窓枠まで木造、書院造の藤の間の宿泊料金は一人16,000円(税別)、電話での申し込みが効いたのか、ランクアップした部屋だ。手前の4.5畳の茶の間には炬燵とテレビと空気清浄機も。奥の8畳は2方が廊下で明るく、予め布団が敷いてあった。こちらの部屋にも液晶テレビが置いてあった。冷蔵庫は空で持参したものを入れられた。部屋付きの風呂も温泉利用なので、何回か利用した。

男子用御手洗所、右側には女性用御手洗所。部屋の外ではなく部屋の中のトイレです。女性用はシャワートイレ。

案内された1階の藤の間は不思議な造りで、廊下からいつの間にか部屋に入っていた。正面は内廊下に続く。

普通、茶菓子は売店でも売ってる地元の土産が多いが、ここは手作り、赤ワインで煮込んだリンゴのコンフォートが出ていきなりポイントを稼ぐ。

湯治時代を思わせる洗面所の前に何故か立派なソファ。湯上がり処か?

玄関正面に見事な屏風、正面の生花も高価なものをふんだんに盛って経営好調が推測出来る。

HPでは顔を隠している女将と青葉玄関前で記念撮影。

福島市域には、東北を代表する温泉地の一つである飯坂温泉、何れも日本百名山の安達太良山と吾妻山の谷間や山麓に湧く土湯温泉郷と土湯峠温泉郷、そして白濁した湯が豊富に湧き出る高湯温泉などの温泉群が湯煙を上げている。

中でも飯坂温泉は、宮城県の秋保温泉・鳴子温泉とともに奥州三名湯に数えられている。
また、古今和歌集にも詠まれている古湯であり、俳聖松尾芭蕉もここに立寄って温泉に浸かっている。

温泉街は、飯坂駅を出てすぐ右手に十綱橋が架かり、その下を流れる摺上川(すりかみがわ)の両岸に、大きな旅館・ホテルが立ち並んでいる。
しかしながら、団体客中心、歓楽的な要素が高かった全国の大温泉地と同じく、飯坂温泉もバブル崩壊後以降に大きなダメージを蒙り、最盛期に150軒あった旅館・ホテルが、現在は47軒に減少している。

特筆すべきは、歴史ある温泉地に相応しく9軒の共同浴場があることで(近くの穴原温泉の共同浴場1軒を含む)、温泉好きには嬉しい湯巡りが待っている。


大きな地図で見る

飯坂温泉 内湯旅館 青葉 (福島県)

露天風呂には、気前よくラベルに青葉と書かれた一升瓶が置いてある。

日帰り入浴不可

風 呂

2011年3月11日の東日本大震災で大きな被害を受け、その後の風評被害で苦しむ福島県応援第二弾。

初日は東北を代表する大温泉地で、未だ宿泊・入浴未体験の飯坂温泉に決め、宿探しをスタート。
例によって口コミを重視して検索した結果、何冊かのガイドブックでも紹介されていない「内湯旅館 青葉」が浮上してきた。


総合点も高いが、特に料理の評価が満点近く、共同浴場が9ヶ所もあることだし、風呂にはウエイトは置かないでここにしようかと思いつつ、一点だけ確認したかったことがあったので電話をかけた。

その際、電話をとった女将のよし子さんに『ホームページの「女将ご挨拶」の写真、お顔が切れてますね』とおちょくったら、「お見せする様な顔ではありませんが、来られた時のお楽しみに。ホホホ」と明るく楽しい会話のやり取りに、その場で予約を入れた。

「内湯旅館」とことさら内湯を持った旅館を強調しているのは、創業の昭和初期頃は、自分の所に風呂は持たずに、湯治客は近所の鯖湖湯等の共同浴場で入浴していたのが普通だった。
その中で、自前の風呂を持っていたのが大きな売り物だったからだろう。

飯坂温泉は奥州三名湯の一つで、古今和歌集にも詠まれている東北屈指の古湯・大温泉地であり、温泉好きには、鯖湖湯をはじめ9ヶ所の共同浴場が嬉しい。
手元のガイドブックには掲載されていないが、口コミの評価が高く(特に料理が)、鯖湖湯にほど近い部屋数10室の「内湯旅館 青葉」に宿泊した。

じゃらん 口コミ評価  総合4.8(46件宿泊平均)

部屋 4.4 風呂 4.5
料理(朝食) 4.8 料理(夕食) 4.9
接客・サービス 4.8 清潔感 4.5 
住 所 福島県福島市飯坂町東堀切7番地
電 話 024−542−3346
交通機関 東北自動車道福島飯坂ICから約5km
福島交通飯坂線飯坂温泉駅から徒歩12分
宿 泊 13,000円〜35,000円 料金は部屋の違い。(2013年1月現在)
泉 質 単純温泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 宿泊客 24時間OK
入浴料金 日帰り入浴不可
入浴施設 男女別内湯 露天風呂1 何れの風呂も貸切可能
観光スポット 温泉街(温泉街散策・旧堀切邸・中野不動尊・医王寺・八幡神社(喧嘩祭)・福嶋 片岡鶴太郎美術庭園・飯坂明治大正ガラス美術館)
フルーツライン、磐梯吾妻スカイライン(日本の道100選)、磐梯山(裏磐梯)、桧原湖、五色沼、秋元湖、吾妻高原、浄土平、会津若松、喜多方
近くの温泉 穴原温泉高湯温泉、土湯温泉郷、土湯峠温泉郷岳温泉、微温湯温泉、信夫温泉中ノ沢温泉米沢八湯、白石湯沢温泉、小原温泉、鎌先温泉
福島観光協会HP
飯坂温泉HP
青葉HP
http://www.f-kankou.jp/
http://www.iizaka.com/
http://www.iizaka-aoba.jp/
雑記帳 飯坂温泉のシンボルである共同浴場・鯖湖湯の湯温が高温と聞いていたが、宿のスタッフが「もっと熱いですよ」と、「暗に外からの人は入れない」の意味を込めたコメントを無視して挑戦したのが、八幡の湯だった、。
その後、大門の湯で入浴したが、地元の人が、共同浴場ではここが一番熱いと断言した。
我々、外部の者は、入浴時間や入浴者数や先客が加水して湯温を下げたあとで入浴した、など様々な異なった条件のもとで一度入浴するだけなので、軽々にどこが一番高いか言える立場ではない。
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

