大出館には全部で8ヶ所の風呂がある。
女性用もあり全部で入浴出来るわけではないが、家内を外で待たせているので、他は全て捨てて墨の湯に向かった。
(営業時間10時〜14時 大人600円)
かなり広い浴室にそれぞれ10人は一度に入れる中規模の浴槽が2つあり、片方が黒い温泉で満たされた墨の湯、もう一方が鶯色に白濁した温泉の鹿の湯である。
驚いたのは、浴室内のタイルが全部で何十枚もはげ落ちたり変色していたことだ。
予算が無いから修理しないのか、この方が秘湯の雰囲気が出て良い、と判断しているのか定かではないが、2色のまったりした温泉と崩壊美ともいうべき浴室全体が不思議にマッチして、温泉マニアなら随喜の涙を流すこと請け合いだ。
墨汁を流したような墨の湯
元湯温泉は、塩原11湯の中で最も秘湯度が高いが、ここ大出館は、日本秘湯を守る会の宿の会員宿に相応しい雰囲気を館内と風呂にぷんぷんと漂わせている。
温泉マニアなら、ここの「墨の湯」とすぐ近くのゑびすやの「梶原の湯・弘法の湯」に一度は浸かってみたいと思うだろう。
この日、前日宿泊した福島県・二岐温泉大丸あすなろ荘を発ち、この日の宿泊地・日光湯元温泉ゆ宿美や川に向かう途中、ほぼルート上の塩原温泉郷元湯温泉に立ち寄ることにした。
かってここの元泉館に宿泊したのだが、チェックインが遅くなってすぐ隣のゑびすやと少し先にある大出館での立ち寄りを逃していたからだ。
家内を待たせているため、両方に入浴する時間は無い、散々迷って「墨の湯」に浸かるため大出館に立ち寄った。
大出館のHPを見ると2種類の源泉の分析表が掲載されている。
一つは「五色の湯ー源泉名:御所の湯ー含硫黄−ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩温泉(50.9℃)」
もう一つは「墨の湯ー源泉名:五色の湯No3含硫黄−ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩温泉(52.6℃)」とある。
泉質名は同じだが、墨の湯には第一鉄イオンを含有しており、これが酸化して黒湯となる要因のようだ。
因みに赤くなるのは第二鉄イオンを含んでいる場合とのことだが確認していない。
大出館では「五色の湯」として温泉自慢をしているが、これは黒湯を含めたすべての源泉の総称らしい。
鶯色に見える鹿の湯
奥が墨の湯、手前が鹿の湯
箒川沿いの無料共同浴場・福渡温泉 岩の湯(混浴)
美しい色調の風呂の縁
脱衣所
墨の湯、見かけよりは濃くない。すごい量の微細な灰色の湯の華が(舞っているどころでなくて)溶け込んでいる。
テラス
ロビー前
客室
住 所 | 栃木県那須塩原市湯本塩原102 |
電 話 | 0287−32−2438 |
交通機関 | 東北自動車道西那須野塩原ICから国道400号線等で約30km 東北新幹線那須塩原駅からバスで60分、塩原温泉バスターミナル下車、タクシーで13分 |
施 設(立ち寄り) | ロビー休憩、駐車場(20台) |
宿 泊 | 26室(T7 BT無し19) 8,550円〜13,800円(2010年1月現在) 料金は各種条件で変動するので、予約の際は下記の宿のHPを参照ください。 |
泉 質 | 墨の湯:含硫黄−ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩温泉(52.6℃) 五色の湯(御所の湯): 含硫黄−ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩温泉(50.9℃) |
適応症 | 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間(日帰り) | 宿泊者は24時間(露天風呂・大浴場は6時30分〜22時 立ち寄り入浴は10時〜14時(予約不要) |
定休日 | 無休 |
入浴料金 | 大人 600円 |
入浴施設 | 内湯:混浴4 女1 露天風呂:混浴1 女1 貸切風呂1(予約不要) |
浴室備品(立ち寄り湯) | シャンプ、ボディソープ、ロッカー、ドライヤーなどは、墨湯だけしか入浴していないので不詳。 |
観光スポット | もみじ谷大吊橋、回顧の吊橋、稚児ヶ淵、千本松牧場、回顧の滝、龍化の滝、秋の日塩もみじライン、那須高原、日光江戸村 日光猿軍団、日光 |
お土産・食事 | 土産は館内、昼食不可 |
近くの温泉 | 塩原11湯、鬼怒川温泉、川治温泉、湯西川温泉、奥鬼怒温泉郷、那須温泉郷 |
那須塩原市HP 旅館組合HP 大出館HP |
http://www.city.nasushiobara.lg.jp/ http://www.siobara.or.jp/ http://www.naf.co.jp/ooidekan/ |
雑記帳 | 元湯温泉の3つの旅館の内、元泉館に宿泊、今回大出館に立ち寄ったので残るのはゑびす(梶原の湯)だけとなった。 それにしても宿泊もしているのにまだ1ヶ所残すこの効率の悪さ。 諸般の事情があってのことだが、果たしてゑびすやに入浴することができるだろうか。 |
カラン2ヶ所と石鹸だけ、シャワーは無い。
入浴せず覗いただけの貸切風呂。
墨の湯入浴中に、アジア系の女性が入って来て清掃を始めた。(おおらかだ!)。
正面、タイルが数多く剥がれおちている。