もともと農業の片手間に営業していた湯治宿。所有する広い畑で栽培した野菜を使った滋味豊かな田舎料理だ。若い人向きではないのだろうか、じゃらんの夕食評価は、3.8とあまり高くなかった

夕 食

新 湯

蔵 湯

御前湯(小)

8年前に立ち寄って入浴した唯一の風呂がここだった。桧だろうか、青森ヒバだろうか、武骨な木造の風呂は2mX4mほでの大きさ(男女交代制)。
他の風呂と違って、ここは窓が広く取られているので、透明度の高い単純温泉が光に反射してきらきら輝くのが美しい。浴槽は何回か造り直されたが、窓から見える石組は、江戸時代からのものだ。
下の御前湯(小)とともに、シャワー・カラン・シャンプー類があるので、体はここで洗っておきたい。
大湯・金泉堂

亥之輔の湯

通常は、男女交代4ヶ所、貸切2ヶ所だが、宿泊人数が少ないときは貸切が3~4ヶ所になる。今回宿泊の際は4ヶ所になってた。

6ヶ所の風呂

現在の青根御殿は、昭和7年に昔のままに再建された。宿泊した客は、チェックアウト前に、宿の方の案内で、館内と展示された伊達藩の骨董品や古文書などを見ることが出来る。山本周五郎の伊達家御家騒動を描いた小説「樅の木は残った」はここで執筆された。

青根温泉(宮城県)

以前にあった2ヶ所の古い共同浴場を廃止し、代わりに、外来客も期待して、大きな駐車場を持った日帰り施設・じゃっぽの湯をオープンした。
料金は、共同浴場並みの310円、露天風呂は無く大きな浴槽を持つ内湯のみ。その分、内湯の浴槽に惜しみなく温泉を掛け流しで落としている
(写真はHPから借用)

蔵王連山を見渡す眺望抜群の露天風呂は、いつまでも浸かっていたい気分になる。

国道からほんの少し山側に入った所に立つとだ家は、部屋数17室、リーズナブル料金の宿。500円と明示された日帰り入浴のの幟が立てられ、安心して立ち寄れる。
大きくはないが、遠くに蔵王連峰前衛の山が望める眺望抜群の露天風呂。

2017年7月30日UP

東鳴子温泉 高友旅館 (宮城県)
東鳴子温泉 馬場温泉 (宮城県)
伊達藩当時の大湯の石風呂をベースに、木と石と土を使った伝統工法で造り上げた大湯(金泉堂)
7~8段の階段を下って浴室に入る。この階段を下るとき、重厚な造りが迫って来て鳥肌が立つ。浴槽の広さは10mx3mほどと大きく、浴室内は青森ヒバ、床は木製のすのこ、浴槽の底の素材は切り石、なんとも贅沢な造りだ。通常は男女時間制だが、この日は、宿泊者が少ないためだろう、貸切だった。日本一、贅沢な貸切入浴ではないか?
こけしの湯:当館一番人気の風呂。含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉。
亀若の湯:当館で一番温度が低い温泉(38℃)、鉄分を濾過しないため茶褐色。単純温泉。
啼子の湯:唯一の露天風呂で男女交代制。ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉
義経の湯キュキュ感が強い。ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉
敷地内にあった源泉塔。

3日目9時前に大湯温泉を出発、再び小安峡温泉を通過して県道310号に乗り昨日通過した川原毛地獄に向かう。温泉巡りをはじめて間もなく知った、北海道・カムイワッカ湯と並ぶ温泉の大滝、川原毛大湯滝に浸かるためだ。

滝壺から温泉が溢れ出てくる辺りの凹みで入浴。温度は38℃位で快適温度だった。

鷹の湯温泉入浴後、国道108号を北上して右折、図上では拡大鏡が無いと見えないようなか細い県道310号(秋ノ宮小安温泉線)に乗り換えて東に進む。幸い、恐れていたような極端な隘路ではなかった。