グリンピースの入ったお強、汁も手が込んでいた

野菜の天ぷら

米沢牛が登場

お造り(ボタン海老と中トロ

カボチャの冷製スープ、これも美味しい

山椒の実を乗せたヤマメは3回炊いているそうで、頭から骨ごと食べられる。美味!

風呂は男女別の内湯である岩風呂と露天風呂1ヶ所、合計3ヶ所となる。すべて貸切風呂として利用できるので、実質は貸切3ヶ所と言って良い。
他に客室についた風呂にも温泉が使われている

宿のHPを見ると「当館の温泉は元湯です」とあるので、自家源泉を有しているのかも知れない。
さらりとした透明・無味無臭の単純温泉が掛け流しにされている。

露天風呂には清酒の一升瓶が置いてあり(健康上、あまり褒めたことではないが)、露天風呂に浸かりながら、塩をなめつつ升を傾けることが出来るので、酒好きにはたまらないだろう。


尚、日帰り入浴は受け付けていない。

温泉名 : 飯坂温泉

所在地 : 福島市飯坂町

温泉街の中で最も情緒がある鯖湖湯付近。

磐梯吾妻スカイラインの景勝の一つ「霜降(しもふり)」。この道を福島市街方面(写真上部右手)に進むと高湯温泉を通過する

サーブしてくれた若旦那。控え目で誠実、飯坂温泉・青葉についていろいろ語ってくれました。

デザート

食 事

施設名 : 内湯旅館 青葉 (宿泊日:2012.7.10)


アオミズ・アザミ・山ウド・ワラビ・等、野菜・山菜を中心にした20品ほどの皿が並ぶ。これが先付けと前菜に相当か?蒟蒻以外はすべてが手作りだ。

じゃらんの口コミ評価、夕食4.9、朝食4.8の高得点が納得出来て、他のどこの旅館でも経験していないスタイルの夕食、そして朝食を味わった。

夕食・朝食とも部屋食だが、何よりも驚くのは、食卓に並ぶ小皿の多さだ。しかし、どの品も出来会いではなくて、大変な手間隙掛けているのに家内が感動していた。

朝食も夕食同様に皿が並び、座ったままでは撮影できず、立ちあがって全貌を撮った。
サーブしてくださった誠実な印象を受ける若旦那によれば、料理は家族だけで作るとのこと。

余談だが、若旦那から聞いた話によれば、かって飯坂温泉には150軒の旅館・ホテルがあったが、現在は47軒と三分の一に減り、生き残ったのは青葉みたい小規模の宿が多いそうだ。

露天風呂も貸切が可能。岩風呂と同様に空いていれば入って鍵をかければよい。

2ヶ所の内湯の岩風呂。家族単位で入るのにちょうど良い大きさだ。青葉の様な小さな旅館に泊まる利点は、部屋から風呂への距離が短いことだ。

宿泊した女将から、鯖湖湯より熱いですよ、と言われたものを含めて、観光的色彩が薄く地元の人の利用が中心の3ヶ所の共同浴場、「八幡の湯」「大門の湯」「天王寺穴原湯」(左から)で入浴した。

駅前に立つ芭蕉像。奥の細道の中で飯坂温泉に泊まった記述があり、、雨漏りがする粗末な宿に泊まって、大変な目に遭ったらしい。

9軒ある共同浴場の代表格・鯖湖湯。休館日と源泉メインテナンスの為入浴を逃した。

摺上川沿いの温泉街。廃業した旅館が廃墟となって、無残な姿を晒している。
左は近年リニューアルされた共同浴場の波来湯。

メイン道路から車一台がやっとの路地の一角にある青葉。車は敷地内に停められる。
一部改築・増築されているだろうが、基本は昭和初期の建築だろう。懐かしい佇まいだ。
部屋は10室、宿泊料金は、13,000円〜35,000円と幅があるが、食事に差は無く、部屋のタイプによるもの。

福島市は東京からおよそ260km、西側の奥羽山脈と東側の阿武隈高地に挟まれた福島盆地の南西部分とその周辺の山岳・丘陵地帯が市域である。

市内からは西に吾妻連峰を、南西に安達太良山を仰ぐ。
古来から交通の要衝だったが、現在でも東北道の他、国道4号線から分岐する国道13号線の起点であり、鉄道では東北新幹線と山形新幹線の分岐となっている。


市域最大の観光スポットは、磐梯朝日国立公園に属する土湯峠から平均標高1,350m、最高標高1,622mを走り高湯温泉に至る29km、吾妻連峰を縫うように走る磐梯吾妻スカイライン(日本の道100選)である。
途中、噴煙が舞いあがる一切経山(1949m)と吾妻小富士(1,707m)の間に開けた浄土平では、荒々しい山塊を間じかに見ることが出来る。

吾妻連峰の麓を走る14kmの道はフルーツラインの愛称がつけられ、季節になると桃・サクランボウ・梨・リンゴ・ブドウなどの果物狩りが出来る直販所が店を開く。

朝食も立ちあがって撮影した。やはり手作り感覚抜群だった。

沸騰させて煮てはいけない青梅。3日かかりで作るそうだ。