処として使えるロビー。右:部屋は2階の「壱番」で道路に面している。高級感は無いが昭和初期の雰囲気を漂わせる10畳和室。それに3畳の踏込み、広縁、独立したトイレ(ウオッシュレット)と洗面所(13,000円税込)。炬燵が置かれ、予め布団が丸められて置かれていた。

部 屋 4.7 料 理(夕食) 5.0
風 呂 4.5  接客・サービス 4.8
料理(朝食) 5.0  清潔感 4.9 

じゃらん口コミ評価 総合4.9(19件平均) 
2012年8月26日現在

所在地 : 松本市 

日本百名山の美ヶ原は八ヶ岳中信高原国定公園の北西部にあり、最高峰は2034mの王ヶ岳で、山頂付近は平坦な台地になっているので放牧地になっている。

もともとは東山などの名称で呼ばれてきたが、1921年(大正10年)に、後に日本山岳会の初代会長となった木暮理太郎が会報誌にここの登山記録を載せてから、美ヶ原の名称が定着したそうだ。

美ヶ原温泉という名称からすると、当然のことながらこの美ヶ原の山麓に位置しているように思うが、実際は松本市の中心から東へ5kmほど、松本の奥座敷・浅間温泉と隣り合っている。

美ヶ原から直線で15kmほど離れており、美ヶ原の山麓はおろか、山裾にあるとも言い難いが、標高が700m〜800mにあるのでそこらは大目に見よう。


歴史は日本書紀に登場するそうで、古湯と言われる浅間温泉よりさらに長い歴史がある。

かっては白糸の湯、束間の湯、山辺温泉などと呼ばれていたが、昭和30年代に美ヶ原温泉と呼ばれるようになった。

風呂は男女別の内湯(かけ流し)のみ、浴室・浴槽ともタイル張りで小さめ、その上、半身浴用のためか、3分の1が浅いので実質2人しか入れない。

入浴しながら、二つ目のシャワーが浴槽に近いため、使うとシャンプー類の飛沫が浴槽に飛ぶのでは、と思ったが、やはり口コミで苦情が出てた

美ヶ原温泉は3地区から成るが、その中の湯の原地区の道筋には小さな2階建の和風旅館が6軒、文字通り軒を連ねている。
美ヶ原温泉では一番風情がある地域で、その一番端(逆方向から来ると一番先)に、白壁2階建、客室がたった5室だけの酒井屋旅館がある。

手元のガイドブック2冊の両方に紹介記事が掲載されていない酒井屋旅館に予約を入れたのは、偏に家内の必須条件であるシャワートイレ付きの宿だったからだ。
その後で、ここが上記のようは口コミ評価が非常に高い宿であることを知って驚いた。

この評価は、宿泊料金の割に、夕食・朝食とも個室食事処で取り、そのクオリティも上質のため、コストパーフォマンスが良い、と感じて、それが全体の点が引き上げたのではなかろうか。

風呂は内湯のみ、かけ流しではあるが、詰めて3人程度しか入れないので、いくら5室とは言え女性客が多い場合、混雑すると思われる。

温泉は4本の源泉の混合泉で加温無し、泉質はpH8.6のアルカリ性単純温泉だが、PH値に見合ったヌルスベ感は無かった。
タイルの色のために黒っぽく見えるが、ほとんど無色透明、口に含んだら僅かに苦味が残った。


大きな地図で見る

宿は湯の原・藤井・御母家の3地区に20軒ほどが点在する。写真は小さな宿が立ち並ぶ湯の原地区、人気の宿「すぎもと」もここにある。
国民保養温泉地に指定されていることから分かるように、歓楽的要素が全くない静かな保養向温泉地である。