宮城県・秋田県の名湯・秘湯 3泊4日一人旅

東鳴子温泉は、鳴子温泉と川渡温泉の中間に位置し、最寄り駅は「鳴子御殿駅」。国道47号から一筋南側、低層、地味な建物が続き、温泉街風情に欠ける。しかし、温泉好きにはたまらない風呂を持つ素朴な宿が多数点在する。
川原毛大湯滝 (秋田県)
東鳴子温泉の多くの旅館が自炊湯治が可能、「馬場温泉」もその一つで、未だに自分のHPを持たない希有な宿でもある。
日帰り入浴は大人500円で、入浴時間は11時~20時までとなっているが、これは館内の風呂に入る場合の料金だ。
これとは別に、馬場温泉の広い敷地中央には、通称、「馬場温泉共同浴場」と呼ばれ、一見すると物置に思えてしまう混浴の湯小屋がある。
入浴には別料金(300円 30分)が必要だが、館内の内湯よりこちらの方が温泉好きには知られており、「まっとうな温泉東日本版」出版でご一緒した「しおりさん」と「まぐぞーさん」もここを高く評価されている(しおりさん)(まぐぞーさん
鳴子温泉 姥乃湯 (宮城県)
国道から私道を200mほど進んだ先にあり、いかにも日本秘湯を守る会の宿らしい佇まい。近年リニューアルしたのだろうか、さっぱりした真新しい外観だ。9室(ウオッシュレット付和室8 トイレ無し1)、料金は10,000円~14,000円程度と手頃だ。
敷地内のあちこちから噴煙が舞い上がってる。

雨が降っても大丈夫な立派な渡り廊下を下って露天風呂へ。
2日目

1日目

橫堀温泉で子供の時の夢を叶え、あとは今夜宿泊する鳴子温泉に早めに到着して、どうしても入浴したい3軒の旅館に立ち寄りたく、再び国道108号に乗り、今度は南下を始めた。

川原毛大湯滝への駐車場を間違えたこともあって朝から体力を消耗、マイナーな橫堀温泉(紫雲閣)を省略して、今夜の宿泊地、鳴子温泉に直行しようかと思った。しかし、60年以上に亘って抱いてきた課題を、片道40kmほどの距離で果たさないのは勿体ないと言い聞かせ、再び国道108号に出て北上、JR奥羽本線橫堀駅に向かった。
日本秘湯を守る会の宿で、ウオッシュレットトイレ付の部屋が20室、料金が12、000~13,000円。じゃらんのクチコミは総合で3.9だが、風呂は満点の5.0という高評価。入浴してこの高得点を納得する

下の駐車場のトイレまで年寄りの足で30分ほど。ここから大滝湯まで10数分。ここへ来て、はじめて滝に近い駐車場があることを知った。
仙台名物の笹蒲鉾が付いていた。
岩魚の田楽は、頭から食べられる。
空也煮は、豆腐を使った茶碗蒸し。
朝 食
夕 食
風呂は内湯のみで、露天風呂は無い。2.5m四方で小さめだが、宿泊客が数組だから、これで十分だ。浴槽は、硯の産地である宮城県雄勝の玄晶石を使用している。湯温は40℃を下回り長湯が出来る

川渡(かわたび)温泉は、国道47号線の一筋裏側、鳴子温泉郷の入口にあって、中小の旅館10軒ほどが、共同浴場を囲むようにして建っている。
名前の由来は、江合川を渡った山里にあることから川渡と呼ばれるようになった。

みやまは、国道からほんの少々進んだ雑木の木立ちの中にあり、本館に湯治用客室5、新館に一般客室5の小さな宿だ。じゃらんの総合評価は、4.2で悪くない。ここは古いつきあいの温泉(旅)仲間、温泉たまこさん(現串カツ子さん)の記事で知った。
川渡温泉 山ふところの宿みやま (宮城県)
2mx2m50位の浴槽は脚を折って4人がやっと。温泉好きが誰もが褒める温泉で、泉質はナトリウムー炭酸水素塩泉、いわゆる重曹泉。コーラ色で少し油臭、ヌルスベ感が強い。ここを訪れた方の共通の感想が今一つ、誰がいつ入ってもとにかく熱いことで、軽く45℃を超えて、47~48℃はあるだろう。

