白骨温泉 白船グランドホテル (長野県)

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日帰り入浴不可

乗鞍岳の北東、標高1400mの高所に硫黄・カルシウム分を多く含む白濁(湧出後)した温泉が湧きだす信州の名湯・白骨温泉。宿泊したゑびすやの姉妹館で、白骨で最も大きな旅館・白船グランドホテルで無料入浴した。

白船グランドホテルは、白骨温泉の旅館の中にあって、「湯元 斎藤旅館」とともに50室を超える大型旅館だ。
山林の中に11軒の宿が点在し、どこが温泉街の中心か定かではないが、白船グランドホテルは、国の天然記念物である噴湯丘(温泉噴出口跡)の前にあり、近くには「白船荘 新宅旅館」と姉妹館の「白骨ゑびずや」がある。

今回、白骨ゑびすやに宿泊したが、この場合、徒歩で2分ほどの白船グランドホテルに無料で入浴出来る(逆も同じ)。
54室あるだけに、ロビー周辺や湯上り処などのパブリックスペースは広々としているが、全体的に一昔前の観光旅館の懐かしい雰囲気がある。

内風呂は全面ガラスで見晴らしがよく、、浴槽はかなり広い。
内風呂から繋がる露天風呂からは、標高1400に相応しい雄大な景観が眼下に広がる。
源泉は2本、内1本は「新宅1号泉」とあるので、隣の新宅旅館から温泉を融通してもらっているのだろうか。
こちらの温泉が主力なようで、泉質は含硫黄ーカルシウム・マグネシウム・ナトリウムー炭酸水素塩温泉」で、硫化水素臭がする上質の湯だ。

松本市は長野県の中央、やや西寄りに位置し、国宝松本城を中心とする旧城下町で、幸いにも戦災を免れたことから歴史的建造物が多く残る。

松本市のキャッチフレーズは、「三ガク都」である。
即ち、楽都(小沢征爾ら一流の音楽家の集うサイトウ・キネン・フェスティバルの開催など)、岳都(北アルプス他)、学都(日本で最も古い小学校の一つ開智学校、全国9番目の官立旧制高等学校である松本高校)の三つのガク都である。

2005年の合併後の市域は、西の飛騨山脈(北アルプス、3000m級)から、東の筑摩山地(美ヶ原など2000m級)までと広大となった。 この合併により、松本市は日本を代表する山岳観光地(上高地・乗鞍高原)と白骨・乗鞍高原・坂巻さわんど中の湯などの温泉地を一挙に手に入れることになった。

松本市の西方に位置する安曇(あずみの)は岐阜県に接し、槍ヶ岳・穂高岳・乗鞍岳などの山岳地帯から標高660m〜1、500mの乗鞍高原に及んでいる。

白骨温泉を代表する「泡の湯」の混浴露天風呂。
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
住 所 長野県松本市安曇4203
電 話 0263−93−3333
交通機関 ・(東京から)長野自動車道松本ICから国道158号線等で約40km
(大阪から)東海北陸道飛騨清美ICから(高山経由)国道158号線等で約90km

・白骨温泉へは、国道158号線から分岐する2本のルートがある。
松本方面からだと、前川渡から県道84号線(乗鞍岳線)で乗鞍高原に出て、そこから乗鞍スーパー林道で白骨温泉へ。
・高山方面からだと湯川渡から県道300号線(白骨温泉線)で白骨温泉へ・・・このルートは狭隘で、冬季に通行止めとなっていたため拡幅工事が行われていたが、今般開通した。

・松本電鉄新島々駅からアルピコ交通バス白骨温泉行きで1時間22分
宿 泊 54室 平日2人1室 15、000円前後〜
季節・曜日・宿泊人数などによって変動するので、最新・詳細情報は宿のHPを参照のこと。
泉 質 含硫黄ーカルシウム・マグネシウム・ナトリウムー炭酸水素塩温泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
風 呂 内湯:男女各1、露天:男女各1 貸切風呂1
観光スポット 温泉街周辺(天然記念物の噴湯丘跡、中里介山文学碑)
上高地、乗鞍高原、乗鞍岳、安曇野、奥飛騨、高山、松本、木曽路
近くの温泉 乗鞍高原温泉さわんど温泉坂巻温泉中の湯温泉、上高地温泉、奥飛騨温泉郷(平湯福地新平湯栃尾新穂高)・
松本市HP
観光協会HP
安曇観光HP
白骨温泉HP
白骨GHHP
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/
http://youkoso.city.matsumoto.nagano.jp/
http://www.alps-kanko.jp/
http://www.shirahone.org/
http://www.shirafune.net/

白骨温泉の旧名、「白船」は、この浴槽の白い温泉成分の堆積物に由来する。こてこて度合いは、姉妹館の「ゑびすや」の方が断然凄い(写真右側)」

標高1400に相応しい大パノラマが眼前に広がる。

白骨温泉はかっての大日本地名辞典では「白船の湯」と記されていた。「白船」の由来は、温泉成分が風呂に付着し、湯船が白くなる状態から来ている。
大正2年、中里介山の長編小説「大菩薩峠」(白骨の巻)」で、白船に白骨の字を当てて登場させたことから世に知られ、以来、白骨温泉が通称になった。

白骨温泉は乗鞍岳の北東、標高1400m〜1500mの山腹に11軒の宿(日帰り施設3軒)が点在している。
旅館数が多いので、世間的には名湯とは呼ばれても秘湯と呼ばれることが少ないが、周囲の地形・自然やアクセスの不便さからすれば、秘湯と言っていいだろう。


乳白色の温泉で人気が高かった白骨温泉だが、2004年7月、週間ポストが、白骨で温泉に着色がなされている、と最初に取り上げ、翌日からは新聞・テレビがこの事件を大々的に報道し始めた。この不祥事が起きたのは残念だったが、その後、温泉街を上げて信頼回復に努めてきた。。
白骨温泉は、もともと白濁した温泉が豊富に湧出して、どの宿も掛け流しであり、信州を代表する名湯であることは間違いない。

上高地、河童橋から見る穂高連峰。

54室に相応しい偉容。

豪華な湯上り処。

ロビー周りは一昔前の赤系カーペット。

所在地 : 松本市安曇(あずみ)

緑がかった白濁、硫黄臭がする、これぞ白骨の温泉。日帰り入浴は受け付けていない。

温泉名 : 白骨(しらほね)温泉 

透明度は思ったよりある。源泉は2本使用している。

施設名 : 白船(しらふね)グランドホテル(入浴日:2013.8.8)