温泉評論家・郡司勇さんの記事を付記する。

「ここの湯はいつ来ても熱い。今回は夏なので、48度くらいの熱い湯になっていた。入浴すると泡付きがあり新鮮な良い湯である。匂いも良い。しかしなんせ熱すぎて長湯が出来ないのが残念である。ここは冬向けである。黒褐色(コーラ色)、刺激味、少油臭であった。つるつるの感触もあり、色、味、匂いの個性もはっきりとある名湯である。東鳴子の宝である。」
滝に向かって左側にある男女別の脱衣場。誰もいなかったが、ここで持参した水泳パンツに着替えた。
右側の写真:暑いさなか、上りの帰り道を考えると恐ろしかったが、幸運なことに、下の駐車場に車で寝泊まりして旅をしている青年と出会った。彼に上の駐車場まで運んでくれることを頼んだら快くOKしてくれた。本当に嬉しかったので、今日はこれで旅館に泊って、といって謝礼を受け取ってもらった。
橫堀温泉 紫雲閣 (秋田県)
大湯滝の上流の橋を渡る。川の底が温泉成分のためだろう、緑色に見えた。
県道沿い、標高800mの川原毛地獄を一望する絶好のロケーションに車を停める。
この時点で、大湯滝に近い所に別の駐車場があることを知らなかった。
3日目
  デザートまで揃った完璧な一気出しの夕食。料理を俯瞰でき、これはこれで楽しい。
     2ヶ所ある露天風呂の一つ。                     
光線が抑えられた石造りの三宝の湯は雰囲気がある。                
県道310号で秋の宮温泉郷から小安峡温泉に抜ける途中に、日本三大霊場の一つに数えられる川原毛地獄の奇怪な風景が現れる。
この先を下った先に、今回の旅のハイライト、川原毛大湯滝がある。明日、入浴するのでこの日は通過するのみ。
翌日、大滝湯に近い駐車場があるのを知らず、此処に車を停めて大滝湯に向かったのが大間違い、後で大後悔することになる(後述)。
小さな明かりとりがあるだけ、浴室内は薄暗く雰囲気がある。これだけ贅沢な空間なのに、独立した脱衣所脱衣所は無く、浴室内、左前方に藤編みの籠が数個置いてあるのみ。また、ジャワ^-・カランが無い。いずれもかっての大湯の構造を忠実に模したためだろう。天井に渡された梁の太さが凄い。
湯元不忘閣(宮城県)
温泉旅館のクチコミで、最も信頼度が高いのがじゃらんと思っている。そこで、総合4.9も凄いが、温泉の評価が5.0と希有な満点である(2017年7月12日現在)。しかし、これには不忘閣に宿泊した人なら、さもあらんと深く頷くだろう。

その風呂は全部で6ヶ所、内、4ヶ所が男女交代、貸切風呂が2ヶ所(宿泊状態で増加)。特筆すべきはこれだけの風呂がありながら、野外にある露天風呂が皆無であることだ。
それに新築された浴舎は、昔ながらの建築技法に基づき建設され、建築資材はひのき、ぶな、栗まどの広葉樹を使用、塗料も柿渋、漆、木油の自然素材に拘ったいる。

遠刈田(とおがった)温泉は蔵王連峰を西に望む標高330mのなだらかな高原にあり、松川河畔沿いの開けた一帯に15軒ほどの旅館が点在する静かな温泉地だ。
3ヶ所ある共同浴場の一つ、神の湯は温泉街の中央にあって、地元客ばけりでく、観光客を意識した造りだ。。2007年5月に入浴したので今回は通過。
大忠(だいちゅう)は部屋数が10室の小さな宿だが、館内は照明を抑えた粋な和モダン造りで、女性が好みそうな雰囲気。じゃらんの口コミ評価では総合4.8朝食・夕食とも4.7の高得点。
遠刈田温泉 旬菜湯宿 大忠 (宮城県)
秋の宮温泉郷 宝寿温泉 (秋田県)

品川の長女自宅から首都高速に乗って東北自動車道へ。

敷地真ん中にポツンとある物置小屋と思ってしまう馬場温泉共同浴場。

有毒ガス危険の警告板。ここから滝に向かって下ってゆく。
地獄の中をずっと下って行く。ここら辺で帰りが怖くなってきた。
青森県の恐山、富山県の立山と並ぶ日本三大霊地の一つである川原毛地獄。ここの硫黄採取は江戸時代中期から昭和4年まだ続いた。

朝 食

館内の内湯温泉の川が横を流れている位だから、もう少し贅沢に温泉が落とされていると思ってた。
露天風呂に隣接する湯治雰囲気の内風呂。
歴代伊達藩主御用達であった不忘閣。不忘閣の命名者は伊達政宗だという。当主が21代目という老舗の宿。現在の玄関は手前でなく奥にある。

朝 食

   秋の宮温泉郷 鷹の湯温泉 (秋田県)
吹上温泉 峯雲閣 (宮城県)
一人旅、6畳で十分、しかも立派なトイレが付いて2食付き10,000円は割安。
小安峡から国道398号をほんの数キロ南下、右手に今宵宿泊する阿部旅館の大きな看板が目に飛び込んで来た。
明治時代の当館土蔵に造られた蔵湯浴司(くらゆよくす)。
太い梁が組まれた高い天井の下にあって、総檜の香に包まれた大きな風呂を独占する贅沢さを存分に楽しんだ。
本日の宿泊は青根温泉だが、以前から気になっていた遠刈田温泉に大忠(だいちゅう)で入浴するため、村田ICで下りた。
大根餅は、お餅の磯部槇巻きの食感。
左側の茅葺の母屋は、国登録有形文化財、オーナー一家が住んでいる。向かって右側に湯治用の本館(5室)・一般用新館(5室)」がある。
木立を見渡すロビーは爽やか。
途中で、川原毛地獄が源泉である証拠の温泉湧出場所を見かけた。

渓流沿いにある大きな混浴露天風呂。奥に温泉の滝が見える。

国道47号沿い、広い敷地にある馬場温泉。
本館内の内湯は500円。
高友旅館で最も大きな風呂「黒湯」は、温泉好きに知られる名物風呂だ。前方がもう一つの「プール風呂」。泉質は硫黄泉。
東鳴子温泉街。右手前が松田忠徳温泉教授の日本百名湯で紹介した旅館大沼。10年以上前に宿泊した。
秋保温泉、飯坂温泉とともに奥州三名泉の一つ鳴子温泉郷とは、陸羽本線・国道47号沿いに点在する川渡温泉、東鳴子温泉、鳴子温泉、中山平温泉、それに山間部に入った鬼首温泉郷(鬼首温泉、吹上温泉、轟温泉、宮沢温泉)の5つの温泉の総称である。

最寄駅で言うと、川渡温泉駅・鳴子御殿駅・鳴子温泉駅・中山平駅の4駅周辺に湯煙を上げている(鬼首は除く)。


ほとんどの旅館が掛け流しという湯量の多さを誇るとともに、泉質分類11種類の内、9種類の温泉を湧出するのが誇りだ。

これに伴って規模・料金・温泉面でバラエテイに富む旅館・ホテルが多数あり、草津・別府などと肩を並べる・・・は少し大げさだが、温泉そのものに拘れば東北随一の温泉地であることは間違いない。
国道108号、県境の鬼首トンネルを通過して、再び宮城県へ入り鳴子温泉郷の中心部へ。
左の風呂から続くもう一つの風呂は、窓を開ければ露天風呂の雰囲気を味わえる。
30cnほどのごつい桧の縁が素晴らしい。常時浴槽から溢れ出る温泉で、床全体が濡れていて、マニアには堪らない雰囲気だ。
食後、隣の温泉のことを聞いたら、ここで料金を払ってくださいとのこと。所定の500円を渡したら店の裏口から宝寿温泉に連れて行ってくれた。
2ヶ所の風呂は、こじんまりしてるが、思いがけず趣のあるいいものだった。
店名の文字が剥がれて読めないドライブイン(その後の調べで峠の駅ラフォーレ栗駒と判明)で昼食左側が宿泊も出来る宝寿温泉。
美味しかった稲庭うどん(日本三大うどん)だが、大きなお握り2個食べきるのに苦労した。
秋の宮温泉郷をもう通り過ぎたと思っていたとき、左手に泥臭い看板が目に飛び込んできた。「宝寿温泉」と「稲庭うどん」の文字が見えたので、しめた!、昼食と温泉両方が行けると瞬間に判断、古びた昔ながらのドライブインの駐車場に車を停めた。
こんな町にこんな立派な造りの宿、と驚いた(部屋数10室)。その上、じゃらんのクチコミ評価が総合で4,7もあるので二度驚いた。
橫堀駅への交通標識。珍しい部類に入る苗字を交通標識で見るのは奇妙な感覚だ。横切る国道13号は、福島県福島市から秋田県秋田市へ至る総延長306kmの幹線道路だ。
橫堀駅、吹き曝しの田舎の駅でなく、冬の降雪や寒さに対応した駅舎だった。心の中の小学生の自分に、やっと来たよ、と告げた。

滝壺で浸かることも出来るが、酸性で目にしみると聞いていたので、真下までは行かなかった。

川底の石でケガをするのを避けるため、クロックス持参。

滝に近づくと、滝の高さと湯量の豊富さが分かる。

滝壺に迫ると左側の滝も見えた。

森の木々が途切れて、突然、荒々しい岩盤を落下する大湯滝が全貌を現した。右側の滝は高さ20m、左はよく見えてないが、2段になって落ちている。
入浴に適した季節は夏。11月上旬~5月上旬の間は道路が閉鎖されるようだ。

黒塗りの湯屋を背景に、下段のL字形の露天風呂。
雨が少なかったせいか、火傷しそうなくらい激熱だった温泉の川。
石材板を敷き詰めた清潔感があるかなり大きな内湯。右側にジャグジーが付いていた
塀に囲まれてるため眺望はない。
国道に面した12室の小さな宿。館内は和モダンで女性が好みそうな雰囲気。じゃらんのクチコミ評価も高い(総合4.5 風呂4.9 夕食4.8)。
小安峡温泉 元湯くらぶ (秋田県)
法師温泉長寿館の法師乃湯に模した窓が組込まれた薬師の湯。荒削りの石材を敷いた床と浴槽(5mx5m))、地元の樹齢100年を越えた秋田杉で造られた湯屋、僅かに白濁した湯、とても美しい風呂だ。
小安峡温泉 多郎兵衛旅館 (秋田県)
その小安峡に平行して走る国道398号線沿いに、10軒ほどの中小の旅館が立ち並ぶ小安峡(おやすきょう)温泉。その中で有名な法師温泉長寿館(群馬県)の法師乃湯を模した浴室に惹かれて、江戸時代創業の老舗宿、多郎兵衛旅館に立ち寄った。
途中、これまた秘湯の泥湯温泉近くを通過するが一度入浴したのでパス、直行した小安峡温泉に到着し、2軒の旅館で入浴した。
小安峡温泉のシンボルは、皆瀬川が浸食した景勝・小安峡の断崖から熱湯・蒸気が噴き出す大噴湯だが、谷底まで下りるのが辛くてこちらはパスした。
川原毛地獄

役内川沿いに2ヶ所の露天風呂。右側の一番奥、野趣豊かな風呂、宿では野天風呂称しており混浴だ。

木立のなかにひっそり佇む峯雲閣。客室数11室、10,000円で宿泊出来る。いまどきHPがない宿は珍しい。
五角形の眺望が良い内風呂。眼下に露天風呂が見える。
朝食を取り、チェックアウト前に、宿の方の案内で前掲の青根御殿を見学、9時過ぎに出発、2日目の湯巡りがスタートした。

今日、期待してる温泉は長年望んでいた滝が温泉の鳴子温泉郷
吹上温泉峯雲閣、それに素晴らしい内湯呂を持つ秋田県側の秋の宮温泉鷹の湯、そして宿泊する日本秘湯を守る会の大湯温泉阿部旅館が最後に待っている。

先ずは最寄りの宮城川崎ICから山形自動車道に乗り、すぐに村田JCTで東北自動車堂に乗り換え北上、古川ICで下りて、国道47号に乗って鳴子まで30kmほど走り、そこから分離する国道108号に乗り換えて10km強、素朴な温宿が点在する鬼首温泉の一角にある吹上温泉峯雲閣に到着した。
御前湯(大)と隣り合う。こちらは2人がせいぜいの小さな木製の風呂だが、床も浴槽も歴史を感じさせる風情がある。1人でゆったり入浴するのにはここが一番良いかもしれない。

左が石垣、頭を打つような狭い空間にあり、黒ずんだ色調の亥之輔の湯。唯一の(半)露天風呂で、貸切だが上記の貸切札は無く、空いていれば自由に使える。宿のHPでは、この小さな風呂を真っ先に紹介している。

既に2ヶ所の旅館で入浴しておりパスする誘惑に駆られたが、以前にも通過したので、今回が最後の機会だぞ、と自分に言い聞かせて入館した。
国道からほんの少し入った斜面に建ち、部屋数16室、宿泊料金は2食付き1万円から。館内も庶民的な雰囲気。
内湯は、床も浴槽も天然石を敷き詰めて清潔感が漂う。無色透明の単純温泉が静かにあふれ出している。(入浴料金650円
振り返ると、これまで残してきたたくさんの課題を果たし、充実した一人旅となった。
・念願だった湯元不忘閣や日本秘湯を守る会の大湯温泉阿部旅館に宿泊。
・秘湯とよばれるに相応しい川原毛大湯滝や同じ滝の湯である吹上温泉峯雲閣仙人風呂で温泉の滝を浴びた。
・東北を代表する名湯、鳴子温泉郷に宿泊して、温泉通が推薦する幾つかの宿の風情ある風呂を楽しんできた。
大正時代の色ガラスを使用した浴室。5mx3mくらいの檜風呂に緑茶色の温泉が満たされ(ナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物温泉)、なんとも痺れる風景だ。画面左側は板敷き、「トド」が出来るスペースになっている。露天風呂は無い。入浴料金は600円。
遠刈田温泉から7km、今夜の宿泊地、青根温泉に向かう。

温泉巡りをはじめてすぐに知った温泉の滝、仙人風呂やっと訪れることが出来た。滝壺は写真で見るより小さいが、奥に行けば肩まで浸かれる深さがあって、滝壺全体が38~40℃の温泉、周囲の景観と相まってなんとも心地よい入浴が楽しめた。入浴は晩春~初秋まで可能。露天風呂を含めて水着の入浴も可能のようだ。

仙人風呂の入浴を終えて、再び国道108号を西北に進み、鬼首峠のトンネルを通過すると秋田県に入る。吹上温泉から走ること30km、素朴な温泉宿が点在する秋の宮温泉郷に到着する。
かねてよりここでは2軒の宿、「稲住温泉」と「鷹の湯温泉」で入浴したいと思っていたが、出発直前に前者が閉館したことを知り、鷹の湯温泉のみとなった。

粋なフロント。女性が好みそうな和モダンな造りの館内だ。
鳴子温泉のシンボル、共同浴場の滝の湯(画面左側)と先に宿泊した旅館・ゆさや

石造りで硬質な造りの貸切「もみじ風呂」
男性用内湯のひょうたん風呂。
なまこ壁の土蔵が連なる通路を進んで蔵湯へ。この蔵の中に浴室が設けられている。老舗宿ならではの風景だ。
お山のめぐみ とだ家 (宮城県)

品川区大井町

山景の宿 流辿 (宮城県)

東京の長女夫婦の自宅を中継地点として、珍しくも一人で、宮城県と秋田県の名湯・秘湯17ヶ所を巡ってきた。期間は、2015年7月7日からの3泊4日、ちょうど2年遅れの記事アップであることをご了承ください。
いまも湯治客を受け入れる高友旅館。東北の温泉を愛するまぐぞーさんが、東鳴子温泉と言えばここ、と一押しする宿だ(ご本人宿泊)。温泉の泉質を含めて、とにかく温泉好きが感動する風呂ばかりだ。
鳴子温泉駅から徒歩7~8分、温泉街を通り抜け陸羽東線の踏切を渡り国道47号線に出る手前に、開湯400年、鳴子温泉最古の旅館、姥乃湯がある。
部屋は、2食付9000円前後から宿泊客を受ける旅館部が19室、3000円前後で湯治が可能な自炊部が16室(すべて6畳)ある。
泉質も色も違う4種類の自家源泉が、8ヶ所の風呂に注がれる。入浴時間帯に恵まれて、全ての源泉を味わえた。
館内は女性が好みそうな民芸調、床はどこも磨き込まれピカピカ、塵一つ落ちておらず清潔感がたっぷり。

清潔感がある内湯。露天風呂もあるが日帰りで入浴出来るか確認忘れた。入浴料金700円、12時30分~15時。
汁物のまんじゅう麩。串カツ子さんが絶賛されていた。
翌日早朝、悔いの無いように2回目の大湯、蔵湯、そして新湯をハシゴして夕同様、旧館の客室に用意されたこれぞ日本旅館の朝食を取った。もちろん仙台名物の笹かまぼこもついていた。
小学生高学年のとき、偶然、自分の苗字(橫堀)と同じ奥羽本線橫堀駅を、日本地図を広げているときに見つけた。この時、大人になったらここを訪れようと思ってから60年以上、ようやくその夢が叶うことになった。
その上、駅近くに橫堀温泉紫雲閣という旅館があり、日帰り入浴を受け付けていることが判明、一石二鳥の訪問になった。
部屋から見下ろす湯屋。左側が高温の温泉の川で、岸辺では温泉が自噴する湯煙が舞い上がっていた。
大湯温泉 阿部旅館 (秋田県)
上方にある長方形の露天風呂、見晴らし・開放感が抜群だ。前方下段にL字形の露天風呂がある。

鳴子温泉郷

国道沿いに阿部旅館の大きな看板が立つ。
夕食・朝食(下)とも、旧館2階の客室に用意された。夕食は品数が多く、地元の食材を使った派手さはないが、滋味豊かな料理が供された
床も木製のすのこ。近づくと浴槽の底も桧なのが分かった。ここにも、シャワー・カラン・シャンプー類は無い。
浴槽から温泉が溢れ出て床を浸す。温泉好きにはたまらない風景だ。

夕 食

御前湯(大)

2m四方ほどの小さな貸切の「新湯」は、床も浴槽も切り石で造られており、シャープで硬質な感じ。カラン・シャワーシャンプー類は置いてない。「新湯」の名称だが、これはおそらく大湯と比較しての話であり、最近造られた風呂ではない。風呂の石組は伊達藩の藩主が入浴した当時のままのようで、「大湯」が大きく変貌した今、不忘閣では、ここが最も古い風呂ではないか。
片手では持てないくらい大きくて重い貸切札。入浴の時はこれを持って行く。右から「新湯」「蔵湯」「大湯」。
じゃっぽの湯 (宮城県)
タイル張りのごくシンプルな内湯、泉質は無色透明無味無、特徴が無い単純温泉。
一人旅、家内を車中に待たせることが無いので、チェックイン前に3ヶ所で入浴した。

鳴子温泉の3泊目を終えて、翌朝午前9時にチェックアウト、再び47号を走って、古川ICで東北自動車道に乗り、東京・品川の長女自宅に向かって帰路についた。
エビ・マイタケ・銀杏などが入った「飛龍頭」。これでかなりのボリュウム。
卵はもちろん生卵の朝食。
数多くの伊達藩縁の調度や骨董品が虫干しを兼ねて展示されてる。
欄間には、伊達家の主要家紋である「竹に雀」と「堅三つ引両」がはめ込まれていた。
黒湯とは別源泉、配管がむき出しになってるプール風呂。この2つの風呂は混浴だが、宿泊の場合、20時~21時30分は女性専用タイムとなる。
群馬県の人気宿、法師温泉長寿館の法師乃湯。風呂の材質・構造は違うが、窓・壁はそっくりだ。
長方形で杉を使った浴槽が3ヶ所、目立たない所に岩風呂が1ヶ所の内湯。左の浴槽は、深さ1m30cmある立ち湯。
   国道108号沿いの鳴子ダムを左手に見て走る。                   
   鬼首温泉郷周辺の風景。        

青根洋館。1階が観光案内所、2階が昭和の作曲家、古賀政男の記念館。
山形自動車道宮城川崎ICから約12km、国道457号沿いにある。
宮城蔵王の南、花房山の中腹、標高500にある青根温泉。

享禄元年(1528年)の開湯なので、500年近い歴史があり、鳴子温泉とともに仙台藩の御用湯であった。

青根温泉には小規模な6軒の宿(日帰り施設1)が営業している。これらは国道457号沿いに点在しているが、土産物屋や食事処が無いので温泉街は形成されておらず、俗化した雰囲気は全くない。